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闇色~DARKNESSCOLLAR~  作者: 春樹ン★
第一章 悪魔狩り
30/50

悲しき運命8

次の日。

潤は映画館の前で紫苑を待っていた。

都合が悪くなり、出来れば今日にしてほしいと言われ了承したが少しだけ胸騒ぎを覚える。

向こうから誘われる事が無かったからか、少し心配をしてしまう。


「ごめんなさい、急に」


「いや、構わないさ」


紫のレースが付いたワンピースを揺らして現れた紫苑は、申し訳なさそうに笑った。

早速、映画館に入りチケットを購入してホールに向かう。

まばらな客を横目に一番観やすい席に座った。

パンフレットを読んでいる紫苑は、小さく声を上げて閉じる。


「どうした?」


「ネタバレページがあったんで閉じちゃいました」


「そんなの原作読んでるんだ、関係ないだろ?」


「ありますよー、映画ならではのシーンがあるんですから」


頬を膨らまして言う姿に苦笑すると明かりが消えてスクリーンに映像が現れた。

真剣に観る二人は話が進むごとに表情をコロコロと変える。

こんなに楽しい時間が終わりを迎え、少し物足りなさを覚えつつホールを後にした。

近くの喫茶店で映画の感想を言い合う二人。


「ヒロインを助けに来た時の台詞が本当に原作通りで嬉しかったです」


「それもだが、原作には無かった犯人の過去も良かったよ」


お互いに作品を好きだから出来る会話が嬉しくて堪らない。

本当に守りたいと思える相手なんだと実感した。

帰るころには既に日が落ちて暗くなって来ている。

早めに戻らないとと思う潤を紫苑が呼び止めた。


「……私、本当に潤さんが好きでした……」


「紫音?」


悲しそうに言う紫苑に戸惑う。


「潤さんって、悪魔狩り……ですよね」


「え……」


「私、吃驚して悲しくなりました……元々、私達はこういう関係になるべきじゃなかったんです」


「急に何を?」


紫苑はにっこりと笑っていた。

どうしたのかと困惑していると、人々の動きが止まる。

一斉に白くなり、塵になる人々。


「知ってます?悪魔って人間に恋しちゃいけないんですよ」


バッグから人形を取り出すと今にも泣きそうな顔で、俯く。

両手、全ての指先から伸びる赤い糸を引っ張る。

人形は生きているように動いてお辞儀をした。


「これ以上、潤さんといたら私は罰を受ける事になる……ごめんなさい、好きになってしまわなければよかった」


赤い月が潤を嘲笑うかの様に出現する。


「し、お……」


「私、『princess of the darkness』の名において……貴方を殺します」


人形が大きくなり、気付く。

白月を回収した人形であると。

ショックと急激に冷える身体に潤は、言葉を失う。


「王には背けない、こんな私を愛してくれてありがとう」


さようなら。

紫苑はそう言って人形を操った。

振り下ろされる巨大な拳。


「潤!」


夜の声にハッとして刀を取り出して防いだ。

驚く紫苑は、目に涙を溜めて再び人形を動かす。


「悪い、お前達で作戦を開始してくれ!」


そう叫ぶと人形と距離を取って刀を構えた。

夜は頷くと集まって来たダークネスを引き付ける様に移動する。

建物の上に座って見ていた白月は悲しき恋の行方を観察していた。


「そうだよ、しーちゃん……君が生きたいと願うなら恋人を殺さなきゃねぇ」


不気味な笑みを浮かべて呟くと背後に誰かが立つ気配を感じる。

振り返るそこには、黒陽がいた。


「白月、探したぞ」


「……お兄ちゃん」


立ち上がって近くに行こうとした瞬間。

足元から伸びた鎖が白月を捕える。

思わず破壊しようとしたが、力が抜けて上手く壊せない。


「今晩は、ちょっと話がしたいんだけど」


上空に黒い羽を生やした少年が冷たい目をして見下ろしていた。

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