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闇色~DARKNESSCOLLAR~  作者: 春樹ン★
第一章 悪魔狩り
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悲しき運命12

「……は?」


潤が意味が分からないと婆様に答えた。


「ちょ、ちょっと待ってくれ」


『なんですか』


「そんな、殺すなんて……」


慌てる潤の姿を見たフィルディス。

通信機を奪い、耳に当てる。


「おい、ババァ……なに勝手に決めてんだよ」


『……悪魔、那智はもう人間として認める訳にはいかない、貴方が責任を取るのです』


苛立った表情で通信機を返す。

そのままラビットダークネスに視線を送り、溜息を吐く。

皆が見守る中、静かに悪魔に変わって歩み寄る。


「那智、俺が絶対にお前を助けてやる」


―兄貴?


夜が声をかけるも、答えることなく走った。

威嚇の体制に入ると高く跳躍し、フィルデスを蹴り飛ばす。

倒れた体の上に乗るも両手をつかまれてラビットダークネスは悔しそうな顔をする。

隙をついて体制を変え、上下が逆になった状態になり逃げようと耳で顔を叩かれた。

ジンジンと痛みが広がる中、眼帯が外れる。

一気に闇の力が高まり姿が変わった。

ウルフダークネスに変身したフィルデスは激しく遠吠えをする。

全員の鼓膜を震わせるほどの大きな声に潤とみつきは耳を塞ぐ。

我を失ったかのようにラビットダークネスの頭を押さえると首筋に噛み付いた。


「おい!やめろ!」


潤が叫ぶも聞こえていないのか肉を噛み千切り、暴れる敵の身体を蹴る。


―兄貴、やめろって!おいっ!


異常な行動にみつきは怯えながらも覚悟を決めて祈るように両手を合わせた。

無我夢中で逃げようと抵抗するラビットダークネスは力を抜いてウルフダークネスを見上げる。


「我が身に宿る天の力よ我が声を聞き、力を与えたまえ……我は天の巫女なり!」


純白の巫女服に身を包んだみつきは、腕輪を交差させて空気中に波紋を生む。

緩和していく闇の力の中に見える記憶を見る夜と潤は、驚愕していた。

無数のダークネスの前に立たされた泣きじゃくる幼い那智。

婆達が深々と頭を下げて差し出そうとしている。


『いやだ、やめて……やめてっ!』


『この子供は、もはや死に近い存在……母は闇に落ちた愚かな者、どうか子供と引き換えにおかえりください』


『助けて、いやだっ!いやだぁぁぁぁぁぁっ!』


悲痛の声にダークネスが集まってきた。

逃げようとするが、従者に抑え込まれて逃げられない。

恨みのこもった目で婆達を睨むと同時に群れの中へ落とされた。

が、誰かに助けられ餌になるのを免れる。

助けたのはフィルディスだ。


『おい、ババァ!勝手に俺の契約者を渡してんじゃねーよ!』


ダークネスが一瞬で消える。

怒りに満ちた表情で睨むと婆達は怯む。

那智の言っていた言葉を理解すると同時に忠誠を誓うべき人間ではないのではないかと婆達に対しての思いが大きくなる。

波紋を受けた二人の動きが止まっていた。


「じ……ん、痛い、よ馬鹿」


闇が溶けて首筋から血を流した那智が言う。

フィルディスもハッとして謝ると悪魔から元の姿へ戻った。

首筋に手を当てて傷を塞ぎ、抱き起す。


「……那智、助けるつもりが傷つけてごめんな」


「いいよ、僕がいけないんだし……」


みつきの力のおかげか、もう闇を感じない。

潤が安心したように近づくとフィルディスが夜に戻る。

先ほど見た記憶。

二人は気まずい表情で俯く。


『潤、今のうちに殺しなさい』


通信機から聞こえる声。

唇を噛みしめ、耳から外す。

手の中にある小さな機械を見つめると、地面に落として踏みつける。

驚く三人に小さく笑みを見せ、言う。


「すまない、俺はもう婆様を信用出来ないんだ」


その言葉に夜が頷くと、次へ進むことを提案した。

目の前に現れる扉。

四人は次なる場所へ向かおうと歩き出した。

通信が切れたのを確認した婆は、静かに目を伏せると従者に伝える。


「あの者達を、命令違反者として追放します」



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