ハロウィンお城イベント
『おいらは時間の狭間で暮らす妖精猫にゃ。ひとまず18年後の世界を見てほしいにゃ。』
黒猫ケット・シーがそう言うと、先頭に立って空間を進む。ウシくん達4人の周りのオレンジ色の世界が凄いスピードで流れてゆく。時々黒いリボンやキラキラ光る星などが後ろの方へと飛び去ってゆくのが見えた。
「この声。声優誰なんだろうなぁ…」
アニメ好きの原野は小さな声でそう呟いた。
『着いたにゃ。ここが18年後の世界だにゃ。』
前をゆくケット・シーに続いて4人のキャラクターは無造作に宙に浮いている。
そこには先程より少し、蔦が沢山這ったリインブルク城が薄暗い中、凛として建っていた。
『いまお城の中では結婚式が執り行われている最中にゃ。攫われたリー王子は魂を抜かれて、闇の姫フィンと結婚式をあげる事になってるにゃ。』
そう言ってケット・シーはお城の扉を開け、中へと入ってゆく。
「結婚式…」
「なんか結婚式ネタばっかだな」
ウシくんと原野は顔を見合わせる。
城内は静かにひざまづく人々。間隔をとって碁盤の目のように並んでいるが、まるで生気が感じられない。
広間の正面の一際高い場所に3人の人物。真ん中に赤いドレスの女の子が足を組み肘掛けに頬杖をついて、背もたれの高い椅子に座っている。
両側に白のタキシードの男の子が2人。魂を抜かれた状態で立っている。
『左側に立っているのが、光のアーズ王子。闇の姫フィンと双子の姉弟にゃ。そして右側に立っているのが、今回探してもらう、このお城のリー王子にゃ。』
真ん中で座っているのは闇の姫黒髪のフィン。2人の王子はどちらも金髪。アーズは天然パーマ。リー王子はストレートヘア。
ケット・シーが右手の人差し指を立てて口に当てた瞬間。
『出て来なさいケット・シー‼︎そこに居るのは分かっているのよ‼︎』
赤のドレスの、フィン姫が突然、大声を出した。
ビビビビッと体を震わせるケット・シー。
『えっ?えっ?バレてたのかにゃ?フィン。』
誤魔化すように答える。
『当たり前よ‼︎いちいち私のする事に口出しして、ホンット‼︎鬱陶しいんだからっ‼︎』
始めっから戦闘態勢の闇の姫フィン。と、なるべく受け流したい黒猫ケット・シーとの口喧嘩がほどなく始まった。
「なぁ…こういうの見てるとサ…」
戦士の原野が小さく呟く。
「女って、ホンット…面倒くせぇよな…」
「「「同感。」」」
ここは、みんなでうなづいた。
『あ…あ…あ…あーーーーーーーーっ‼︎‼︎』
フィン姫の悲鳴が城中に轟き、闇の力の暴走が始まる。黒の龍が無数に空を駆け回り、漆黒へと世界を埋め尽くしてゆく。
『ここは、おいらが引き受けるにゃ。冒険者のみんなは18年前の世界に戻るのにゃ、フィン姫が赤ちゃんのリー王子を見つけるのを阻止してほしいのにゃ‼︎頼むのにゃ‼︎』
ケット・シーはそう言うと両手を前に押し出し、ウシくん達4人は導かれるように、オレンジの空間。黒いリボンの渦の中へと呑み込まれていった。
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ファン‼︎と空気が鳴り。ポン‼︎と押し出されるように元の世界、元のお城の前へと戻ってきた。
とっとっと…と前につんのめる。かと思ったら…
Vが終わったのか自由に動けるようになっていた。
「うん。少し編集されているね。」
一度クリアしているマノヤが冷静に分析する。
「そうなんですか?」
ぼんやりVを観ていた原野が聞く。
「うん。追加イベントがあるみたいだから、そこは上手くまとめてあるんだろうね。」
「へぇ…」
ウシくんがあくび混じりで答える。
「それから、今から始まるバトルとストーリーについて注意点を少し話そうと思うんだが、いいかな?」
マノヤの言葉に
「「「はいっ!」」」
3人の声がハモった。
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ガサゴソ……後ろの草むらが音を立てて動く。小さな小学生くらいの男の子が、ピョコン‼︎と顔をだす。
その子は光の王子アーズ。フィンと双子の弟だ。
『お兄ちゃん達、ひょっとして、あの赤ちゃんの家族なの?』
「うん。王様に頼まれたから探しているんだ。」
アーズの問い掛けに答えたのはマノヤ。
『そっか、じゃあ仕方ないね。僕、弟がほしかったんだけど……』
ガサゴソと草むらに戻ってゆく、アーズ。と、そこへ…
『あんた達、だれっ⁈』
闇の姫フィンが現れた。
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順調に進むイベントV。画面変わって、カラフルなおもちゃ箱が沢山、宙に浮いた子供部屋のようなバトル場?そこへ……
『良かった!間に合ったみたいだにゃ‼︎』
ケット・シーが現れた。
『とりあえず『スタート』の文字が出る前に何でもいいから着ぐるみを着るにゃ。でないとおもちゃの兵隊から攻撃を受けるにゃ。
赤ちゃん王子を見つけたら、次に双子の姉弟と戦いながら最上階の『東西南北』4つの封印を解くにゃ!
封印を解いたら2人の父親の魔王が現れるから頑張ってクリアするのにゃ!』
4人は「「「「ふんふん。」」」」と、先にマノヤから聞いていた説明を確認するように、うなづいていた。
『では、スタートにゃ‼︎』
黒猫のケット・シーはポコッ‼︎と小さく音を立てて消えてしまった。
4人はそれぞれウィンドウを呼び出し着ぐるみを着る。
マノヤ[天使]
原野[ハート]
野崎[クジラ]
ウシくん[ハリネズミ]
近くをおもちゃの兵隊が列を作って行進してゆく。ちゃんと着ぐるみを着ているけれど、何故か固まって思い思いのポーズをとり、やり過ごす。
「さて、行きますか。」
マノヤが上を見上げる。つられて3人も上を見上げる。
地上から10階以上はありそうな高い場所に四角い赤ちゃんベッドが小さく見える。
足場は空中に点々と浮かぶ色とりどりのおもちゃ箱、リボンのついたプレゼント箱、その間を繋ぐように細い糸が張り巡らされている。
「要はジップライン。両手とも上ボタンと横ボタン同時押し。タイミングがズレると途中で止まってやり直し。登っていって王子を見つけたら、その場に集合。わかったかな?」
「「「はーーい!」」」
先生と生徒のようにマノヤの言葉に返事をして、
いよいよ、ハロウィンイベント攻略始まります。




