六話 どうやって倒す?神に対する突込みって何?
儂爺さんと戯れていた頃が懐かしい。あぁ…目の前で何を見せられているんだろうか。オシリス神をめった刺しにしているセト神。ネフティス神は茫然とその状況を見ている。遡って考えるまでも無く、普通に木瓜が原因だ。
「木瓜、この状況どうやって切り抜けるつもりだ?」
「僕はいつも通りやっただけだよ?」
「んな訳あるか!!いつもはボケを重ねるだけだっただろ?」
「ん~…そうなのかな?なんだか、感情移入しちゃったのかな?」
「本当に…。」
「平突が頭抱えてるなんて初めて見た!」
「お前の所為だわ!」
だってあんなに怒り狂った殺神見たの初めてなんだもん。どう…すんの。でも…なんで血が出てないんだ?
「ありがとうございました~!」「ありがとうございました~!」「ありがとうございました~!」
「?!なんで急にお礼しだしたんだ…?」
「どうだ?私達の余興は?」
「オシリス兄上、完璧だったのではないですか?」
「ええ、オシリス兄さま!セト様、完璧でしたよ!」
「……?!」
よ、余興?!何それ、聞いてない。というか、これをどこでやれば受ける?教えてくれ…。
「え?何で死んでないの?!凄い!」
「お前は喜んでくれるのか?!実はな…これは私が発見した飛び出しナイフというやつだ!」
「あ、あのおもちゃの?」
「そうだ、これを見て"これだ!"と閃いたのだ!今度の宴会で見せる物が無くて困っていてな?」
「宴会でこれ見せるのか…。」
「昔の事を思い出したのだ。まだ私がヤンチャだったころの話をな。」
そういえば…。戦争起こしたり、兄を殺したり、なんだかすごい神だった気がするなぁ…。こんなにもどっと疲れた劇を見たのは初めてかもしれない。気苦労って感じ。
「で…身の上話を聞かされて、どう戦えと…?」
「感想はどうだ?面白かったか?」
「面白いというか…重たいですよ…。ネタにちゃんと昇華出来たんですか?」
「そうか…これでは受けないだろうか?神の中では割と鉄板ネタではあるのだが…。」
神様ってこういうネタ好きなの?まぁ…神話って色々あるしなぁ。うん、俺がなんで悩んでいるのか全く分からないけど、こんなので悩んでいるのも凄く癪だってのは分かった。
「あ!ピラミッド、実は宇宙人が作った説とかどう?」
「あ!じゃない!都市伝説って笑えない話が多いだろうが!」
「ならば、私達が宇宙人!という説をどうにか推し進められないだろうか?」
なぁ…誰かこの場を終わらせてくれ~…。収集つかないだろう、これ。そもそも、神様本人から聞きたくない話第一位だろ。ワレワレハカミサマダ。うん、不可解。
「ねぇねぇ!神様は四天王なの?」
「そうだな~…私達は三位一体だからどこに所属しているのだろうな?」
「オシリス兄上!きっと我々は四天王より上の魔王なのですよ!」
「そうなのだろうか?私達が魔王なのか?」
「オシリスお兄様そうかもしれません!」
「魔王を形だけで名乗るのはやめてもらえません?!"様"を付けていたじゃないですか!」
もう…やってられん。ずっとここに居座り続けられるのも…流石にしんどい。何か…何か打てないか?
「そうだ!平突と昔、漫才をしたんだけど」
「む?面白そうな話だな?」
「平突は緊張しすぎてカミカミで…。」
「そうか、それは駄目かもしれないな!ははは!」
ははは、じゃない!!人の恥ずかしい過去の話を聞いて…駄目駄目だと?!ただでさえ、設定ガバガバな癖に後付けで何でもかんでも出してきやがって!終いには、人にダメだしか?!そもそも、お前たちもなんだかんだ、ボケて来ないじゃないか!!
「日本、好きでござる!」
「なんだ急に?!取って付けた様なボケをするな!!」
「うぐ…この私がやられるなんて…。」
「オシリス兄さま!オノレコゾウ!ワレワレガアイテダ!」
「宇宙人設定を畳みかけるな!!」
「ぐわぁ…。」
「はぁ…オシリスお兄さま!」
「セト神も心配してやれ!!浮気相手ばかり心配するな!!」
「はぁ…一番気にしている所を…。」
ポカリ。神様を殴るってのは抵抗があったけど、これはこれで良いのかもしれない。いい経験になった気がする。もし…今後も神様が出てくる様なら、俺も心してかからないといけないかもな。
「ねぇ、平突」
「なんだよ?お前も殴るか?」
「怒らないでよ!神様って何だったんだろうね?」
「さぁ?俺に聞かれても分からないだろ」
「なんだか、気のいい神様だった気がするよね」
「冥界の王なのにな」
「どんよりしていないまさに…"明快"って感じだね!」
「木瓜、黙れ。」
あの急な劇に木瓜がボケを重ねたのは、もしかして、昔の俺の事を考えてだったのだろうか?今更考えてもどうにもならないけれど。というか、あの神様…結局なんだったの?四天王だったの?




