復活の時13
みつきは、窓辺の椅子に座っていた。
これからの事を決める話し合いが始まろうとした時、那智が倒れて話し合いは中断となる。
帰る場所を失った夜達を連れて、地上に来た白月は闇の王が暮らしている建物へ案内した。
三人の王としてこれからの事を話すと別室に移動する白月を呼び止めて聞きたいことがあると話しかける。
「それは、本人に聞いてみるといいよ」
そう言われて待っている最中に考えているが、どうしてもある人物しか浮かばなくて困った。
「ねぇ、那智君は……地の巫女なの?」
なんとなく呟いてみる。
答えなんて帰って来ないなんて分かってはいるが、呟かずにはいられない。
力を受け継ぐ儀式の時に観た片割れも口付けで浄化していた。
天の癒しと地の恵みで成り立っていた世界。
だが、両者とも女性だった。
ずっと女性が巫女として受け継がれている。
「……うん、そうだよ僕が地の巫女だよ」
帰って来た答えに考えるのを止めて寝台に視線を移す。
目を覚ました那智は、ぼんやりとしたまま話した。
「みつきさんは、巫女の事をどこまで知っているの?」
「誕生した理由と使命、そして紗那が亡くなる所まで」
紗那とは初代、天の巫女の事。
みつきの答えに頷き、身を起こす。
身体を支えて手伝うと、まだ辛いのか弱々しくお礼を言われる。
「……僕は、もう長くないと思う……その前にどうして僕なのかを教えてあげる」
天の巫女と地の巫女は、それぞれ別の人物に恋をしていた。
だが、悲しい事にお互いの人物は双子で天の巫女を選んだと勘違いした地の巫女は嫉妬から殺めてしまい、真実を知った後に償いを込めて自害をしてしまう。
地の巫女を愛した男は悲しみから悪魔となり、世を恨んだ。
もう一人の男は恨みながらも人間の使命を果たす事を約束した事から半分、悪魔になった所で思い直す。
それが、夜とフィルデスの先祖だ。
「流れに流れ、今の時代に半悪魔と悪魔の双子が生まれた事によって地の巫女に与えられた罰が僕に与えられたんだ、結ばれる事の出来ない呪いが」
男同士となってしまった那智とフィルデス。
想いは結ばれることが無い。
悲しき運命にぶつかってしまった。
「じゃあ、本当に?」
「そう、しかも完全に巫女の姿になる度に身体が耐えきれないんだ」
だから、使わなかったと語る。
隠していた訳では無く、使えなかったのだ。
役目を押し付けてゴメンと謝られ恐縮する。
「私も、力を使わせてごめんなさい」
二人は、黙った。
フィルデスはともかく、白月も知っている。
話し合いに参加した事を考えると、那智の事を話すのだろう。
「これから、那智君はどうするつもりなの?」
「そうだねぇ、これ以上は使いませんは通用しないと思うし……」
着せられている衣服から見える身体。
骨が目立つ肉体に、ドキッとして目を逸らす。
平気な顔をしているが、結構辛いのではないかと心配をする。
年の割にはみつきより背が低く、中性的な顔。
巫女と聞いてから納得していた。
「あの人は知っているの?そんなに……」
言いづらそうにして聞く。
「ジンは、気付いているかもね」
生き返らせたって無駄なのにと呟くと静かに唇を噛みしめて顔を背ける。
なんと言ったらいいのか。
「そう言えば、契約者が力を与える方法が二つあるって知ってる?」
「え?」
いきなりなんだと首を傾げた。
「行為をすれば、あっという間に回復するよ」
行為と聞いて顔を赤くする。
楽しそうに笑う姿に、肩の力を抜いた。
辛気臭い話を変えようとしてくれたのだろう。




