男女逆転浦島太郎
娘=主人公(女です)
一人の娘が気晴らしに海に行くと、陸にあがった亀が子供たちに虐められていました。
生き物に乱暴なんて許せない。
「こらあああ!!」
娘は鬼のような形相で一目散に突進します。
「うわあああ鬼ババだあ!!にげろー!!」
子供たちはそんな娘を怖がり、三手に別れて逃げ出しました。
「亀さん大丈夫?」
娘は亀を助け起こします。
「ありがとう」
亀はお礼を言いました。
その亀はよく見ると美少年が甲羅を背負っただけような気もしますが娘は指摘しません。
「お礼に竜宮城へご案内させてくれませんか?」
亀は背中に乗ってくれとうつ伏せになります。
「海の中で息出来るの?」
「取り合えず乗ってください」
――――
竜宮城へ着くとそこには絢爛豪華に着飾った美男がいました。
「愛らしい娘よ、そなたが亀を助けたと聞く」
亀から説明を受けた男は機嫌を良くして言いました。
「彼はこの竜宮城の主です」
城主は娘を大層気に入ったようです。
それから娘は丁重に持てなされました。
「私はそなたが気に入った…これから一緒に竜宮城で暮らさないか」
城主が娘に求婚します。
娘が返事をしようとしたその時――――
「ちょっと待ったああ!」
亀が扉を勢いよく開く。
「今いいところなのだ邪魔をするな」
「優しいお方僕のお嫁さんになってください」
なんと亀も娘に求婚したのです。
「どっちも選べない!!」
娘は美形二人に選択を迫られて困り果てています。
この数年後に語り継がれる伝説では娘は今も竜宮城で幸せに暮らしています。
娘どちらを選んだのか――――それはまた別のお話