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危篤

こいつにとってわたしはどのような存在だったろう?


間抜けは出会った時から死に損ないであったが、わたしと共に行動したことを後悔していないだろうか?

わたしがいなければ他の蝶は近づいてきたのだろうか?

仲間と最後の別れをして弔ってもらえたのだろうか?


まあ、少なくとも今までそんな場面を見たことはないが……そんなことを考えてもしょうがないではないか、こいつが提案したことなのだから。

無駄なことは考えず死にかけている間抜けに意識を傾けてやる。


わたしは悪くはないと思う。

むしろ最善を尽くしたと思うが、慈悲はかけてやろう。


最後に体に触れてくれというので、体ごとのってやる。

どうやら体が冷えてきて怖くなってきたようだ。

死の足音が近づくのが聞こえているのだろう。


遠い目をしながら何もないところに向かって何かぶつぶつ呟いている。

こいつが死んだら全て食べて心身を共にしてやろう。

それがわたしなりの弔いだ。

決して空腹からではない。


これから共に旅をしていくのだ。

そして間抜けもわたしも見たことのない景色を一緒に見に行く。


ふと、思い出す。

最初は食い散らしてやろうと思っていた奴にこんなことを考えるとは思わなかった。

短い付き合いではあったがそれくらいの情は湧く。

意外と感傷に浸るたちなのかもしれない。

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