同志たち
目の前には見覚えのある奴らが迫ってきている。
見覚えがあるなんてものじゃない。
生まれた時からずっと顔を突き合わせてきた同類たちだ。
しかし奴らの顔を見た瞬間固まる。
奴らはわたしを同類とは思っていないことを悟る。
明らかにご飯に向けられるものと同じ目が向けられている。
わたしの足元にいる間抜けを見ているのではという希望的観測はすぐに頭から消した。
そんなわけがない、今までも見てきたではないか。
異物が排除されている光景を……
ふと嫌なことを考える。
いや、自分の中でとっくの昔に気づいていたことだったのかもしれない。
その事象について疑いを持った時、信じたくない一心で否定していたのではないか?
頭の中にずっと引っかかっていた。
それを無視していた。
それが確信に変わった時、自分にとって最悪なことでこれ以上そのことを考えたくなくても、考えずにはいられない。
そう、蝶は自由意志なんかでは動いていなかった。
あくまで集合意思の命令のもと、死に損ないの間抜けが操られ、わたしはそいつに誘導されたのだ。
集合意思のもと異常なものは排斥される。
これまでわたしも何度か見てきた。
見てきていたのにまさか異常なものを排斥するために集合意思が個別で命令し、操られるものまでいるとは思わなかった。
そこまで考え付かなかった。
確かに巣を出てから普段起こらないことばかり起こった。
自動で処理できるはずがなかなかボロを出さないわたしに、他の生き物を使い処理する手を取ったのでは?




