悲しき運命2
「……からかわないのか?」
服屋の前のベンチに座る潤と夜。
無言でいるのに耐えきれなくなり問う。
「ジュンガデートシテルー、ヒューヒュー……満足か?」
「えっ?あ、うん」
予想外の言葉に思わず頷いてしまう。
棒読みの反応からすると興味は無いらしい。
しつこく絡まれるのも嫌だと思っていたから、それでいいのだが……。
適当にあしらわれた気がしてならない。
「そういえば、さっき画材屋で那智を見かけた」
「体調悪いのに来てるから送ろうとしたけど飛んで帰るってさ」
「ちゃんと見えない様にして帰ったんだろうな?」
「そこはちゃんとやるだろ」
クレープの包みを丸めるとゴミ箱に投げ入れる。
綺麗に中へ入るのを確認し、二人は服屋の方を見た。
「長いな」
「あぁ、長いな」
何をしているのか、服屋から出て来る気配の無いみつきと紫苑。
女性同士の買い物は長いのだと初めて知り、顔を見合わせる。
服選びをするなら女子同士がいいのではないかと進めたのは二人だが、そろそろ戻って来てもいいんじゃないかと思った。
「あ、そうだ」
夜は欲しいCDがあると立ち上がる。
待っていても退屈だからと潤も一緒に移動した。
CDコーナーで二人はダークネスについて話す。
「基本的に人が持つ闇によって作り出されるじゃん?あれってさ、闇を光に変えたら戻んのかね」
「人間にって事か」
「そ、みつきに巫女として持ってる力を聞いたらさ回復とか治癒系なんだよ、それをどうにか上手く使ったら殺さずに済むんじゃないかって」
「しかし、婆達がなんて言うかが問題だ」
婆達かと夜は一枚のCDを片手に険しい顔をする。
ダークネスを人間と思っていない側からしたら浄化という手のかかる事をせずに倒せと言うだろう。
いくら救済する為と言っても一度ダークネスになった以上、汚らわしい存在と思うのだろうか。
「それと、あの餓鬼だよな」
アルビノの少年を思い出し、夜は舌打ちをする。
悪魔と認識していいのだろうが、みつきを狙ってくる厄介な存在を手早く倒さねばならない。
ダークネス以外に現れた敵に潤も対策を考えた。
「あいつだけって訳でもなさそうだな」
他に仲間がいる可能性を考えて報告書に対策案を書かなくてはならないが、対処法が思いつかない。
あと何人いるのか、目的は巫女だけか。
調べなくてはならない事が多すぎる。
「他の部隊もいっぱいいっぱいみたいだしな」
ここ最近、急激に増えて来たダークネス。
巫女の登場もあるが、他の部隊にも攻撃を仕掛けて来るとしたら殲滅も含まれているだろう。
「俺達の部隊も正直なぁ、那智が何処まで戦いに出れるのかも重要だし」
「ドクターはまだ、大丈夫って言ってるけど食うもん食ってる所を見るの少なくなってんだよな」
一人でも欠けたら問題だが、無理に戦闘に出させるつもりもない。
せめて一人くらいは助っ人が欲しい所だ。
あの様子では、今日は戦闘に出れそうにもないだろう。
「ま、いつもみたく俺達が倍働けばいいんだし」
夜がそう言って笑う。
「はぁ、俺達も人間だから限度があんだろうが」
潤は溜め息交じりに言った。




