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不思議な声と黒猫

 先程まで小降りだった雨が本降りになり始めた頃


 聖奈は自宅の近くにある公園の前を歩いていた。


(まだ17時なのに、真っ暗)


 いつもより早過ぎる日没に違和感を覚えつつ帰路を急いでいた時だった。


 …テ


(えっ! なに?)


 急に幼い男の子の声が聞こえて聖奈は驚いて周りを見渡すが誰もいない。


 気のせいかと思い歩き始めた時に


 ……サマ………ミ……テ


 デスー…………セイ………


 ……………セイジョサマ!


 先程と同じ声が聖奈の頭の中に響いた。


 所々かすれて聞き取れなかったが、唯一『セイジョサマ』だけが聞き取れた…


「な、なん…なの?」


 不安からとてもかすれた声が聖奈からこぼれた。


 雨音しか聞こえなくなった時に公園の滑り台とブランコの真ん中に蒼白い光が現れ


 静かに消えた。


「こん、どは…な、に?」


 恐る恐る蒼白い光が現れた方を見つめる。


 何もないように見えたが、目を凝らして見つめてると周りに赤い何かと黒い物体を見つけた。


 黒い物体が生き物だと気づいた時に聖奈は慌てて傘を放り投げて、駆け寄った。


 黒い物体を持ち上げた時に黒い物体(それ)が黒猫と赤い何(あれ)が血だと気づいた。


 額に横一直線の古傷がある黒猫は右腕に大怪我を負っていた。


(死んで……)


 聖奈は黒猫にまだ息があるのを気づくと動物病院に急いだ。


(生きてる!助かって!)


 放り出されたままの傘と


 真っ暗だった周りがいつも通りの明るさの夕暮れになっていた事に気づかず…。

 

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