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闇色~DARKNESSCOLLAR~  作者: 春樹ン★
第一章 悪魔狩り
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血に染まる月と巫女6

みつきは質問の内容に目を閉じた。

一面に広がる花畑の中で両親が迎えに来るのを待ちながら歌を歌う。

蝶や鳥が集まって羽根を休めていた場所にはいい匂いのする花が咲いている。

その匂いが好きで、たまに顔を見せる子供が好きだった。

いつもの様に待っていると、辺りが赤く染まり熱気が襲ってくる。

逃げようにも逃げられない。

両目から溢れる涙と周りを囲う様に立っている黒い影。

遠くで見える人影に手を伸ばした。


「……原田?」


名前を呼ばれてハッとすると潤と那智と目が合う。

ボンヤリとしていた事を謝り、質問内容を聞く。

潤は心配そうにしながらも質問を繰り返す。


「ダークネスがここを襲った時の事、覚えているか?」


みつきは首を横に振る。

覚えていない。

思い出そうとすると阻止するかの様に気分が悪くなってしまう。

船酔いに似た感覚を忘れようと深呼吸をした。


「ごめんなさい、良く思い出せないの」


質問に答えられなかった事を謝る。

無理に思い出さなくていいと言われ、頷く。

だが、思い出さなくてはいけない気がして唇を噛み締めた。

どうして、思い出せないのか。

何を忘れているのか。

眠っている夜の姿を見て目を伏せる。


「……のにな……」


「え?」


小さく呟いた声に那智が聞き返す。

何でもないような顔で話を逸らされ、何かあるとは思ったが深く追及はしない。

他に聞くことはあるのかと潤を見ると同時に音が響いた。

寝ていた夜が勢いよく起きて三人を見る。


「赤い月が出た」


潤と那智はその言葉に目を見開く。

朝になろうとしているのに、何故出現したのか。

一日に何度も出た事の無い月に驚きを隠せない。

そんな中、夜はみつきを見て舌打ちをする。

東の巫女がここへ来たと知られ、向こう側が行動を始めたと考えている様だ。

月が出たとしても、婆達は巫女を出さないはず。

そう考えて待機していると潤のスマートフォンが鳴る。


「分かりました」


予想が外れたらしい。

いきなり戦いに出す決断に頭を抱えて婆達の考えを理解しようとしたが、出来なかった。


「ばばぁ、何を考えてやがる」


夜が怒りに満ちた声で言うも那智に小突かれて黙る。

聞かれたら面倒事が増えると怒られ舌打ちをした。

戸惑うみつきに潤は戦闘着に着替えるよう指示を出すとクローゼットを開けて黒いコートを取り出す。

着替えたら婆の元へ集合する事を伝えられ、みつきは自室へ戻る。

二人が着替えるのを見ていた夜はそっと眼帯に触れて眉間に皺を寄せた。


「二人とも、もしも……」


夜の不安げな言葉を聞いて二人は着替えながら小さく笑う。

心配しなくてもいいと伝え、部屋を後にした。

廊下を走って本邸へ向かうと巫女服を身に纏ったみつきの姿が見える。

声を掛けると三人に気がついて小走りで向かって来た。

レースが縫い込まれた服装に本来なら袴である部分がミニスカートへカスタマイズされ女の子らしさ溢れる巫女服に夜は顔を赤くする。

お世辞を言うつもりはないが、似合っていると心の中で呟く。


「よし、じゃあ入るぞ」


本邸の扉を開いて入ると、既に婆達が集まっていた。

真剣な表情にみつきは緊張する。

凛とした出で立ちの婆は、睨むように四人を見ると他の人間に何かを言う。

一人の青年が立ち上がると指を鳴らす。

光の玉が浮かび、その中に映像が現れた。


「場所は世田谷区、そこにダークネスの反応がある」


青年が言うと他の人間も口を開く。


「確実に殲滅せよ」


「逃がす事は許さぬ」


「親玉を潰すのです」


「巫女の力を」


「見せるのです」


機械のように口々に言うと全員が一斉に鳥居の方へ指を向けた。

夜達は何も言わずに頭を下げると鳥居へと移動する。

鳥居を抜けるとそれぞれの証明書となるバッジが淡く光った。

水中に似た感覚を受けた瞬間、目の前の景色が変わる。

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