表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
地球の地下には4400年前から続く文明があり、人類は観測対象だった 〜登山中に消えた俺の真実〜   作者: ムーンキャット


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

14/24

第5話 再接触

あれから数日、須藤海斗は日常に戻っていた。

登山道の記憶、山中で見た潜水艦の影――

それらは夢のように消えかけていた。

しかし、胸の奥に、何か確かに残っている感覚があった。

ある日、スマートフォンの通知が光る。

YouTubeで話題になっているUFO目撃動画。

湖上に浮かぶ光、空に揺れる物体――

一瞬、心の中で見覚えのある形がよみがえる。

「……あれ、前に見た、あれに似てる……」

海斗は直感した。

確かめるしかない――

現地に行けば、何かがわかるかもしれない。

数時間後、海斗は車を走らせ、目撃現場の湖畔に到着した。

空は晴れていたが、山肌の空気がわずかに揺らぐような感覚があった。

その瞬間――

空中のUFO型の光が、静かに動いた。

海斗の胸がざわつく。

「……あれだ……」

だが、彼の気配を遠くから観察している存在があった。

地底文明の観測者、アイン。

コロニーの高精度監視システムを通じ、アインは確認する。

“記憶は残っているのか……?”

微細な動作、視線、呼吸の変化。

それらを解析すると、明らかに以前の体験の痕跡が残っていると判断できた。

アインは静かに、しかし確実に行動を開始する。

地上に光の帯を展開し、海斗の視界に微かな光の揺らぎを差し込む。

それは、自然の現象に紛れて存在するかのように、しかし海斗には気付かせるためだけの光。

海斗は何気なく光に目を向ける。

空中に浮かぶ光の点――

そして、低く、地面近くに現れた人影。

「……誰だ?」

声が通じるはずもないと思った瞬間、耳元で小さな機械音。

“こんにちは、私はアインです――翻訳機を通して話しています”

耳に装着されたイヤホン型の小型装置が、海斗の言語を即座に解析し、理解可能な日本語に変換していた。

「……え、日本語で……?」

思わず声を漏らす海斗。

目の前の人物は、異様に冷静で、しかし敵意は感じられない。

アインは機械を通じて説明する。

「あなたの記憶が部分的に残っていることを確認するために来ました」

海斗は息をのむ。

(やはり、そうか…)

「記憶を……消さないでくれ……お願いです」

「あなた方の事がどうしても知りたくて…」

「証明は出来ませんが秘密は絶対に守ります」

アインは首を傾げて、機械音で告げる。

「驚いたな…こんな事は始めてです」

(記憶制御装置は非常に強い意志を持つ人間には断片的に記憶が残るというのは本当だったのか…)

「仕方ないですね…」

「どうやら貴方と出会ったのは運命なのかもしれません」

「悪意はないと判断しました。特例として、あなたの記憶は保たれます」

次の瞬間、微かな光が足元に広がり、海斗を案内する道を示す。

「こちらに来てください」とアイン。

湖畔の空気は静まり、海斗は光の帯に従い歩き出す。

初めは警戒していた心も、アインの冷静で理知的な振る舞いと、翻訳機を通した言葉の正確さに、少しずつ打ち解けていった。

——こうして、須藤海斗と地底文明の観測者アインとの最初の対話が始まった。

地上の常識を超えた存在との、緊張と好奇心の交錯。

互いに慎重に、しかし確実に、心の距離は縮まりつつあった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ