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闇色~DARKNESSCOLLAR~  作者: 春樹ン★
第一章 悪魔狩り
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復活の時2

次の部屋に出た三人は、フィルデスの肉体が無いか探す。

この部屋には無いと分かるなり、敵の出現に備えて構える。

緊張が走る中で部屋の風景が変わった。

ほぼ殺風景だった場所が一気にサーカス会場になる。

ライトが真ん中を照らし、敵が姿を現す。

ピエロのような姿をした男がタップダンスをして三人にお辞儀をした。


「ようこそ、我がサーカス会場へ」


男は両手に三本ずつ剣を握り、にんまりと笑う。

夜が戦闘態勢に入ろうと大鎌を取り出した所で那智に制される。


「兄さん達は先に進んで」


「でも、お前はまだ」


「兄さんとみつきさんしかあいつを復活することが出来ないんだから行って」


フラフラの身体で何を言っているのかと夜は思ったが、確かに自分とみつきでなければ出来ない事だと考え、不安ながらも任せる事に決めた。

何度か心配そうに振り返って新たな扉に向かって歩く。

完全に進んだ事を確認すると、ピエロの方を向いた。


「へぇ、君が私の相手をしてくれるんだ?いくら可愛い顔をしてるからって手加減はしないですよ?」


「いいよ、しなくても」


ピエロは那智の発言に驚いた顔をした後、真剣な表情をするとなんの前触れも無く剣を投げつける。

上半身を後ろに反らせて避けると八咫烏の力を身に纏う。

鉄下駄を鳴らして走りだすのを確認すると同時にカラフルな色のボールを空中に出現させた。

追いかける様に飛ぶボールは次々に爆発する。

爆風を回避しつつ袖から伸ばした紐を操り、ピエロの動きを封じた。

が、空気に溶け込む様に姿を消され那智は目を細めると背後に気配を感じて振り返るも防御が間に合わずまともに蹴りを受けて地面に転がされてしまう。


「……っ……あぁ、そう」


冷たい目でピエロを睨み付け、蹴られた脇腹を抑えて立ち上がる。

身体が力に着いて行かない状況にもどかしさを覚えていた。

やはり先程のダークネス化の影響が残っている、もしくは既に身体の衰弱が進んでいる可能性のどちらかだと理解して早めに終わらせようと覚悟を決めた。


「甕布都神」


背後に現れた巨大な円状の物体からエネルギー波が放たれる。

ピエロは舌打ちをして逃げようとするが、範囲が広がり逃げ道を失う。

間一髪で避けるも背中に受けてしまい、膝から倒れ込む。

肉の焼ける臭いと痛みに苛立ち、歯を軋ませて立ち上がる。


「やりますねぇ、でももう戦う力は残ってないんじゃないんですか?」


汗だくになって膝を折る姿を指摘すると正解だったのか円状の物体が消滅した。

今がチャンスと指を鳴らすピエロ。

部屋中にシャボン玉が現れ、息を切らした那智の周りに集まる。


「はい、ドッカン」


馬鹿にしたような口調と共にシャボン玉が勢いよく弾けた。

見た目にそぐわない威力で爆発したシャボン玉の衝撃に声を上げる事無く倒れる。

全身の痛みに意識が朦朧としていた。

いつもサポートしか出来なかった事が悔しくて、力になりたくて引き受けたはずなのに敵に敵わない程、弱い自分が悔しいと拳を握る。

フィルディスに冷たい態度を取っていた事を思い出し後悔した。

家族という物に依存し、自分を頼ってくれた事が嬉しかったが素直になれずに何もしてあげられなかった。

助けてもらったのに、何も返してない。

身体が辛い事を隠していても気付いてくれていたのに。

だから、早く復活出来る様にと先に行かせたのに何も出来なかった。

悔しい、弱くて無力な自分が悔しい。


「さて、追いかけましょうかね」


扉に向かって歩き出すピエロ。

行かせるもんか。

行かせてたまるか。


「まっ……ち、なよ……」


まだ、終わっていない。

まだ、戦える。


「これ以上、何が出来るって言うんです?」


呆れた表情。

蔑むような眼。

今まで誰にも見せた事のない八咫烏の本当の力を見せようと制御を解く。

溜め込まれた力が一気に流れ出し、肉体が悲鳴を上げる。


「……八咫烏の真の力を与えたまえ!」


空色の髪が伸び、衣服の一部が消滅して露出が多くなった。

背中から生えた羽と額に浮かぶ眼に似た紋章。

八咫烏の力を授かった者にのみ使える第二の姿。

ピエロは楽しそうな顔をすると扉から離れた。

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