八話 骨骨骨。恐怖には物理で。
昔。幽霊には物理攻撃とか効かない、幽霊には触れないのに相手はこちらに干渉出来る、とか色々考えていたと思う。だから昔から怖かったし、今でも怖い。でもさ、殴れるから怖くないって…別にないよね?撃退出来るか分からないし、相手は死ぬかも分からない、もう死んでるんだから。
「で、俺らは何を見せられているんだと思う?」
「百物語なのかな?」
「それは見せられてるんじゃなくて、聞かされているって言うんだ!」
廃村の中の一軒に案内されて、家の中に座らされ、テーブル囲んで百物語をする。至って普通のどこにでもある展開ではある。問題は…。百物語を展開してくる側が、本物って事。
「いいだべか?その時おらの後ろで…(カタカタ)」
「ごくり…。」
「髪の長い骸骨が笑ったんだべ(カタカタ)」
「それは怖いよ(カタカタ)」「それは怖いだわな!(カタカタ)」
君たちってどっちかって言うと…幽霊側の立ち位置なのに、怖いの?!俺らの事をただ脅かそうとしているだけじゃなくて、全員漏れなく怖がるの?
「皆の中では髪の長い骸骨って怖いの?」
「そりゃ怖いべな?どこから髪の毛生えてるんだべ?(カタカタ)」
「誰だかも分からないだわな?(カタカタ)」
「そういう怖さじゃないだろ!!もっと得体の知れない物に対しての恐怖を感じる物じゃないのか?!」
「得体の知れない物だべ?頭皮が無いのに髪が直接…!!(カタカタ!!)」
「だわな?それが一番怖いだわな!(カタカタ!!)」
「私なんか首を落とされたはずなのに、何故か首が繋がってるの!(カタカタ)」
「う~ん…不可解で怖いべな!(カタカタ!!)」
「怖いと思うベクトルが違う!!!」
「じゃあどういうのが怖いんだべ?(カタカタ)」
「お前らが動いたり喋ったりしてるのが怖い!!存在そのものが怖い!!」
「そういう物だべ、慣れるのがいいべな?(カタカタ)」
「そうだわな?俺らなんか手が取れてもつながるだわな?(カタカタ)」
「私もそういうの怖いと思うわ~!(カタカタ)」
「ボンドなんじゃない?きっとボンドだよ!」
「やっぱりボンドは最強なんだべ?(カタカタ)」
「そうだわな?ボンドが有効なんだわな?(カタカタ)」
「木瓜!お前はボンドから離れろ!そして、きっとボンドじゃない!!魂があるの?!とかそういう所を怖がれ!!」
前回のボンドを引きずるな!木工用ボンドで骨をくっつける例なんて見た事無いだろう!!いや…人間の骨をボンドで接合とかしてたら狂気か…。いやいや、そういう事じゃなくて!!
「はい、次どうぞだべ?(カタカタ)」
「そうだわな?順当に行けばそちらだわな?(カタカタ)」
「そうよ?話してもらうわよ?(カタカタ)」
「そうなの?じゃあ僕が話そうかな?あれはね…ある寒い日の夜だった…。」
「おま、おま…!!!その話し方怖いからやめろ!!」
「肉まんを手に入れて、大事に抱えて帰っていたんだけどね?目の前から美しい姿をした女性が歩いて来るのが見えたんだ。」
怖い怖い怖い……!!!耳を塞げ…声を聞こうとするな。木瓜は虫だ…。ダメだ、日本人は虫の声を聞ける人達なんだった…。
「美しい女性に声を掛けられて、僕は嬉しくなって立ち止まったんだ。でもね?よく目を凝らして見て見ると…」
「ごくり…。」
「なんだか抜け殻になったみたいな男性陣がたくさん。怖くなって逃げたんだけど…あれはなんのどっきりだったんだろうね?」
「お前に起きた本当の話なのか?!」
「こ、これは?!(カタカタ)」
「こんな怖い人見た事無いだわな?!(カタカタ)」
「ええ…怖い話に無頓着…何も効かない!!!(カタカタ)」
「どこに怖がってるんだお前たちは!!!」
ポカリ。いい加減で落ちが付いたし、骨が落ちた。あぁ…なんだか悪い事をした気分だ。本当に成仏して欲しい。心から願ってる。
「ねぇ、平突?僕ってそんなに怖いのかな?」
「うん、別のベクトルで怖い。」
心配になるレベルの怖さ。別ベクトルの怖さ。なんていうんだろうな…あまりにもサイコパスチック。
「パンパカパーン!よくできました~!」
「何?!今度は何?!畳みかけてくるな!」
「私達の用意した試練をよくぞクリアした。」
「今度の試練も突破出来るかな?」
三位一体、最近どこかでも聞いたなぁ…。羽の生えた人間の姿をした人たち。きっと…待て?死者を用意するとか、やってるって事は…悪魔の可能性も?でも、あの純白の姿は…どっちだ?
「あ、両生類の人?」
「カエルじゃない!両性具有だ!!」
「私達はこの先で待ってるので!」
「ちゃんと辿り着くがよい!」
「誰が誰なんだよ?!」
「天使降臨…なんだか響きが格好いいね!」
うん、格好いいかもね。きっと祈りが届かなかった世界腺の天使なんだろうな。




