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イベント前集合

「あれ?これ何?」


「じいちゃん先生のとこで、おばさんに貰った。」


「えーーすごい、可愛いねーー」


晩ご飯前。こたつに置かれたクッキーを姉のゆいが見つけて、ウシくんに話しかけた。


「え?どれどれ?」

母親もお鍋を持ったまま見に来る。

「そっか、明日。ハロウィンだったね。じゃあ明日の晩ご飯はカボチャのシチューかな?」

そんな事を話して。



そうして次の日ーーーーーーーーーーーーーーーー


ウシくんの長い長いハロウィンイベントが始まるーーーーーー


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ハロウィン当日。お昼までの学校が終わって、ゲームに電源を入れる。


ーーーーーーキュウウゥゥゥーーンーーーーーー


起動音が鳴り、登録しているキャラクターの表示。場所、持ち物、ステータス。

ハロウィンイベントのアイコンに新しいお知らせの表示。

開くと。

『ハロウィン当日のみの追加クエストのお知らせ』と

『ハロウィンイベントの後のメンテナンスのお知らせ』

の2つが表示されている。


先に『追加クエスト』を開くと、最後の『お城クエスト』をクリアしたら、その後に追加クエストがプレイ出来ます。というお知らせ。


次に『メンテナンス』の方を開くと、明日、お昼1時まで、ハロウィンイベントは開催されていて、1時15分から夕方5時頃までメンテナンスを行います。という旨のお知らせ。


「そっかぁ……明日お昼頃までハロウィンやってるんだ……」


ウシくんは、ハーーーッとため息。


「今日、結婚式終わってから『水』クリアして、明日ソフトなかったら、全クリ出来たのに……」


しばし沈黙。


「うん。でもソフト。ズル休みはイヤだし、結婚式イベントはめっちゃレアだし。……うーーーーっ……」


リモコンを持ったまま沈黙。


「うん。やっぱり最初の予定通り『水』をクリアして、スタンプ完成。までかな。『貧乏人は諦めと忘れる事が大事』って母さんも言ってたし。」



「えっ?そんな事、言ったっけ?」



「えっ⁈」


誰もいないと思ってた家に母親の声を聞き、ウシくんは心底びっくりした。


「ど、ど、どこに⁈」

動揺を抑えきれずに目をキョロキョロ。


「ここ。」

するとベランダにチラチラと手が見えた。リモコンを置いてベランダを覗くと、そこで何やら洗い物をしている母親の姿が……


「何してるの?」

「あんたの靴を洗ってんのよ。」

「ええっ⁈」


見ると、ソフトボール用のウシくんの靴。


「なんでっ⁈明日いるのにっ⁈」


驚くウシくん。


「あぁ…だって、監督がギックリ腰で明日の練習。なくなったから。」

「は?」

「ほら。ついでにユニフォームも。」

「え?なんで?」

「連絡が来たのよ。今日、ハロウィンだし、明日お休みにしましょう。って。」

「マジでっ⁈」


「ほら。顔がニヤケてるよ、早く服も持って来なさい。」


「はーーーーいっ‼︎」


そうして、飛び跳ねるように、ウシくんはユニフォームを取りに行ったのだった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「うーーん。一応、キャラクターの姿をつくり直す事の出来るカードは、マノヤさんから貰ってるんだけど…」


青銀髪の魔法使い。ティアが一枚のカードを取り出す。


ここは、レベリングライフ。ゲームの世界。シュガーランド南の町。通称はじまりの町の教会の前。

今回の結婚式ウェディングイベントの待ち合わせ場所である。


「そうよね……問題は、ラトシアさんが、それを使ってくれるか…だよね…」


腕を組み考える、栗色の髪のソラさん。


「…使わないと思いますよ。」


少し苦笑いをして、頬をポリポリかく、黒の長髪。銀のリングで髪を無造作に束ねている賢者。フイトスさん。


「先程から聞いていましたが、どういった方なんですか?その…ラトシアさん。という方は?」


至極真面目に問いかける。フードを被った魔道士マノヤ。


そこへ。


「こんにちはーーーーーー‼︎」


剣士のウシくんが元気良く走って来た。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ウシくん⁈ウシくんって、あの⁈」


驚くティア。


「はい?」

「ガチガチ真面目な剣士のウシくん⁈小学生だったんだーーーー!」

「だから違いますって!俺、中学2年生です!」

「……くっくっくっ…」

「マノヤさん。そこで笑わない!」

憮然とする、ウシくん。


「そっかぁ……そうだったんだーー…一学年上だったんだぁ……」

「え?」

「私、中学1年生。」

「えええええーーーーっ⁈」

「なんで、そこで驚くかな。」

今度は、ティアが憮然とする。

周り3人は何故かニコニコ。お花がとぶ。


「あ!」


突然、ティアが声を上げる。


「こんにちはーー!」

明るく手を振る。その先に見覚えのある、アイラちゃんと、もう1人の姿。


「え?なんで、来た。ってわかったの?」

不思議そうな、ウシくん。

「ログインチャイム。設定してないの?」

「ログインチャイム…」

「うん。友達フレンドがログインしたら、デジタル音と表示で知らせてくれる設定。」

「そっか。そういうのがあるんだ、知らなかった。ティアさん。ありがとうございます。」


と。そこへ。


「お姉ちゃん……と、お兄ちゃん?」


ピンク色の髪の学者さんの、アイラちゃんが到着した。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「では、改めて。私はアイラの父親、ノブナガ。と言います。」

「自分はフイトス。賢者です。よろしく。」

「僕は魔道士マノヤです。」

「俺、いや、僕は剣士でウシくんと言います。」


「「「「よろしくお願いします。」」」」


「「「「……………。」」」」





「…えーーっと…はい、はい、さっき話してた続きの話しをします。」

取り仕切るソラさん。


「本日、サプライズで結婚式ウェディングイベントをしますが、月夜さんはちゃんと女性です。そして相手のラトシアさん。中身は男性ですが、姿がビキニの女の人です。」


「えっ⁈」

びっくりウシくん。


「あーーーー……」

なるほどね。のマノヤさん。


「…………。」

苦虫を噛み潰したように眉間にしわのよる、ノブナガさん。



「あっ♡」


突然、今度はアイラちゃんが声を出す。瞳をキラキラとさせて、てってって……と走りだし、いま現れた、見た目着ぐるみのカワウソさんに、ボフッ‼︎と抱きついた。


「こんにちはーーーー。」


そう言って、カワウソさんはアイラちゃんの頭を両手でワシワシと撫でる。

アイラちゃんは嬉しそうに、そのままワシワシされている。

それを呆気にとられて見ていた、ウシくんの心に小さな何かが、ボッ‼︎と燃えたのだった。
















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