表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
闇色~DARKNESSCOLLAR~  作者: 春樹ン★
第一章 悪魔狩り
26/50

悲しき運命4

「うーん、今日の戦闘は止めた方が良いかも知れないね」


黒髪に白衣を着た青年がカーテンに向かって言う。

ごそっと音が聞こえたと同時に返事が返って来た。


「……僕が抜けたら兄さん達が大変になる」


「そうだけどね、でも今回は許可は出来ないな」


困った顔でカーテンを開ける青年。

白いベッドの中で不満そうな顔をしている那智を見て腕を組む。

上半身だけを起こしてスケッチブックに何かを描いていたが、手を止めて悔しそうな顔をする。


「黒陽先生、なんとかならない?」


「ならない」


深い溜息を吐きながらスケッチブックを棚の上に置くと横になる。

黒陽は、椅子を近くに置いて座った。

電子音が鳴り、体温計を受け取る。

若干、熱もある事を告げ許可は出せないと再度言う。


「今日は、ここで絵を描いて待つんだね」


「報告書と一緒に出す物だから、暇潰しになんてならない」


「はは、ちょっと見てもいいかな?」


「いいけど、高いよ?」


冗談を言われ、苦笑いで返すと棚に置かれたスケッチブックを開いた。

一枚一枚見ていた黒陽は、とあるページで手を止める。

さっきまで描いていたページには少年の絵が描いてあった。

絵の下に書いてある文字を見て目を見開く。


「……アルビノ?」


「あ、それは昨日会った悪魔の子」


「名前は?」


いやに食いついて来るなと不審さを覚えつつ、名前は覚えていないと答えた。

そこで話は終わるかと思ったが黒陽は更に質問を続ける。


「この結晶って?」


「……氷だけど?なに、どうしたの?」


青褪めながらスケッチブックを持つ姿に、首を傾げた。

もしかして知り合いなのかと聞くと曖昧な返事しか返って来ない。


「潤は、報告書にこの子の事を書くって言ってた?」


だからどうしたと言うのだと聞きたかった那智は、黒陽が問いに対しての答えしか望んでいない事に気付き頷く。


「ちょっと、ごめん」


「あっ!先生!」


走って出て言ってしまった黒陽を追いかけようとベッドから降りて医務室を出る。

足が速くて見失った那智は、宿舎を目指して歩いた。

急に態度が変わった理由がなんなのか。

あの少年と何の関わりがあるのか。

悪魔である少年の仲間なのか。

いろんな疑問が頭の中で飛び交う。

首から下げていた携帯が鳴り、取り出して耳に当てた。


「那智?今日は休めよ」


夜からだ。


「兄さん、黒陽先生がアルビノの子の情報を潤さんに聞きたいのか走って行っちゃったんだ……もしもそっちに行ったら捕まえて」


意味が分からないという反応をされたが、いいから捕まえる様に言って電話を切る。

宿舎に入った所で眩暈に襲われて、膝から座り込む。

ふと、前に黒陽が話していた言葉を思い出した。


『俺にも兄弟がいたんだよね』


まさか。

まさか、アルビノの子は黒陽の兄弟なのではないかという可能性に困惑する。

それが正解だったら?

一緒に来てほしいと言われたら黒陽はどうするのか。

様々な憶測がグルグルと回って気持ちが悪くなる。

医務室に戻ろうにも妖力が上手く使えず、戻れない。

後は、夜達に託そうと決めて力を抜く。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ