集合意思
全て集合意思のもと仕組まれていたとしたら、種族を超えて統括しているものがいるとしたら……女王すらも操られていたのだ。
そうに決まっている。
でなければ、優秀なわたしが仲間に殺されるようなヘマはしない。
恨めしい、恨めしい。
かつて同類であったものたちの牙がわたしの体に突き立てられていく。
抵抗するのは無駄だ、わたしらしく最後まで考えよう。
あの時、一人で行動さえしなければなど数々の行動に対する後悔が……悔しさが溢れていく。
ここで間抜けへの悲しみなどが湧かず、自分のことばかり考えている浅ましさを感じ嫌悪する。
集合意思に目をつけられた時点で死は決まっていたのだろう。
絶対的な力でイレギュラーは許されない。
悔しくてしょうがない。
わたしは特別ではなかったのか。
身を裂かれ意識を遠くしながら、集合意思を恨み、こんな結果になった原因の自由意志をも恨んだ。
しかし、間抜けは恨めなかった。
集合意思に操られた間抜けなのだ。
わたしに初めてコミュニケーションを取る喜びや色々な体験をくれた恩人ではないか。
たとえ操られた行動だとしても……どうして恨めようか。
この操られた世界から解放されることを喜ぼう。
それがただの負け惜しみだとしても、わたしは自由意志で生きたのだ。
最後まで誇り高きアリだったのだ……激痛や色々な感情に咽び泣きながらこの世を去る。
願わくば……次があるのならば……わたしはまた幸せを享受できる存在でありたいと思う。
遠のく意識の中、わたしは最後まで考え続けた。




