復活の時14
「……何度もね、命を与えられてしまうと生きづらいんだ、僕だけこうして何度も生き返ってしまうと申し訳なくて……」
悲しげに洩らす言葉。
答える事が出来ず、俯く。
静まり返った部屋にノック音が響いた。
返事をする前に扉が開き、フィルデスが入って来る。
「起きたか」
「フィルデスくん」
みつきが立ち上がり、椅子を譲った。
ジッと見られ、首を傾げるとフィルデスは言う。
「フィルでいいよ、なげぇし」
椅子に座って疲れたように息を吐く。
「それと、那智お前さ……生きづらいってなんだよ、なんでそんなこと」
「……」
「なんで、黙るんだよ?」
「あの、フィル」
「答えろよ」
肩を掴んで言う姿を止めようとするが、振り払われる。
そこまで本気で怒る理由はなんなのか。
怖がっているのが伝わり、引っ掛かりを感じた。
「……結局、俺は一人になるんだな」
シーツを掴んで掠れた声を出す。
ムッとした那智はフィルの身体を押した。
後ろによろめき、ショックを受ける。
「みつき、ちょっと」
いつの間にか立っていた夜がみつきを呼ぶ。
部屋を出ていく音が聞こえ、フィルは那智を見た。
ボロボロと涙を流す姿にギョッとして近づく。
「な……」
「ごめん、ごめんなさい……怖いんだ、また、死を待つのが怖いんだ……僕だって一人は嫌だ、ジンしかいないんだよ……」
お互いに依存し合う二人。
フィルが白い手に触れた。
その手は冷たく、生きているのかと疑いたくなる。
大き目のYシャツから見える身体が物語る終わりの時間。
それまで。
それまでは……。
「ねぇ、お願いがあるんだ」
那智の真剣な瞳。
フィルは全てを悟り、頷く。
戦いに備えるために必要な事、それは地の巫女の力を完全に手に入れなくてはならない。
その間、満足に戦えなくなるが仕方が無い事だ。
■□■□
「みつき、あのさ」
夜とみつきは建物のバルコニーで休んでいた。
気分を変えようと外の景色を眺めている二人。
キラキラと万華鏡のように光る空間が流れている。
不思議な世界。
「普通の暮らしが出来たら、何をしたい?」
「そうだねぇ、私達が出会った場所でお弁当を食べたいかな」
金木犀の匂いのする場所。
そこでまた二人でのんびりとしたいと言われ、同意した。
そっとみつきの手と自分の手を重ねる。
「これから、戦いが厳しくなると思う……だからこれだけは言っておきたいんだ」
真っ赤な顔。
「俺は、お前が好きだ!だから、何があっても守ってやる」
「うん」
二人は、自然に唇を重ねる。
背伸びをしている夜。
初めてしたキスは、ドキドキと心臓が五月蝿く高鳴っていて恥ずかしさを覚える。
それから半年が経ち、背伸びをしなければみつきに届かなかった夜は身長が伸び、那智をも越すくらいに背が高くなっていた。
これからの事を決めて新たな旅立ちを迎える。
のんびりと暮らす未来の為に。




