4話 ベリーズビルの町
ここまではストックしているので、定期的に投稿されるのですが
なんか更新止まってるなと思ったら書いてると思ってください()
穴から出た二人は、山の中を再び歩いていた。
アナスタシアは足を痛めていたので、金髪の男は支えになるような太い木を探してそれを杖代わりにした。
それでも山の中を歩くのは少し厳しかった。
「お嬢さん 大丈夫か?」
「もう少しゆっくり歩きなさいよ!」
「ぼやぼやしてると さっきの奴らが来ちまうじゃないか」
男の言うことはもっともで、あの黒ずくめの集団がいつアナスタシアたちに追いつくのかはわからなかった。
少しでも早く町に着く必要がある。
二人は多少の言い争いもしながら、だんだんと町に近づく。予定より少し遅れてしまったが、昨日の深夜から歩き続け昼前には町に着くことができた。
「町っていうから期待したけど 田舎じゃない」
「贅沢なやつだなあ…」
ベリーズビル、それが町の名前であった。
王都やアナスタシアが暮らしていた街であるボーダーフォートに比べれば、かなり田舎の町である。
農家による市がそこらじゅうに開かれているところから、農業が盛んな地域であることが窺える。
「まず 服なんとかするか…おまえさん泥だらけだし」
「ちょっと何 あなたが私の面倒見るつもりでいるの?」
「じゃあ聞くが…当てはあるのか? お嬢様は」
「…」
「気が向いたから おまえさんの依頼 受けてやってもいいぞ」
「なんで偉そうなのよ!」
だが、実際のところ、この男の言う通りであった。
この町に行くように言われていたがそれ以降はどうすればいいのか、アナスタシアにはわからなかったのである。
国王に報告するのが筋のようにも思えたが、一番はやはり近くの領地に住んでいるリアムに会いに行くのが近道であろう。彼女はそのように考えた。
そのためには、なんとしてもこの男を確保した方がいい…足も痛めてるし、道もわからない今。
一人でリアムの元へ向かうのは無謀である。
「わかったわ わかりました!あなたのこと雇うわ」
「でもなんで急に気が変わったのよ」
「えー おまえさんがあまりにも哀れでさ… ヨヨヨ」
と 男はにやけた顔で泣き真似をして見せる。なんたる侮辱か!
アナスタシアは大声で喚き散らしたくなるのをグッと押し込めた。
「それで? 傭兵さん あなたをなんとお呼びすればいいのかしら?」
「自己紹介と行こうか 私はカイ」
男はカイと名乗った、苗字がないのは一般の下々であればあるのかもしれない。しかし、何か身元を知られたくないという、そんな感じを受けた。
「私はアナスタシア・ヴァルクレイン よろしくお願いいたします」
「お ちゃんとよろしくお願いしますって言えたんだ アナ」
「ちょっと 馴れ馴れしすぎるわ! 主従関係なのよ!」
「はぁい ごめんなさあい」
二人は婦人用の服屋に行った。アナスタシアは当然、ドレスを要求したのだが…ここにあるのは皆、庶民が着るような服ばかりであった。
高級なドレスなど、ここにはあるはずもなく…
「ちょっとご亭主いいかしら?」
彼女は服屋の主人に声をかける。主人は髭の立派な紳士で、声をかけられて素早くアナスタシアの元へやってきた。
「どうされましたお客様」
「ドレスをいただきたいのだけども もちろん 高級なやつをね」
「高級ですか…」
と主人が言ったところで、カイが割ってはいる。
「あ ちょい待ち 動きやすい服ないかな?」
「ちょっと割り込まないでよ!」
「お前 これからずっと歩いたりするのにドレスなんか着る気かよ」
「私は令嬢なのよ! 当たり前でしょう!」
「ご主人 これくださーい」
「無視しないで!」
叫ぶアナを無視して、カイはそのまま会計を済ませてしまう。
選んだのは短めの茶色いワンピース、そしてズボン、ブーツであった。
地味な旅の装いという印象の組み合わせである。
「いいか これから走り回ったりするんだからさ ヒールなんか履いてオホホホホってやってる暇ないんだぞ あとお前今足痛めてるし」
「ぐぬぬぬ」
二人は店を出ようとすると主人が声をかける。
「お連れの人は何も買わないのですか?」
「あ?私か?」
「ええ きっとお似合いですよ」
「うーん 悪いね 今買う余裕ないもんで」
「そうですか…残念です またのお越しを」
この会話を聞いて、アナスタシアは何か違和感を感じた。なぜ主人はカイに声をかけたのであろうか?婦人服の店なのに。
自己紹介のシーンって悩みます。
気づいたら自己紹介しないまま進んでしまうので。
TRPGでもそうです。




