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闇色~DARKNESSCOLLAR~  作者: 春樹ン★
第一章 悪魔狩り
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復活の時4

扉の先には、無数の結晶が生える空間があった。

夜とみつきはその中のどこかにフィルデスがいるのではないかと探す。

しかし、量が多すぎて見つからない。

時間がかかるのを覚悟で歩きまわっているとすすり泣く声が聞こえた。

二人は顔を見合わせて結晶の裏側を覗く。

白い髪の少年が膝を抱えて泣いていた。


「は、くつき?」


「……っ……だれ?」


涙を流しながら顔を上げる白月に似た少年。

不思議と闇の気配は感じず、別の存在に見えた。


「えっと、君は白月君だよね?」


「そうだよ、僕は白月……と言っても、心である存在なんだ」


白月の心と答えた少年は涙をぬぐって立ち上がる。

憶測だが、闇に身を委ねた時に捨ててしまった純粋な心の部分なのではないだろうか。

それが、この部屋にいる。


「俺達は、俺の中にいる兄貴の身体を探してここまで来たんだ」


在処を知らないかと尋ねると白月は頷く。

教える代わりに条件を提案され、二人は了承した。

自分を白月の体に戻してほしいという願い。

それで救えるならと喜んで受けた。

結晶をいくつか通りすぎて一番大きな物の前に立つ。


「闇の主の身体として持ってきたみたいだけど、合わなかったみたいでずっとこのままだったんだ」


目を閉じて眠っているフィルディス。

みつきは天の巫女の姿に変わり結晶の前に立った。


「早くしたほうがいいよ、ここの番人に気づかれる前に」


番人の存在を教えられ、早くしようと夜も準備を始める。

冷たい表面に手を触れて呪文を唱えた。


「The half of the body which dwells in oneself

Go back up to the right body」


滑らかに呟くと二人の力が流れ込む。


「The lost body

I return a lost soul

Wake My older brother "gin"」


フィルデスの肉体に魂が移動する。

体温が戻り血色の良くなる身体。

中でゆっくりと開かれた目に二人は成功したと喜んだ。


―Who is it?


背後から聞こえる声。

白月が青ざめた表情で振り返る。

そこには顔が牛の男が威嚇するように存在していた。

番人だ。


「来ないで、ダメ!」


―小僧、何もしないで存在するのは許したが……これはどういうことだ?


「やめて!お願いだよっ!」


必死に止めようとするも、持っていた木槌で殴られ結晶に身体を打ち付ける。


―I do not permit it

The selfish action deserves the judgment!


悪魔の言葉で裁きを与えることを発言すると近づいてくる。

まだ、完全に復活出来ていない状況に夜は焦った。

頭から血を流して男の前に立ちふさがる白月。


「行かせない、僕はもうここで泣いているだけは嫌なんだ」


―Then die


木槌が再び振り上げられた。

目を閉じて衝撃に備える白月。

二人は叫ぶ。


「逃げろ!」


「もういいよ!逃げて!」


―It is a really stupid child


地面が揺れ、重い音が響いた。

雨が夜の顔を濡らす。

誰かを犠牲にしてしまった。

悔やんでも悔やみきれない。


「ナイト!おかしいよ?」


「え?」


「どうして、室内に雨が降っているの?」


確かに、なぜこの場に雨が降っているのか。

あたりを見渡すと男から離れた場所に二つの影を見つける。

怒りに満ちた表情で男を睨む黒陽にしっかりと摑まっている白月。

無事だったことにホッとするのと殺されたはずの黒陽の姿に驚く。


「やっと見つけた」


嬉しそうに言う黒陽。

唖然としている二人に申し訳なさそうな顔を見せた。


「那智のおかげでな、俺の力で潜り込んだんだ」


身体の一部を透明化させてみせる。

水と光の反射を利用して鏡状態にしているらしい。

この雨も黒陽の力によって振っているようだ。


「お前たちはさっさとやれ、俺は弟を見つけたついでにサポートしてやるよ」


男の周りの雨が停止し、爆発する。

化学反応を利用した攻撃なのだろう。

夜はお礼を言って続ける。

結晶に罅が入ると、フィルデスが手を伸ばして出てこようとしていた。


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