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黒猫の行く末

「君はこの黒猫を飼えるの?


 飼えないなら申し訳ないけど治療は出来ない」


 動物病院に着き、発見した状況を獣医に説明した後


「君のペットじゃないの?」


 そう確認した後に続いた言葉だった。


 受付のお姉さんから差し出されたタオルで頭を拭いながら獣医の説明に耳を傾けた。


「君が飼えるか分からない状態で治療して、もし飼えない時は飼い主が見つかる保証もない」


「最悪保健所行きになる可能性もあるから、治療しても黒猫(このこ)の為にならない」


「君のご両親が黒猫(このこ)を飼う許可を出した時は僕も治療出来るから、電話で確認してくれる」


 獣医は部屋にあった受話器を聖奈に差し出してきた。


「私が飼えます!」


 と言って獣医を説得しても未成年である以上、飼うには親の同意は必要だった。


 部屋の時計を確認すると19時前を指しており、幸いに決定権を持つ父親は今日は既に帰宅している時間だった。


 獣医から受話器を受け取り家に電話をかける。


 呼び鈴の音がいつもより長い気がして聖奈は不安でいっぱいだった。


「はい、狭山です。」


 受話器から聞こえてきた声は母親の声だった。


「もしもしお母さん、お父さんいる?代わって」


「聖奈どうしたの?こんな時間まで…」


 いつも帰宅している時間に娘が帰宅していない為か母親の不安な声が聞こえてきたがー…


 聖奈は黒猫の安否が気にかかり、半ば強引に「お父さんに代わって!」


 と言い、父親に代わって貰った。


 後で


(お母さんに謝ろう)


 そう思いつつ


「どうした?」


 父親の声に状況を説明した。


 最後に


「飼ってもいい?」


 と付け足すと、後は父親からの返事を待つだけだった。


 父親は少しの沈黙の後に


「お前が面倒みるなら、飼ってもいい」


 そう答えてくれた。


「え!いいの?お父さん、ありがとうー」


 聖奈は喜びながら受話器を獣医に渡し、獣医も父親に確認してるようだった。


 黒猫に顔を近づけながら「良かったね」と声をかけた時に、黒猫が薄ら目を開いた。


 右眼が青色と左眼が緑色の綺麗なオッドアイだったー…。


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