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狩り

そうこうしているうちに気づいたら自分ともう一匹だけになっている。

こんなことは初めてだ。

何百匹で出発しているのだ。

わたしともう一匹しかいない状況なんてありえないはずだったのだ。


そんなあり得ない状況が起こってしまった。

自由意志で文字通り巣立つチャンスではないか、これは。

リスクは高いが巣にいてもいつ殺されるかビクビクするくらいなら同じだ。


だが、短絡的に行動を起こしたくない。

一匹とはいえ同じくらい力のある奴が相手だ。

先制攻撃できるにしても躊躇がない分、向こうに分があるだろう。

わたしは賢い、だから今回はやめておこう。


本当に一人になった時だけ行動しようと考えていると、今日の出発からお目当てにしていたご飯が見えてきた。

遠目から見てもわかる。

あんなに派手な模様がたくさんあるのは十中八九、蝶である。


蝶は憧れだ。

おそらく全員が自由意志で動いているんだろう。

そうでないとあんなバラバラに好きに動かない。


羨ましくてしょうがない。

わたしがもし自由意志のもと暮らせるなら、それは優秀で賢い個体になっただろう。

今はその才能を噛み殺すしかない。


また同じことを考えてしまう。

理不尽ではないか。

わたしも自由になりたい。

だんだんとムカついてきた。

わたしともう一匹しかいないから全ては持ち帰れない。

しかし、できる限り食い荒らしてやろう。

食べない分もズタズタにしてやるのだ。

無駄なことをするのも自由意志を持つものの特権だ。


残忍な行動をしている妄想をしながら近づいてみて気づいた。

どうやら、この蝶は生きているらしい。

しかし哀れなことにすでに羽はボロボロで飛べないようだ。


こちらとしては生きていて動けないなら好都合だ。

それに羽は美味しくないので食べない。

しかも新鮮な肉は美味しい。

踊り食いというやつだ。


もう一匹と共に嬉々として追い立てる。

蝶は逃げようとしているが遅い。

すぐさまその柔らかい尻に噛みついてやる。

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