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第8話 Aパート

【前書き】


楽譜の読み方を、アニメ脚本っぽい形で説明します。


当作品は、オリジナル『ガクテン』からR15を削除したものです。R15以外は、そのままですので、二重投稿に近いものです。


人間ドラマなどを削除した楽典のみのものは『ガクテン♪要するに版』をご覧ください。


◆ ご感想を頂けると嬉しく思います。ログイン不要ですので、お気楽に一言をお願いします。


◆ 「評価」はログイン必要ですが、「感想」はログインせずに、どなたでも書けます。



■■■■ 第8話。


▼ サブタイトル。   ▼──   ──▼


どっちがどっちだ?


▼ OP曲前。   ▼──   ──▼


OP曲前の定型。他の登場人物は知らない、過去の出来事。


ハル、小学3年生。ショージ、小学4年生。


ハルは家族旅行。列車の中で、ハルはトランプ手品の本を読み漁る。


鞄には、数冊のトランプ手品の本。


ハルの父親「少しは、外の景色を楽しまないか」


ハル「うん……」


ハルの父親と母親が、目を合わせる。


ハルの父親。ハルを見て。心の声。「( )打ち込めるものがあるのは、いいことだな)」


ハルの父親。外の景色を見て。心の声。「( )せっかくの家族旅行が、少し勿体無いが)」


旅館に着くと、偶然にショージ家族がいた。


偶然というのは、現実的でないので、現地集合の一緒に旅行でも良い。


両家族で、地元の風景を見たり、食事をしたり。


夜になり、父親同士は酒を飲み、母親同士は歓談。


ハルとショージは子供なので、夜9時になると、もう眠る頃。


ショージ「俺は、もう寝るぞ」ここでは「眠る」ではなく「寝る」とする。


ハル。手品の披露をしたいので。「もっともっと。次の手品は」


ショージ「いいかげんにしてくれ。あとひとつだぞ」


ハル「今度は……」手品の本から探す。


父親同士は、そろそろ部屋に戻ろうと、席を立つ。


ショージ。布団に入る。ハルが、まだ手品を見せようとする。


ショージの両親が部屋に入って来て、「いい加減に、眠りなさい。君も、お父さん、お母さんが待っているよ」


ハル「はーい」


▼ Aパート。   ▼──   ──▼


放課後の音楽室。


ハル、ミッツ、ショージ。


ショージ「ハルの家族との旅行で……」


ミッツ「そんなことがあったんだ」


ショージ「いつまでも続く、終わらない、夏の夜の思い出」


ハル「隠微な言い方をしないで」


ミッツ「隠微な、夏の夜かあ」


ミッツ。『月光( )ピアノソナタ)』の第1楽章( )ベートーベン)を弾き始める。


ハル「『月の光』!」


ミッツ「残念でした」


ハル「ベートーベンだろ?」


ショージ「ベートーベンの『月光』だろ。『月の光』は、誰だっけ?」


ミッツ「ドビュッシーだよ」


ミッツ。『月の光』( )ドビュッシー)を弾く。


ショージ「これが『月の光』。さっきの『月光』とは違う曲だ」


ハル「似たような曲名だから、どっちがどっちだか」


ショージ「それでも、クラシック畑でもないのに、すぐに曲名が言えるのは、大したもんだ」


ハル「昔から、ずーっと聞かされてきたし」


ショージ「昔から、ずーっと終わらない、夏の夜の思い出」


ミッツ。演奏を止める。「もう、うるさいなあ。ちゃんと聞きなさいよ」


ハル「そういえば、ずっと長く鳴らす音もあるな」


ミッツ「ペダルを踏んだら、ずっと音が鳴るけど。ピアノのカラクリのひとつで、鍵盤から指を離しても、音が止まらない」


画面上段の、左側に鍵盤と指、右側にペダルと足。画面下段には、ピアノが鳴っている音量をグラフ上に表示し、左側に流れ去る。


ペダルと足の部分には、文字を囲んだ「ペダルを離す」と「ペダルを踏む」が上下に並んでいる。足の状態に合わせ、該当する文字は少し大きく赤色、該当しない文字は少し小さく灰色にする。


ミッツ「鍵盤を、押して、離してを繰り返すから、ペダルを踏んでいるかを見てなさい」


ミッツ。時間の等間隔で、鍵盤を押して離してを繰り返す。鍵盤から手を離す時は、「ビクン」と驚くように、急激に離す。鍵盤を4回押して、ペダルを踏んで、鍵盤を4回押して、ペダルを離してを繰り返す。


ここで、ショージが「ペダルを踏むのを見る」と言い、ピアノの下に入り、ミッツのスカートの中を見ようとするのは、ショージが「ただの、下品な馬鹿」になるので、用いない。


ミッツ「わかった?」


ハル「うん、ペダルの用途はわかった。でも、俺が知りたいのは、こういうもの」


ハル。左手で、1つの鍵盤を押したまま、右手でメロディっぽくいくつかの鍵盤を鳴らす。


ミッツ「ああ、タイのことね。タイで繋がっていたら、いくらでも鳴らし続けるの」


ハル「タイ?」背景に、漢字の「帯」に、フリガナで「たい」と添える。和服姿の帯に、目立つように矢印。


ミッツ。ハルの背景にある想像を見て。「それは、「タイ」じゃなく、「おび」でしょ」ハルの背景の「帯」のフリガナの「たい」に、更に「おび」を加える。


ミッツ「音楽のタイは、「ネクタイ」のタイ」


ハル「ネクタイ?」さっきの想像の絵の、和服の帯がほどけて、首に巻き付く。


ミッツ「だから、帯( )おび)じゃないって言ったでしょ」


妖精ちゃんが、ハルに耳打ちする。何かを教える。


ハル「ああ、そうか。「おび」は「帯びる」という使い方もあるから、こうなんだよね」背景に、「電気を帯びる」と「帯電」、「刀を身に付ける」と「帯刀」、「持ち歩く」と「携帯」、「このあたりの時間」と「時間帯」などを表示する。


ハル「あれ? 楽譜の「タイ」と同じだな」


ミッツ「違うって。楽譜の「タイ」は、英語で、「繋がり」「結ぶ」の意味なの」ハルの背景の「帯」を蹴散らすように、「necktie」の文字が出現。「neck」の下に「ネック」と「首」、「tie」の下に「タイ」と「繋がり」を表示。


ショージ。書棚をあれこれ探していたが、1冊の楽譜集を持ち、二人に近付く。


ショージ「つまり、ハルの言いたいことは、こうじゃないか? ネクタイは、人と人の繋がりだって」背景に想像図。ショージとステラの首が、ロープで繋がっている。


ミッツ。ショージの想像図を見て。「ショージの空想は、洒落にならないね」


ショージ。『月の光』の楽譜を探し出す。「ほれ、『月の光』。ハルが間違えたタイトルの曲」


ミッツ「あ、ありがとう。ああ、結構、書き込みされてるね。先輩達かな」楽譜には、曲想、ト音記号の高い加線の多い音に音名( )イタリア語をカタカナで)、「いそがない」などが、手書きされている。


ミッツ「ここ、これがタイ。タイがあれば、鍵盤を改めて弾くことはなく、押さえたまま」


ハル「その前に、何だ? この、髪の毛だらけの楽譜」


ショージ「まあ、髪の毛を掻きむしりながら、演奏するってことだな」


ミッツ。ショージを無視して「それじゃあ、順番に、音価の話から」黒板に、第2話と同じ、音符の音価の長方形の図。上から下に向かって、全音符から8分音符まで。


後で、付点の音符を書き込むために、全音符と2分音符の間など、それぞれの間に、隙間を用意しておく。


書いている途中に、背景に「音価」の文字と、そのフリガナと、指し棒で「音を鳴らし続ける時間」を添える。


ミッツ「この、音符の種類によって、音を出し続ける時間が決まっているのは、わかるでしょ」


ハル「ああ、覚えている」


ミッツ「そこで、付点。玉の右側に、点が付いていたら、音価が長くなる」背景に「付点」と、そのフリガナ。


ショージ「ちょっとお得な、1.5倍。増量50%」


ミッツ「「1.5倍」というより、「プラス半分」の方が良さそう。なぜなら、音符そのものが、半分の半分のだから」黒板の2分音符の長方形を延ばす。


ミッツ「このように、2分音符に付点が1つなら、2分音符の半分が延びる」


ミッツ。2分音符の上に、付点が1つの2分音符を、更にその上に、付点が2つの2分音符を書き加える。音価の長方形も書く。


ミッツ。4分音符の上に、付点が1つの4分音符を、更にその上に、付点が2つの4分音符を書き加える。音価の長方形も書く。


ミッツ。8分音符の上に、付点が1つの8分音符を、更にその上に、付点が2つの8分音符を書き加える。音価の長方形も書く。


ミッツ「どの音符でも、付点が1つなら、半分長くなる。付点が2つなら、更に、半分の半分長くなる。付点が3つなら、更に、半分の半分の半分長くなる」黒板の長方形を延ばす。


ミッツ「付点があれば、音符が1つだけでも、音価が延びるので、その分は、他の音符の音価を短くする」


黒板に「4/4拍子」の簡単な楽譜。「2分音符が2つ」「付点2分音符と、4分音符」「付点2つの2分音符と、8分音符」「付点3つの2分音符と、16分音符」


ミッツ「どれも、音価を足すと、1小節の時間である、4分の4になる」


ミッツ「付点はもちろん、休符に付けることもできる。音符だろうが、休符だろうが、時間は平等に流れる」


ハル「ツェノンの逆説( )ゼノンのパラドックス)みたいだな」


ミッツ「ツェノン? ツェルニーじゃなくて?」背景に注意書き「ツェノンとツェルニーは、どちらも人名で、別人です」を表示する。


ハル「いや、ツェノンだ。それはいいとして、理屈はわかったけど、それって、何の役に立つんだ?」


ミッツ「音符を書く手間が減る。ということは、ごちゃごちゃしてないから、楽譜が読みやすい。これと同じ意味を、タイを使って書くと、こうなる」


ミッツ。さっきの「4/4拍子」の簡単な楽譜に並べて、付点の代わりにタイを使った書き方を加える。


ミッツ「タイの意味が、わかった?」


ハル「要するに、繋げるってことだろ」


ミッツ「エグザクトリィ( )その通り)。しかし、演奏する側から言うと、鍵盤を弾き直さないってこと」


ミッツ。付点の代わりにタイを使った楽譜に並べて、タイを消した楽譜を書き加える。タイのある楽譜と、タイを消した楽譜の下には、それぞれに、音価を表す長方形。


ミッツ「これを見て。タイが無ければ、音価の長方形の区切りで、鍵盤を弾き直すよ」


ミッツ。長方形の左端から、拍に従って黒板をコツンと叩き、右に進む。同時に、演奏を表すために「ポーン」と歌う。手が右に移動すると共に長方形の色が変わる。


ミッツ。拍に従って、黒板をコツンと叩くが、長方形との区切りでなければ「ポーン」を言い直さない。長方形の区切りだけ「ポーン」を言い直す。


ミッツ「このように、タイが無ければ、鍵盤を弾き直す」


ミッツ「これに対し、タイがあれば、長方形の区切りは、こうなる」タイのある楽譜に添えてある長方形は、長方形の区切りが点線になっている。


ミッツ「それぞれの音符の音価は、長方形で表すけど、タイで繋がっているから、点線で表現したよ。これを演奏すると、こうなる」


ミッツ。同様に、黒板を叩くのと、「ポーン」で表現する。手の移動に合わせて、長方形の色が変わるのも、さっきと同様。


ミッツ「タイは、こうして、鍵盤を弾き直さないっていう記号。タイを使わず、付点を使う曲も多いから、楽譜の見た感じで過去の経験を思い出して、曲調がわかりやすい」


ミッツ。ショージに向かって。「ショージ、頼んだよ」指をパチンと鳴らす。


ショージ「俺は妖精ちゃんか」


ショージ。ピアノで、両手で簡単な演奏。『ハンガリア舞曲第5番』( )ブラームス)、『ユーモレスク』( )ドボルザーク)。どちらもサンプルで2小節程度。『ユーモレスク』は、だらしない3連符の「ドーレドーレミーソラーソ」の演奏。


この、ショージの「だらしない3連符」は、「付点と3連符の、僅かな違い」の伏線。


ミッツ「そう、そんな感じ」黒板に「4/4拍子」の簡単な楽譜。


ミッツ「この楽譜を見ただけで、「あ、あの曲に似ているのかな」と思い出して参考になる。よくよく楽譜を読んだり、実際に演奏して、どう似ているのか、どう違うのか、確認できる」


ショージ「楽譜を、ぱっと眺めた時、曲調の推測をすることは、よくあるんだ」


ヤッ子。先刻から、廊下で話を聞いていた。ドアを開けて、話に合流する。「そう、実際に演奏して、その「人となり」のような言い方をすれば「曲となり」を知るんだ」


ヤッ子に続いて、ステラも入室。


ヤッ子「蜜霧君が言ったように、過去の経験は参考になり、実際に演奏して、どう似ているのか、どう違うのか、確認できる」


ショージはステラに、今は何の話をしていたのか、丁寧に教えている。肩を寄せての説明、立ってステラと一緒に黒板の近くに行き説明。ステラは喜んで、後ろ姿の頭部の周囲に、たくさんの花や、不気味なメルヘンのキャラクターがキラキラ。


ショージとステラの声は聞こえないが、話していることを表現するために、吹き出しで音符や何かの絵を表示したり、ショージが花を咲かせたりする。


ヤッ子「これは、人との出会いと似ている。第一印象は大切だが、それに固執していると、その後の付き合いで、勿体無いことになる懸念がある」


ヤッ子「曲だったら何度も演奏し、人だったら何度もその人と会い、少しずつ理解を深める……なんてことは、君達には、わかり切っているだろうな」


ショージが何か冗談を言ったのだろうか、ステラが笑いながらショージを叩く。


ステラの可愛さに、ショージが見惚れる。


ショージ。心の声。「( )ああ、ステラ様、あなたは可愛さの女神です。僕は今、いけないことを想像しています)」


ヤッ子。ショージ達に「おおーい、次の話に進んでいいか」


ショージ達「あ、はい、いいです」


ミッツ。ハルに教える。「これまでは、1つの音符で音を出し続ける時間を指定して来たけど、タイを使えば、もっと自在になるんだよ」


ハル「いよいよ、本番だな」。


ヤッ子。ハルの後ろで、ニンマリする。


ミッツ「自在なのに、方法は原始的。タイで繋げるだけ」楽譜『月の光』( )ドビュッシー)の、1小節目の左手のタイを指す。


ミッツ。楽譜を指しながら、ピアノ。「これを弾いて、次の音符を弾く時刻になっても……」ミッツが指で辿ると、現在時刻に合わせて、楽譜の紙の色が変わってゆく。「……鍵盤は押さえたまま」


ミッツ「タイが無ければ、改めて鍵盤を弾き直す」


ミッツ「こうすれば、付点を使っても不可能な長さを指定できる」黒板に、2分音符と8分音符を、タイで繋げる。


ミッツ「どう? これは、付点を使っても表現できないでしょ」


ハル「付点……っと、ああ、本当だ」


ハル。『月の光』の楽譜を見ながら。「次の小節に続くタイもある」


ミッツ「トレビアン! そうだよ。音符の音価は、足し算して、1小節の中でぴったりだけど、タイを使えば、小節を跨ることもできるの」楽譜を表示する。小節を跨ったタイに、「これも鍵盤を押さえたまま」の差し棒。


ミッツ「タイの最大の利点は、付点を使っても表現できなかった時間だって、タイを使えば自在。しかも、1つの音符では不可能な、隣の小節にまで繋げることができる」


ヤッ子「以上の、蜜霧君の話でわかった通り、タイには、立場によって2種類の意味合いがある」


ハル「2種類?」


ミッツ「演奏方法が変わるんですか?」


ヤッ子「演奏方法は変わらないが、意味合いが2つ、ということだ」


ヤッ子「蜜霧君は、さっき、演奏する立場としては、弾き直さないと言ってくれた。これが、立場の一つだ」


ヤッ子「もう一つは、作曲する立場だ。東海林君、協力してくれないか」


ここから、「掛留」「係留」と、「先行音」「先取音」の話になるが、この用語は、ここでは用いない。


第9話で「Csus4」は「Cの仲間なのに、ミ♯ではなくファなのは、なぜか」の質問への返答で、ここからのショージのポーズの話と共に、用語も教える。


ショージ「はい。え? 何を?」


ヤッ子「ここに立ってくれ」ミッツとステラの、中間位置を示す。黒板の前の、左右の中央位置。


ヤッ子「蜜霧君と、星山君は、もう少し離れてくれ」


ヤッ子「さて、東海林君。恋愛もののミュージカルのように、腕を伸ばして、星山君に愛を告白する格好をしてくれ。説明のポーズだから、余計なことは言わないでくれよ」


ショージ。言われた通りのポーズをする。


ヤッ子「では、蜜霧君の方に、一歩だけ近付く。すると、今度は蜜霧君の方を向いて、同じポーズをしてくれ」


ショージ。言われた通りのポーズをする。


ミッツ。面白くて笑っているが、嬉しくないことを表すように、片頬で笑い、眉は「ハ」の字。


ヤッ子「立っている場所が、星山君と蜜霧君のどちらに近いか、近い方の相手に、そのポーズをすることになっている。一歩ずつ、交互に立ち位置を変えてくれ」


ショージ「はい、わかりました」言われた通り、立ち位置を、ピョンピョンと交互に変えながら、ポーズを繰り返す。


ヤッ子「早坂君。普通は、このように、立ち位置と向きは、明確になっている。音楽に譬えれば、和音、つまりコードの変わり目と、メロディの変わり目が、一致している」


ハル「うーん、そうですね」今一つ、納得できない。


ヤッ子「では、これはどうだ。東海林君、今度は、立ち位置を移動した後、体の向きを変えるのは、体の下の方から上に、順番に、脚、胴体、腕、そして、顔を最後に向きを変えてくれ。顔が最後に向きを変える。ゆっくり、3回くらいでいい」


ショージ。言われた通りにする。


ヤッ子「どうだ、東海林君は、未練がある動きに見えるだろう」


ハル「はい、見えます」


ショージ「見えるのか?!」


ヤッ子「東海林君。今度は、今の動きの逆再生のように、最初は顔から向きを変え、腕、胴体、脚、そして最後に立ち位置の移動をしてくれ」


ショージ。言われた通りにする。


ヤッ子「どうだ、東海林君は、浮気者に見えるだろう」


ハル「はい、見えます」


ショージ「見えるのか?!」


ミッツ。大笑いする。


ヤッ子「これが、振付する立場で、音楽では作曲する立場だ。作曲の時には、このようなことも考慮する」


ヤッ子「これを拡張して、組み合わせのグラデーションにできたりする。作曲の小ネタである音楽理論の、組み合わせのグラデーションは、第12話で、音楽の先生が話すから、楽しみにしてくれ」


ハル「はい。なるほど。コードが変わる区切りを跨るように、タイを使えて、「次のコードになっても、少し音を残す」と、「まだ前のコードのうちから、次の音を始める」という指示ができるんですね。組み合わせですね」


ミッツ「それに従って演奏すると、ショージのように、未練のある男や、浮気癖の男になるんだ」


ショージ。ステラに向かって。「違うよ! 僕はただ、踊らされていただけだ!」


ミッツ「演奏する人も、楽譜を正確に演奏ということもあれば、工夫して楽譜を書き換えることもありますね」


ヤッ子「あるな」


ミッツ「振付師と演者が、はっきりと役割が分かれていなくて、演者が振付を工夫することもありますね」


ヤッ子「そうだ。さっきの私の言い方なら、2種類の意味合いが、互いに不可侵、明確に分かれているように聞こえたと思うが、振付師と演者、作曲者と演奏者、お互いに、相手の感性を持つのも、良いと思う」


ハル。話が落ち着いたので、改めて楽譜を見る。


ハル「あれ? これって、全音符じゃないのか?」10小節目を指す。


ショージ「全音符?」


ハル「これ、左手の音……価? 4分音符と、付点2分音符を足したら、全音符と同じ時間だよな。全音符の方がシンプルなのに、どうして、わざわざ分けて、タイで繋げるんだ?」


ヤッ子。期待で微笑んでいる。心の声。「( )さすが早坂君、よく気付いたな。でも、あれとあれは、気付くかな?)」


ショージ「ステラちゃん、来てごらん。ここ、全音符と同じ音価なのに、どうして分けているの?」


ステラ「え? だって、上に合わせたから?」


ショージ「素晴らしい、エクセレント、ブリリアント、ヘモグロビン」各単語は、不格好な発音で、最後から2番目の文字( )または音)にアクセントを付けて、少し伸ばす。「ブリリあーーント」のように。


ピアノの椅子にはミッツ、右隣にはハル。ミッツの左後ろにはショージとステラ。ショージは楽譜に腕を伸ばす。4人で混雑しているので、ヤッ子は楽譜が見えない位置で微笑んでいる。


ヤッ子「そう、この曲は、「9/8拍子」で、手拍子はこうなる」


ヤッ子。手拍子。8分音符が3つずつ、わかりやすいアクセントあり。声で数えながら、「9」まで数えて、2小節分。声で数える時、1から9の数字の表示が、色変わり( )1、4、7が別な色)するのも良い。


ショージ。黒板に、手拍子の楽譜を書く。左端には拍子記号も書く。8分音符3つを符桁で繋げたものを、3セット。


第2話と同様に、拍子記号の「8」と「9」を、手拍子の音符と連携する線と、説明の文字も添える。妖精ちゃんが手助けしても良い。


ヤッ子「棒が上向きと下向きで、手拍子の区切りが紛らわしくなるなら、見やすいように書く場合もある」


ミッツ。10小節目を指す。「右手でAさんとBさん、左手でCさんとDさん」楽譜。説明しやすくするため、大譜表の上段( )右手の段)と、下段( )左手の段)の間隔が広がり、4声を4色で色分け、指し棒で「Aさん」など。


ミッツ「第2話で教えたように、符桁や休符は、見やすいようにするよ。見やすいってのは、手拍子の区切りと合わせる方法もある。ここでは、AさんとBさんが似ているって形になったよ」


ハル「なるほど。全音符ならシンプルだと思ったけど、Aさんが手拍子の区切りに合わせているから、Bさんもそれに合わせたのか」


ヤッ子「作曲する立場から言えば、全音符を分けたのではなく、手拍子に合った音符を書いて、タイで繋げたら、偶然に全音符と同じ音価になったんだ」


ミッツ「両手だけで、4人分の声部を演奏する。4人とも、全員が、音価は1小節にぴったりとなる」背景に「4人分だから「4声部」と言います」の文字と、「声部」には「せいぶ」のフリガナ。


ハル「あれ? Dさんの音価は、足りないんじゃないか? だって、付点2分音符だけじゃ……ホラ、ここと違う」3小節目と比較する。


ミッツ「そんなわけないでしょ。あれ、ホントだ。ヤッ子先生、これって、間違い?」


ヤッ子「そうだ。よく気付いたな。音価を足しても、付点4分音符が1つ分、少ない。この曲の楽譜には、他にも誤りがあるぞ」


ミッツ。一人で楽譜を手に取り、探す。「見つからないよ」


ヤッ子。ニヤニヤする。「東海林君。連符の話をしてくれないか」


ショージ「連符は、ギュウ詰め!」


ハル「ギュウ詰め?」


ショージ。ハルに抱き着き「ハル君、好きー! じゃなく」


ショージ「3等分、5等分するのに使う。6等分とか、7等分とか、自由に時間を等分する」


ハル。ショージに向かって。驚いて尋ねる。「7等分なんて、できるんですか? ややこしそう」


ショージ。ミッツに向かって。わざとらしく尋ねる。「7等分なんて、できるんですか? ややこしそう」


ミッツ。急に尋ねられて、驚く、誤魔化すように答える。「え? 7等分? もちろん、うん、できるよ」言っている途中から、目を、斜め上に逸らす。


ヤッ子「7等分は、ショパンの『雨だれのプレリュード』に、あるだろう」背景に、『前奏曲 変ニ長調 雨だれ Op.28-15』( )ショパン)の、4小節目を表示する。


ミッツ。急に偉そうな態度になる。「できるよ。当たり前でしょ!」立ち上がり、偉ぶった仁王立ちをする。


ミッツ。黒板に向かう。「音符は、半分の半分の……だけしかないから、3分の1を指示するために、連符がある」黒板に2分音符。


ミッツ「全音符の2分の1の時間は、2分音符。全音符の半分の半分、つまり4分の1時間は4分音符。その中間の、3分の1の音符が無いから、2分音符を3つ書いて、「3」を添えれば、3連符のできあがり」


ミッツのセリフに沿って、画面には図形が書き加えられる。画面が室内に戻った時には、同じ図が黒板に描かれている。


ハル「4分音符じゃだめなのか?」


ミッツ「4分音符なら、足りないから、ギュウ詰めにならない」


ハル「5連符は?」


ミッツ「2分音符が5つなら、ギュウ詰め過ぎる。8分音符が5つなら足りない。4分音符が5つならちょうどいいギュウ詰め。だから、4分音符に「5」を添えて、5連符にする」


ミッツ「どの連符でも、「ギュウ詰め過ぎない」「足りなくない」の音符を使う」


ショージ「つまり、「ギュウ詰め」が良くて、「ギュウギュウ詰め」は駄目ってことだな」


ステラ。わかりやすいショージの言葉に、驚いて目を丸くして、笑う。


ショージ。ステラに向かって、鼻から、花を連続発射。


ハル「ふうん」『月の光』( )ドビュッシー)で3連符を探す。3小節目を指す。「あれ? ここ、「2」とあるけど、2連符の意味?」


ミッツ「そう、2連符。音価を半分にするから、付点16分音符を使ってもいいけれど、気分で2連符にしたかったのかな?」背景に「付点16分音符」の吹き出しが出る。後でショージの指摘まで、この噴き出しは表示されたまま。


ハル。ちょっと考え込む。不安そうに「ここって、8分音符が3つ分だよね。市販されている楽譜だから、間違いは無いと思うけど」


ミッツ「間違いなんて無いでしょう」


ショージ。出しゃばる。「楽典の初心者のハル君と、まだまだ楽典に未熟なミッツ君に、僕が教えてあげよう」黒板に8分音符3つと、音価を表す長方形3つを書く。


まだ、さっきのミッツの「付点16分音符」の吹き出しが出たまま。


ショージ「これを、連符じゃなく2分割するなら」中央の長方形の真ん中を、点線で区切る。


ショージ「ミッツ君、さっき君は「付点16分音符」と言ったね。しかし、本当は付点8分音符だ。わかったかい、ミッツ君」


ショージ。ミッツを指す。「犯人は、君だ!」


ミッツ。呆れたように「はいはい、わかりました、付点8分音符でしたね」


ヤッ子。微笑んでいる。


ショージ「そして、ギュウ詰めだから、この3つの長方形に2つの音符をギュウ詰めするなら……、あれ? ギュウ詰めだから……、おかしい、そんなバカな、バんなそカな」


ヤッ子「そう、この楽譜は、誤っている。ギュウ詰めなら、4分音符で2連符にするべきだ」音楽室に落雷。シルエットになったヤッ子を、竜巻が包み、後ろの髪を吸い上げる。


ショージ。くずおれる。「市販の楽譜なのに……」


ヤッ子、嵐が速やかに消える。「……という解釈もあるが、あれこれ資料を見ると、明確に誤りだとか、明確に正しいだとか、よくわからないんだ。このような話を決着させるのは、私にはできない、荷が重い」


ヤッ子「どの段階で、この表記が始まったのかは知らないが、複数の出版社で、この表記だ」書棚から、別な出版社の『月の光』を出し、ステラに渡す。


ヤッ子「ネットでこの曲の楽譜を探すと、古そうな楽譜でも、その形で書いてある。私の興味は、ここまでだ」


ヤッ子「もしかすると、視聴者からも、正しさの考察がブログなどで出て来るかも知れないな。予測だが、その考察でも、複数の正しさがあるだろう」


背景に、予測されるブログの例をいくつか表示する。「気付かなかった」や「それは、これが結論とされている」など。


ショージ「畜生! こうなったら、ハルの恥ずかし話をしてやる!」


ハル「なんでですか」


ミッツ「ハルの初恋の相手は、あたしなんだよ」


ハル「そんなことあるか」


ミッツ「あたしがピアノ発表会で、可愛いドレスを着ていたら、喜んでスカートめくりしたでしょう」


ハル「そんな昔の話を」


ミッツ「しかもねえ、めくって、普通なら逃げて行くのに」回想で、2頭身の小学生のミッツとハル。めくって、ハルが走り去る様子。ミッツが怒っている。


ミッツ「でも、ハルは逃げないで、めくったまま、持ってる」回想で、小学生のハルが、めくって、しっかり中を観察する。


ショージ。手を叩いて笑っている。


ステラ。ヤッ子につかまって、倒れないようにしている。


ヤッ子。呆れた微笑み。


ハル。悔しくて大声で。「クマさんのパンツー!」


ミッツ。笑顔だが、赤くなって汗までかく「小学生の頃の話を、今になってしたって、恥ずかしくないもん」


ショージ。ステラに。「痴話喧嘩よ、やーねー」


ステラ。ヤッ子に。「この線は、スラーですか?」


背景に、「ステラは、タイとスラーの違いを教わっていますが、よく似たレガートなどは教わっていません」を表示する。


ヤッ子「ああ、これな。スラーの仲間で、レガートとかフレーズとかだな」黒板の絵を全部消す。新たに楽譜。同じ音高の2つの音符。違う音高の2つの音符。


ヤッ子「同じ音高ならタイ。これは、さっきの話の通りだ。違う音高ならスラー。星山君、スラーのあると無しを、歌い分けてくれ」


ステラ「歌い分け……ですか。えーっと、スラーが無ければ「ターター」、スラーがあれば「ターラー」ですか」ステラ声を聞いて、ショージが後ろで喜び、小さく拍手。


ヤッ子「その通り。同じ音高の音符を繋げていても、タイではなくレガートの場合もあるぞ」


ミッツ。驚いて「嘘っ」


ヤッ子「タイは音符の玉を繋ぐ、レガートは音符を繋ぐ。と言えば紛らわしいが、こういうことだ」


ヤッ子。黒板に、同じ高さの4分音符が2つのセットを、4セット書く。玉を繋ぐ、下向きのタイ。玉を繋ぐ、上向きのタイ。棒を繋ぐレガート。繋げる線が無い。それぞれに「タイ」「タイ」「レガート」「何も無し」を指し棒で。


ヤッ子「玉と玉を繋ぐタイは、下向きでも上向きでも同じ意味だ」


ヤッ子「再び星山君。この、4つの歌い分けを頼む」


ステラ「はい、「ターーー」「ターーー」「ターラー」「ターター」」


ヤッ子「ありがとう。このように、レガートは「滑らかに」という指示だな」


ハル「音符の、玉を繋ぐのがタイで、棒を繋ぐのがレガートですね。ということは、スラーとレガートも、玉を繋ぐのがスラーで、棒を繋ぐのがレガートですか?」


ヤッ子「考え方は正しい。もう少し正確な表現なら、「棒を繋ぐ」ではなく「音符を繋ぐ」だ」


ハル「え? でも、ええーっと」


ヤッ子「結局は、「玉ではない」を示すために、「棒を繋げる」になる」


ハル「そう、そうです」


ミッツ「レガートと、スタッカートが、一緒なら、音価の「4分の3」で鳴らすのを終えるの意味ですよね」


ヤッ子「一般には、そう言われているが、曲によって、そうではない解釈もある」


ミッツ「あたしは、ピアノの先生から、そのように教わりました」


ヤッ子「ピアノという楽器の特性があるが、「曲によって」と「楽器によって」や、「曲の解釈によって」もある」


ハル「ピアノは、音が出た瞬間は大きな音で、そこから先は、音が小さくなるだけ。バイオリンや、吹奏楽器だったら、鳴らしながらクレシェンドができるんですよね」


ステラ「あ、それ、吹奏楽部で教わりました。トロンボーンでは、音が出た瞬間を弱く、そこから強くして、急に音を止めることもできるって」


ショージ「ステラちゃん、素敵! よく勉強している。いい子、いい子」


ミッツ。ショージが、ステラの頭を撫でようと、手を伸ばしたので、とっさに割り込む。


ステラ「楔型なら音価の4分の1、スタッカートなら音価の半分、スタッカートとテヌートなら音価の4分の3。スタッカートとレガートも、音価の4分の3。とはいえ、その違いを演奏で実現するのは、難しいって」


背景に、いくつかの記号を組み合わせたものを表示する。


ミッツ。ステラに。「音を鳴らす続ける時間と、音の強さも工夫して、「滑らかに」を表現するよね」


ステラ「はい。トロンボーンなら、音色も気を付けます」


ハル。ミッツとステラの会話を、顔の向きを変えながら、聞いている。ハルにとって、演奏表現は、守備範囲外なので。


ヤッ子「レガートは、スラーをたくさんの音符に広げたような書き方もある」背景に、棒が上向きで同じ高さの4分音符が4つを、2セット。レガートを、音符の下( )玉の側)の例と、音符の上( )棒の側)の例。


ヤッ子「ただし、この書き方は、フレーズと同じ。フレーズとは、句読点のようなもので、「ここまでが、ひとつの区切り」の意味だ」


ヤッ子「私はピアノ演奏が中心だから、フレーズの区切りは強弱で表現することが多い」


背景に楽譜。横長に6小節で、同じ高さの音符が並んでいる。2小節ずつのフレーズが3つ。フレーズに合わせて五線をグラデーションで塗りつぶす。フレーズの両端が薄い色、フレーズの中央が濃い色。


薄い色に指し棒で「フレーズの始まりと終わりは、弱く」、濃い色に指し棒で「フレーズの中央は強く」と記す。


ヤッ子「ピアノの、ソロの演奏では、このような表現をすることがあるが、これは「フレーズの表現方法の一つ」だ」


ハル「逆の、始まりと終わりが強くて、途中が弱い演奏って、あるんですか?」


ミッツ「それは、無いと思うよ」


ショージ。ミッツの物真似で。「それは、無いと思うよ」


ステラ「あっても、おかしくないと思います」


ヤッ子「星山君」


ステラ「はい」


ヤッ子「星山君は、美術や、何かの創作は、経験があるのか?」


ステラ「はい、あります。メルヘンの小物を作ったり、イラストが好きです」


ヤッ子「そうか。これは、音楽方面を揶揄する意味ではないが、奔放な発想は、美術の方が喜ばれる傾向がある」


背景に「意見には、個人差があります。この意見は、当アニメの登場人物である、ヤッ子の意見です」を表示する。


ヤッ子「例えば、こんな曲があったとする」


ヤッ子。ピアノで、右手で長調の音階を2オクターブ( )主音が3回、使われる)、下から上に行き、そのまま続けて上から下に戻る。これを3回繰り返す。下の主音を鳴らす時、左手は主和音を鳴らす。


まずは、これを、強弱の無い、平坦な演奏。


ヤッ子「今のは、フレーズの無い演奏だ」


ヤッ子「始まりと終わりを弱くする演奏を、動きで表すと、こうなる」脇を絞めて、両肘を曲げる。手の平を上向きに、手を握る。そこから、両手を開きながら前に出し、戻って来る。これを繰り返す。


ヤッ子「これを演奏すると、こうなる」フレーズの始まりと終わりが弱い演奏。


ヤッ子「では、早坂君の考案した演奏は、動きで表すと、こうなる」バレーボールを真上に放り、落ちて来たのを受け取る。これを繰り返す。ボールが、天井よりも高く上がっていることを表すために、目でボールを追い、戻るまでの時間も設ける。


ヤッ子「これを演奏すると、こうなる」フレーズの始まりと終わりが強い演奏。


ヤッ子「どのような曲の、どのような場面で、どちらが適しているか、思い付いたら実験するのが面白いな」


ミッツ。ヤッ子に向かって。「クレッシェンドや、デミヌエンドの記号もありますよね」


ヤッ子。ミッツから問われたが、ステラが答えたがっているのが見えたので、ステラに促すように。「音の強弱を変える記号だな」


ステラ「横長の、こんな記号ですね」黒板の所に行き、横長の不等号記号を書く。


ハル「見たままの形だね」


ショージ「素敵だよ、ステラちゃん。でも、文字で書くこともあるって、知ってるかい?」


ステラ。自分の不備を指摘されたような気持ちになり、困惑する。「え?」


ハル。ステラを気遣う。「それは聞きたいな。ステラも、いい機会だから、教えてもらおう」


ステラ。少し安心して、ハルに。「はい」


ショージ。黒板に、不等号記号のクレシェンドとデミヌエンドを、左右に並べて書く。


クレシェンドの記号の下に、「crescendo」「cresc.」を書き足す。


デミヌエンドの記号の下に、「decrescendo」「decr.」「diminuendo」「dim.」「デクレシェンド」を書き足す。


ヤッ子「これらを、正確に書けるのは、大したもんだ」


ステラ「そんなに、あるんですか?」


ステラは、吹奏楽部員の中では、自分の音楽の知識が少ないことを気にしている。


ハル「暗記はしなくて、いいと思うよ。いざ、実際に書いてあるのを見た時、調べればいいだけだし」


ミッツ「路線図や時刻表と同じ。暗記していなくても、必要な時のために、資料があるんだし」


ハル「暗記していることの利点は2つ。調べる手間が減ることと、暗記しているのを自慢すること」


ショージ。ステラに近寄り。「ステラちゃんのための、資料になる利点もあるよ。いつでも、僕を資料にしてね」


ステラ。ちょっと困惑。


ハル「どれくらいの度合いで、大きくするか、小さくするかを、こうして書くこともあるな」


ハル。ショージの書いた、黒板の不等号記号のクレシェンドとデミヌエンドの、中間と左右に、「ff」「mp」などを書き足す。


ヤッ子「フレーズの区切りでは、音を出す時間を少し短くし、小さな休符が挿入されたような演奏もいいな」


ハル「音価を表す、四角の横幅が、少し痩せて、隙間ができるような?」背景に、ピアノロールを表示する。


ミッツ「それ、ブレスだよ」


ハル「ブレス?」


ミッツ「息継ぎ」黒板の楽譜の、いくつかの箇所にブレスの「V」を書く。


ハル「ああ、ブレスの頭文字の「V」か」


ミッツ「違うよ。ブレスは「B」から始まるから、これは文字の「V」じゃなく、楔( )くさび)のような記号」背景に、息継ぎの「BREATH」を表示する。背景に、ハンマーで楔を叩き、木材を割る絵を表示する。


ステラ「本当です。救急救命のABCは、気道と呼吸と循環の順番で、「A」は「エアウエイ」で気道確保、「B」は「ブレス」で人工呼吸。「C」は「サーキュレーション」で血液の循環をする心臓マッサージです」


ステラ「この順番が大切です。気道確保をしないで、人工呼吸してはいけません」


ここでは、命に関わることなので、専門家の監修による文字表記を行う。


ヤッ子「そうだ、ブレスも、表現方法のひとつだ。ただし、楽器によっても異なるし、曲によっても、箇所によっても異なる」


ステラ「トロンボーンも、違いますか?」


ヤッ子「そうだな。どんな工夫がされているのか、様々だな。バイオリンでは、弓の上げ下げの方向を変えるとか、あるんだろうな」


ステラ「スタッカートでも、表現方法は「音価の途中で、鳴らすのを終える」とか「ちょっとしたアクセント」とか「それぞれの音符を明確に」とか、ありますよね」第2話で、メモを誤って「スターカット」と書いた場面を思い出す。


ヤッ子「おおっ、丁寧な演奏を心掛けているのか」


ステラ「はいっ!」


ヤッ子「レガートとフレーズとは、同じ書き方だから、区別できない」背景に、『月の光』の楽譜。レガートの記号を強調。


ミッツ「あ、あたしもそれ、知りたい」


ヤッ子。『月の光』の、フレーズの範囲が、1小節以内のものと、2小節にわたるものを指す。「これは、「この範囲を滑らかに」なのか「この範囲を1つのまとまりとして考えろ」なのか、区別できない」


ミッツ「そうなんです。どう違うんですか?」


ヤッ子「だから、区別できないんだ。困ったもんだな」


一同、諦めと納得の表情。


ステラ「ジュゴンとマナティみたい。どっちがどっちだか、今もわからない」


ショージ。心の声。「( )ジュゴン? マナティ? 怪獣の名前?)」おすぎとピーコを想像する。または、ザ・たっちが登場し、「俺たちは怪獣じゃない、ちょっとちょっと」や、ショージが「片方は、もう片方の幽体離脱したんだろう」など。


ハル「牡丹餅とお萩の違いだったりして」


ミッツ「粒餡と、漉し餡の違い?」背景に、漢字の「お萩」「牡丹餅」「粒餡」「漉し餡」に、ひらがなのフリガナを添える。日常はひらがなを見ることが多く、ここでは漢字の話題なので。


ハル「どっちも同じ。春に食べたら牡丹餅。秋に食べたらお萩」


ショージ「同じものなのに、季節で呼び名が違うのか? ライチョウが、2種類じゃなく、1種類が正しいの話みたいだな」ここでは、2種類か1種類かの、主張の違いの話( )誰がどちらを主張したか)には言及しない。


ハル「シメジ婆さんが教えてくれた。ええーっと、黒板に書こうか。「お萩」は、ここに「秋」ってあるから、秋のお萩。反対の春は、「牡丹餅」が「ボタンの餅」だって」黒板に書く。


ミッツ「ハルって、シメジ婆さんから、色々教わってるよね」


ハル「うん。「秋」があるのが「萩( )はぎ)」だから、「秋」が無いのが「荻( )おぎ)」だって。その時は、小学生だったから、よくわからなかったけど、今では人の名前を読むのに役立っている」黒板に「荻」と、フリガナも書き加える。


▽ 場面変更 ● ── ●


校内のどこかで、雑談。


生徒A「問題です。ある物体の動きを調べました。ある時はこの場所にあり、次の時には、ここにありました。その次の時には、どこにあるでしょうか?」ノートに、Aの点、Bの点を書く。


生徒B「ある時間とは?」


生徒A「1秒後でもいいし、24時間後でもいい。これは、予測が正しいとは限らないという話だから」


生徒B「予測?」


生徒A「過去の経験や、物語から得た知識で、簡単に予測しても、外れることはある。現実は複雑だから。しかし、単純なことなら、予測は当たるだろう。単純なことでも予測が外れるなら、複雑な現実世界で当たらないことは、普通にある」


生徒B「じゃあ、普通に考えたら、ここだな」AからBの、直線の延長線上に、Cの点を書く。


生徒A「絶対か? それ以外の可能性は?」


生徒B「いや、どう考えても、ここしか無いだろう」


生徒A「うん、それも正解。でも、こんな場合もある」A点とB点は、円弧にあり、C点は円弧の延長線上にある。


生徒B「ああ、そういうこともあるな。でも、これって、予測する資料が少ないだけだろう」


生徒A「そうだ。現実世界でも、今、持っている情報では足りないのか、わからない。情報不足と知らずに、予測しても、外れるだろう」


生徒B「理屈はそうだな」少し苦笑。


生徒A「では、この続きの、次の時には、どこか?」


生徒B「そりゃ、ここに決まっている」円弧の延長上に、D点を書く。


生徒A「ところが、こんなこともある」B点に、「D点」と書き加える。


生徒B「何でだよ。そんな動き方は、あり得ない」


生徒A「むふふ。単純なことでもあり得ないんだから、現実では、もっとあり得ない。実はこれは、振り子の錘( )おもり)なんだ」円弧の中心点から、ABCが糸でぶら下がっているように書く。


生徒B「ずるい!」


生徒A「しかも、真下がこっち方向なら、B点とD点が、このようにずれることもある」斜め方向に、真下を表す太い矢印。


B点が、振り子の真下ではない場合、A点とB点の距離と、B点とC点の距離が違う。C点は、振り子で折り返した後の場合。


振り子の錘( )おもり)が鉄球で、C点の近くに磁石があれば、振り子のスピードは一定ではない。


生徒B「もっと単純に、真上から見たら、直線状に動いても、間隔が違うな」机上で振り子が動く様子と、それを支点から見下ろす様子。机上の紙には、直線の軌道に、間隔が異なる点を、いくつか書く。


生徒C。話に加わる。「こんな動きをするものもあるぞ」筆記体の「e」が斜めになったような軌道を書く。


生徒A「そりゃ、嘘だ」


生徒C「本当だって。これは衛星。惑星がこう進んでいるだろう。惑星の周りで廻っているのが衛星で、惑星に従いながら、こう、移動する」


1つの静止した惑星と、周回する衛星の図を書く。惑星が移動する矢印の輪郭( )太い矢印の輪郭)を、やや長く書く。太い矢印に沿って、衛星が周回する軌道を、延びたバネのように書く。


生徒B「おおっ、なるほど」


生徒A「だったら、こんな、筆記体の「e」じゃなく、左右対称になるはずだ」


生徒C「星の動きは、必ずしも真上から見るとは限らない。こうして、机の上では左右対称になっていても、見る人の位置によって、左右対称にはならない」


生徒C。最初は、机の真上から見ていたが、しゃがんで、低い位置から見る。低い位置から見ながら、机の周りを歩く。カメラワークは、生徒Cの目線で動く。


カメラワークは、歩くような上下運動が無くても良い。生徒Cが、レールの上を滑らかに移動する方が、軌道の見え方の説明がわかりやすい。


生徒C「ほら、ここからなら、斜めの軌道に見える」


生徒A。生徒Cの位置から見る。


生徒A「本当だ」


生徒C「知ってるか? 太陽は、昔は惑星だったんだぜ」


生徒A「太陽は恒星だろ?」


生徒C「星の分類の定義が変わったんだ。昔は、星座を作っている星が恒星だった。いつも、その場所にあるから、「つねに」の意味だ」


生徒B「でも、星座だって、季節によって変わるだろ?」


生徒C「見えなくなる季節もあるけど、相対的な場所は変わらない」


生徒B「なるほど」


生徒C「星座の中を旅する星もある。場所が移動するから、惑う星として、惑星。木星、土星、火星とかだな。そこで、季節の話になるが、太陽も、星座の中を旅している」


生徒A「旅してる?」


生徒C「旅をしているから、季節が変わる。今、太陽がどの星座にあるかが、星占いだ」


生徒B「ということは、太陽が蟹座にある時に生まれた人が、星占いの蟹座ってことか?」


生徒C「そう。ただし、占星術が作られた5000年前と比べて、今は季節がずれているけど」


生徒A「なるほど、星座の中を旅するから、太陽は惑星なのか」


生徒C「今は恒星だけどね」


生徒A「「今は」って?」


生徒C「今の定義は、自分で光っている星が恒星、恒星の周りを廻っているのが惑星、惑星に寄り添って、惑星を衛( )まも)るようにしているのが衛星。さっきの変な動きは、衛星の動きなんだ。現実世界では、こんな複雑な条件がある」


恒星、惑星、衛星を表す図を書き、指し棒で、それぞれの名と、定義を書く。


生徒B「でもよ、定義をコロコロ変えられると、困るよな」


生徒C「部活動を欠席するのを、「さぼり」と定義するか、「家庭の事情とのダブルブッキング」と定義するかで、部員に対して「やる気が無いなら」と責めるか、「家庭の事情でお疲れ様」とねぎらうか、変わるよな」


生徒B「確かにな。部活動を優先して、どんな理由でも欠席をさぼりと定義する人も、いるよな。家庭の事情があれば、家庭の方も、こっちが優先だろうし。板挟みされる部員も、さぞ、辛いだろう」


生徒A「それより、惑星とか恒星とか、どーでもいい。星なんて、ただ散らばっているだけ。「あれが木星だ」とか言われても、興味無いし。それより、第二の地球なら、興味がある。第二の地球人がいて、そこからの宇宙船がUFOかもって話」


第二の地球は、第5話の「スモーキングガン」「見なくてもわかる」の冤罪の話と繋がっている。


生徒C「ああ、地球と同じ軌道上で、太陽の向こう側に、第二の地球があるという、SFの話だな。あれは、無いことが証明されている」


生徒A「どうしてだよ。誰も見ていないんだろう」


生徒C「見なくてもわかる」


生徒A。生徒Bに向かって。「聞いたか。こういう奴が、無実の罪で、人を冤罪に陥れるんだ」


生徒B「何か、理由があるんだろう。聞いてみようぜ」


生徒C「確認方法は、「見る」だけではない」


生徒C「海王星や冥王星は、地球からは、ほとんど見えない。だから、「そこに未知の惑星があるかも」と探すにも、あるか無いかわからないのに、広い夜空を探すのは大変だ」


生徒B「でも、発見されたんだよな」


生徒C「なぜなら、天王星の軌道が、予測とはズレていたんだ。このようにズレるということは、あの辺りに、これくらいの質量の天体があるはずだ。探そう」


生徒A「探したのか?」


生徒C「そう、探したんだ。すると、海王星が見付かった。そして、「ここにある」とわかってから観測すると、今度は海王星の軌道が、予測とはズレていた。すると、冥王星が見付かった」


生徒B「おい、わかっているか? 海王星とか、そんな遠くの話ではなく、第二の地球は、どうなんだ?」


生徒C「もしも、第二の地球があれば、金星や火星の軌道が、ズレるはずだ。実際の金星や火星の軌道が、第二の地球が無いという証明だ」


生徒A「だったらな、第二の地球が、限りなく重力の弱い惑星で、存在が隠れるようなものだったら、どうなんだ?」


生徒C「そんな、とんでもない天体だったら、地球とは違う。「第二の地球」とは呼べない。引力が小さいなら、地球と同じスピードで、地球と同じ軌道を公転することは、できない」


生徒C「引力が小さいなら、そこを宇宙船の拠点にはできないだろう」


▼ CM明け。   ▼──   ──▼


CM明けの定型。他の登場人物は知らない、自宅などの場面。


トロール将軍。広い公園、または、川岸で写生している。絵具で汚れたジャージ。首から笛をぶら下げている。


風景は、遠くの山や、川の対岸のマンションも見えるが、見る方角によっては地平線が見えそう。


トロール将軍の妻。走らず、速足で来る。「あなたっ、おまたせ」服装はいつものジャージではなく、快活でシンプルなデザインのワンピースで、背中側の紐の長さを調節して結び、腰のくびれもある。


季節によっては、エプロンのようなワンピースで、Tシャツでも良い。


トロール将軍と妻は、第12話で、結婚前のキャンプ場でのエビソードがある。


トロール将軍の妻。お弁当が入っているバスケットを、トロール将軍の近くに置く。「食べたくなったら、一緒に食べようね」


トロール将軍の妻。バスケットを開けて、二人分のコーヒーだけ出す。トロール将軍の分は、邪魔にならない場所に置き、一人で飲み始める。妻は、念のため、コーヒー以外が良いかも。


近くで、小さな子供が何人か、ゴムボールを投げ合って遊んでいる。


小さな子供。失敗した大声で「あっ!」


ゴムボールが、トロール将軍の手に当たり、筆が絵に当たる。


トロール将軍。ゴムボールを拾う。「ゴメンネって、言うんだよ」小さな子供に向かって、ほとんど見えないくらいに瞼を細めて、笑顔にする。


トロール将軍の妻。近くで微笑んでいる。小さな子供は、優しい笑顔のトロール将軍の妻を見て安心する。


トロール将軍。ゴムボールを、子供に差し出す。「ゴメンネって、言うんだよ」


小さな子供「ゴメンネ」


トロール将軍「うん、偉いね。ちゃんとゴメンネが言えたね」トロール将軍の笑顔は、戦闘で100人もの敵を倒した後の、晴れ晴れした残忍さがあった。


トロール将軍の妻。小さな子供を抱き上げ、あぐらをかき、膝の上に座らせる。「偉いねー。ちゃんとゴメンネが言えたねー」優しく耳を揉む。


子供は、トロール将軍の恐ろしい顔を見て、驚く。差し出されたゴムボールを、震えながら、急いで取る( )奪い取る)。


トロール将軍「子供の頃って、失敗が多いよね。わざと悪いことをしたなら叱るけど、失敗してゴメンネって言ったら、叱らないよ」


小さな子供。大声で。「ゴメンネゴメンネゴメンネー!」


小さな子供の母親が走り寄る。「どうも済みません」


トロール将軍「「ゴメンネ」の気持ちが、とても大きいと、何回も「ゴメンネ」って、言いたくなることはあるよ」


トロール将軍「でも、ふざけて何回も「ゴメンネ」って言ったら、「ゴメンネ」が小さくなるよ」


トロール将軍が振り返ると、顔が怖いので、母親も恐怖。


トロール将軍「「ゴメンネ」と「ありがとう」は、ふざけて何回も言ったら、「ゴメンネ」も「ありがとう」も、小さくなるよ」


母親「はい……」


トロール将軍「何度も言うと大きくなるのが、「助けてー!」だよ」


母親「あ、はい、ありがとうございます」


母親。トロール将軍の妻から小さな子供を抱きあげて。「申し訳ありません」


母親。去りながら、心の声。「( )猛獣を飼っている、お転婆セレブ?)」


小さな子供。トロール将軍の後頭部の、逆さハートマークの禿を見て、小声で。「ケツハゲ」


親子が去った後。


トロール将軍の妻。トロール将軍を励ます。「頑張ったねー。ちゃんと、笑顔で言えた」トロール将軍の隣に膝立ちして、トロール将軍の背中をさする。


トロール将軍「うん。だって、子供が頑張って、丁寧な言い方をしたら、大人はきっと、聞いてくれるって、信じて欲しいもん。そうじゃない大人もいるけど、きっと、きっと、多くの大人は、聞いてくれるもん」


トロール将軍の妻「うん、そうだね」トロール将軍の肩に、自分の顔( )頬や顎)の載せる。


トロール将軍の妻「丁寧な言葉を使うって、相手を大切にするってことだもんね。たくさん、教えたい」


少しの間。


トロール将軍。やっと気付く。「えっ?」妻を見る。


トロール将軍の妻。顔を赤らめる。「相手を大切にするってこと、たくさん教えたい」


トロール将軍の妻。立ち上がる。妊娠したことを示すように、まだ大きくないお腹を、両手で抱えるような位置に。


トロール将軍の妻。大空を見上げて大声。「おめでとー!」このセリフは、「おめで」が早口、「とー!」を長くでも良いし、幸せ一杯な言い方を工夫する。


トロール将軍の妻。高笑いしても良い。


この場所は、広い公園、または川岸なので、エコーは無いはずだが、空までの大気が、祝福するような音響、または、エコー( )こだま)が響いても良い。


妻がバスケットから出した飲み物が、「念のため、コーヒー以外が良いかも」というのは、妊娠しているから。



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