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闇色~DARKNESSCOLLAR~  作者: 春樹ン★
第一章 悪魔狩り
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悲しき運命10

潤は、紫苑と戦い続けていた。

人形は崩壊寸前で、お互いに体力の限界だ。

夜の姿を横目に刃を下に降ろす。


「悪い、紫苑……お前とこれ以上戦いたくはないんだ」


刀が淡く光り、思いきり横に薙いだ。

衝撃波が人形を襲い、破壊する。

可憐に着地した紫苑は息を切らせながら壊れた人形を睨む。

操る物を失った糸が潤に向かって伸びると刀を封じた。


「私の元々の力は人形を操る事、悪魔としての力は……対象物を塵にする」


本気で消そうとしているのか、ゆっくりと近づいて来た。

糸を通じて刀が塵になりかかっている。

このままでは危険だと判断した夜が二人の間に立つ。

正々堂々とした戦いをさせるつもりだったが、これだけは見過ごせないと眼帯に手を伸ばす。


「はーい、ストップストップ」


白月の声に全員が動きを止めた。

黒陽はどうしたのかと聞こうとすると八咫烏が現れて先程の状況を伝える。

返り血で汚れた姿に全てを理解し、奥歯を噛みしめた。


「お前、なんで……」


「君達のせいじゃない、兄ちゃんと僕を合わせたらどうなるかはハイブリッドが良く知ってるんじゃない?」


闇の力は消えてなかったのかと思っていると潤がどういうことなのかを聞いて来るが、答える事は出来ない。

紫苑が跪き頭を垂れる。


「王よ、申し訳ございません」


「いいよぉ、本気を出そうとしたんだから許してあげる」


王という言葉に三人は言葉を失った。


「僕を傷つけた罰は重いよ?」


「白月、おまえっ!」


夜が飛びかかると片手の上に浮かぶ映像。

結晶の中に封じられている金色の長い髪を持つ少年。

誰の身体なのか、三人は同時に気付く。

フィルディスの物だ。


「俺の身体を返せ!」


いつの間に交代したのか、フィルディスが悪魔化して飛びかかる。

白月も悪魔化すると襲い掛かる身体を蹴って笑う。


「これは、僕からの挑戦状だよ?大切な物を失った僕から」


同じ気持ちになれと言っているのか、残酷な顔で三人に伝える。

悔しがるフィルディスは夜に身体を返す。

指を鳴らす音が聞こえると三人は足元を黒い手に掴まれて引きずり込まれた。


「三名様、入りまーす……最初のステージは君達にクリアできるかなぁ?」


引き摺りこまれながら潤は紫苑を見る。

目を逸らされ、胸が痛んだ。

この先も戦うとなると嫌悪感が大きくなる。

三人が消えたのを確認すると白月は紫苑に近づく。


「君は、闇の姫なんだ……ちゃんと殺りなよ?」


紫苑は悲しそうに目を伏せた後、静かに頷いた。

好きだった気持ちを忘れようと首を振って白月の後を追う。

一方で、引き摺りこまれた三人は暗い空間に落ちる。

辺りを見渡すと急に明るくなり全体が見えた。


「ここは、裏世界か?」


「恐らくな」


夜と潤は警戒して武器を出す。

みつきも腕輪に触れて敵が何処から来るのかと集中する。

聞こえて来る足音に振り返り、力を抜く。


「那智、お前もいたのか」


そう近づくと那智は、光の無い目で三人を見た。


「八咫、妖魔武装」


八咫烏が那智の身体を大きな羽で包む。

黒い光が広がり、天狗の衣装に変わると鉄下駄を鳴らして走り出した。

素早い蹴りを夜が鎌で防ぐ。


「なんのつもりだ!」


怒鳴るように言うと那智は反対の足で夜の顔を蹴る。

後ろによろめき、何かがおかしい事に気付く。

微かに感じる白月の気配。

もしかしなくとも、那智は白月によって操られていた。


「……僕は餌なんかにならない」


そう呟いた那智。

動揺を隠せない夜達。

この状況を回避するにはどうしたらいいのか。

夜の中に眠るフィルディスは静かに目を開いた。


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