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『モニター』説明

ーーーーーー木曜日ーーーーーー


「えっと…あと『映像クラブ』で終わりだな。」


ここはゲーム内。お使いクエストの真っ最中。だいぶ減った紙の束を抱えて、ウシくんが呟く。


「しろっち。『映像クラブ』ってどんな所?」


ウシくんは周りを飛び回る白く丸い使い魔に尋ねる。


『はい。普通に写真や動画を撮影する他に、スマートフォンやiPhone。ドローンと連動したり。動画を繋ぎ合わせて映画を作る事も出来ます。』



「へーすごいなぁー」


棒読みのウシくん。


『いまの反応だと、あまり興味が持てないようですね。』


「へへっ。バレた?俺、そんな才能ないからさ。」


紙の束を持って廊下を歩く。学園内ではモンスターも出現しないので、のんびりした空気が流れる。



「んんっ⁈」


ウシくんが突然あり得ない物を見た。という風に立ち止まった。


『どうかしましたか?』


しろっち。が聞く。


「いや。いま竹のドアが見えた気が……」


そう言いながら少し後戻りする。そこには西洋風の学園内には似つかわしくない純和風の竹の装飾がされたドアがあった。


「…なんでこんな所に?」


ウシくんは『地図マップ』をかざす。地図マップは『準備室』と表示され、内容は『???』と表示される。


「ここは?」


ウシくんはしろっち。に尋ねる。


『はい。私にはまだデータが届いていません。』


「そっか。」


ウシくんはドアをノックする。抱えていた紙の束は、シュン!と持ち物へと入る。ドアは普通に開いた。


「入りますよ…誰かいませ……うわっ‼︎」


ドアを開くと、そこには見覚えのある人のホログラムがいた。


「…マノヤさん。」


「うん?」


と、そのホログラムはこちらを向いて返事をした。


「えっ?」


驚くウシくん。


「君か。ちょっと待っててくれるかな?」


マノヤはそう言うと、シュン‼︎と音を立て、ワープでウシくんの前へと現れた。


「え⁈いまのは⁈」


連続して驚くウシくん。


「ああ、いまのは、ケット・シーが作ったホログラムで…」

「………。」

「『準備室』を作っても、僕はじっとしていないだろうからって事で……聞いてる?」


マノヤは硬直しているウシくんに尋ねる。


「で……なんで……」

「なんで?」

「なんで、ひな祭りみたいなカッコしてるんですか?」

「えっ?」


そう言われて、マノヤは自分の姿を見て驚いた。そこには烏帽子えぼしを被った、まるで陰陽師のような姿の自分がいたのだから。


「ケット・シー…」


マノヤは静かに名前を呼んだ。返事は返ってこない。


「ケット・シー!」


今度は少し強めに名前を呼ぶ。すると……


『はいはい…おいらだって忙しいんだけどにゃあ。』


めんどくさそうに羽根のはえた黒猫ケット・シーが現れた。


「とりあえず戻してくれるかな。」

『えーーなにをーー?』


宙を見るように、とぼけるケット・シー。


「普通の服に。」

『じゃあ、執事服でいいかにゃ?』

「人で遊ぶな。」


わなわなと手を震わせ静かに怒るマノヤ。


『だってーーせっかく講師なんだから、ちょっと生徒とは差別化したいじゃにゃいかーー』


「そんなのは、いいから。」

『えーーーーーー……』


そんなマノヤとケット・シーのやり取りを見て、ウシくんは一歩ひいて。


「仲良いなーー」


とか思っていた。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「それよりさ、パソコンみたいなの置いとく方がいいんじゃない?ホログラムは、はっきり言って驚く。」


人差し指を立て、ウシくんが提案する。


「なるほど…」


マノヤがうなづく。


『それだと、ゲーム感が無くなるにゃ。一応中世ヨーロッパ風なのにゃ。』


ケット・シーの反論。


「じゃあ。何にも無しは?先生が留守にしている事は良くある事だし。」

「なるほど…」

『一応、AIに留守番させる案もあるにはあるにゃ。』

「じゃあ、先生に連絡取りたい時は、机の本を開くとか……」

「お。」

『それ、いいにゃ!』


「留守電機能つけたりして。」

「おおっ。」

『AIが答えられる事ならAIに答えさせるのにゃ!それは、いいにゃ!』


こうして3人の会議は果てしなく続くのだった。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



ーーーーーーその後ーーーーーー


ここは学園休憩室。窓際の席にマノヤとウシくんと原野セツエイ

ティアとソラさんが集まっていた。


「『モニター』って行動スキャンなんですよね?」


原野セツエイが質問する。


「うん。いま、まさにAIに読み込ませているところだよ。」


マノヤが静かに答える。


「それって『モニター』って言うの?」


と、ソラさん。


「うん。たぶん言い方間違っているよね。」


そう言ってマノヤは少し笑う。



「俺たちのデータ取って、どうするんですか?」


ウシくんの素朴な質問。




「うん。行動パターンを読み込ませて、みんなに『学園クエスト』に登場する『ゲームキャラ』として出演してもらうんだ。」



「「「ええっ⁈」」」



「ティアちゃんは一度『モニター』になっているから、わかるよね。」


「うん。夏のイベントのオープニングで見た事あります。」


と、ティア。


「うん。あれから少し改良されてて、今、ティアちゃんの髪はピンク色になっているよ。」


「ええっ⁈」


「名前は『ジョディ』」


「は?」


思わず点目になるティア。


「ソラさんは髪色ブルーで名前は『マリア』になっているよ。」


「えええええーーーーっ⁈」


驚くソラさん。


「そんな事になっているんだ……」


固まって呟くティア。

続いてマノヤは。


「ウシくん達は『大イベント』で観れると思うよ。声も声優さんが担当しているし、演出も凝っているって。」


「「へーーーー…」」


いまいち実感していない2人。




「なんか……イヤだなぁ……」


ソラさんが頭を抱える。


「あ。『8つの扉』ですね。ちゃんとストーリー入ってます。」


人差し指を上げて楽しそうにマノヤが答える。


「キャーーーーッ‼︎やめてーーーーっ‼︎‼︎」


手をバタバタと焦りまくるソラさん。


マノヤはそんなソラさんを背に、ウシくん達に話し掛ける。



「セツエイくんは『クリス』。エッジくんは『セバス』。アイラちゃんは『ソフィア』って名前がほぼ確定しているけど、ウシくんだけが、まだ決まっていないんだよ。」


「え?」


「何か、いい案はあるかい?」


楽しそうにそう聞いてくるマノヤに速攻で。



「俺。炭○郎‼︎」



と、そう叫ぶウシくんがいた。




















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