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闇色~DARKNESSCOLLAR~  作者: 春樹ン★
第一章 悪魔狩り
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血に染まる月と巫女8

一瞬で目の前に着地する少年。

みつきは後ろに下がり距離をとる。

ニンマリと笑みを浮かべてその場に留まる少年の背後から夜が鎌で攻撃をした。

金属音が鳴り響き、冷気が広がる。

目を見開く夜と楽しそうな表情を見せている少年は片手で鎌を受け止めていた。

凍るような音と共に鎌が氷に包まれる。


「お前っ……」


「ひっどいなー、まだ話の途中なのにぃ……話を聞かない奴は死んじゃえ」


無数の氷の刃が夜の身体を貫く。

血が飛び散り、口から大量の血液が流れ出した。

みつきの悲鳴に少年は嬉しそうに笑っている。


「あはははははっ!よわーい、弱すぎだよぉ」


氷が砕け、地面に夜の身体が倒れ込む。

じわっと広がる血と動かない身体。

月と同じ色の眼がみつきを映す。

一歩ずつ近づいてくる姿に怯えながら後ろに下がる。

不気味な笑みを見せる少年の身体から細身の刃が生えた。


「行かせるかよ」


背後から刀を突き刺した潤が睨みながら言う。

驚いた表情の少年に皹が入ると一気に砕け散る。

氷の欠片が地面に落ちて溶けた。

身代わりだと気付いた潤の背後に少年が無表情で立っているのに気が付いて振り返る。


「あはっ、僕はどこでしょーか?」


全員を囲むかの様に複数の少年が並び、一斉に笑った。

どれが本物かと気配を探ると何処からか刃の付いた紐が伸びてきて一気に砕いて行く。

まるで生きているかのように蠢く紐はみつきの後ろにいた少年に突き刺さり真紅の血を散らせた。


「……見つけた……」


那智の腕から伸びた紐が少年に向かって伸びている。

妖怪と契約している者に与えられる術を使っているのか霊気が淡く光って見えた。

みつきは那智を見つめて呟く。


「これが、那智君の力……」


紐の先についた刃を抜くと傷口を抑えて怒りに震える。

前のめりになり、拳を握りしめて唸るように声を発した。


「生意気な……人間共、殺してやる」


少年の周りに黒いオーラが現れ、真っ赤な眼が金色に輝く。

前のめりになった身体が氷に包まれて黒く染まった。

背中からは骨の様な翼が生え、額には歪な形の角が飛び出す。


「見せてやるよぉ、僕の本気をねぇっ!」


氷の刃が雨のように降り注ぐ。

みつきは防御壁を作り上げ攻撃を防ぐが、刃は止まらない。

壊れるのも時間の問題だと焦っていると那智が両手を広げて炎の球を放つ。

しかし、炎が逃がしてしまった刃はみつきの防壁に皹が入り勢いよく砕け散る。

反動で地面に倒れると少年は笑みを浮かべて近づく。


「巫女はもらうよ」


「逃げろ、原田!」


潤が叫ぶと倒れていた夜の眼が見開かれる。

血の海から立ち上がり、みつきに近づく異形な者を睨んだ。


「みつきに……手を、だすな」


眼帯が外れ、閉ざされたもう一つの眼が開かれる。

日頃見せている青い目とは違う、真っ赤な目。

歯を食いしばると犬歯が伸びて牙となった。

少年が出したのと同じ、黒いオーラが夜を包むと影の様な生き物が少年に飛びかかる。

翼をむしり取り、二本の角をへし折って吠えた。

その姿にみつきは恐怖を覚えて口を抑える。


「離せ……このっ、離れろよ!」


少年がもがくと夜は右足を頭に叩きつけた。

地面に顔がめり込み少年は動かなくなる。

なんども頭を踏みつけて動かない事を確かめるとみつきの方を向く。


「だいじょうぶ、みつき……俺が、おれが……」


震えているみつきに手を差し伸べると強く叩かれた。


「いや、来ないで……いやぁあああああああっ!」


悲鳴を上げたみつき。

影から元の姿に戻った夜は悲しそうな顔をして倒れた。

潤と那智が心配して近づくと同時にみつきも意識を失ってしまう。

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