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リドル・ハザード フラグを折ったら、もっと大変な事になりました(悪役が)。  作者: sirosugi
RCD5 2024 10月

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93/104

93 RCD5は文明が崩壊したアメリカが舞台だ。

 ランバース精神病院の正体なお話です。

 RCD5は崩壊したアメリカが舞台だ。

 前作RCD4のラストでパリのエッフェル塔までウッディ・リドルを追い込んだラルフ達主人公チームは、彼を倒すことはできたけど、リドルの拡散を防ぐことはできず、世界中でリドルモンスターや狂暴化した暴徒が溢れ、多くの都市がインフラの維持もできず孤立化してしまった。

 文明の崩壊。一部の安全な地域はフェンスと壁によって隔離され、中の人々はリドルの気配におびえ、取り残された人々は廃墟化した世界で、必死のサバイバル生活を強いられた。

 このサバイバル要素が妙にリアルだった。RCD4では特殊部隊ということで銃弾などの装備が充実していてトリガーハッピーなゲームとなってしまった結果、賛否両論な評価だったことを受け、空腹度や渇き度などのステータスが充実されてよりシビアなステータス管理が求められ、文明が崩壊しているので、武器や物資は現地調達からの自給自足だ。廃材から武器をクラフトをして狩りをする。生水は危ないので煮沸して飲まないといけないし、定期的に休息をしないとストレスで動きが遅くなるので、拠点を作って安全を確保する必要がある。一方でどこぞのサンドボックスゲームもびっくりなくらい建築の自由度が高く。リドル建築部なんて集団もいたし、有志によるMODによってオンラインプレイまで可能となった。

 そんな感じに週末世界のサバイバルゲームになっていたけれど、ちゃんとストーリーも存在した。


 世界の崩壊を防ぐことができす、VRからも離脱した主人公ラルフは、崩壊したアメリカでサバイバル生活をして日々を過ごしていた。そんな中、立ち寄った集落で、リドルを治療する治療薬の噂を聞き、藁にも縋る思いでその噂を追って、とある場所を目指す。

 

 もう、お気づきだろう。


 その場所こそが、ランバース精神病院なのだ。

 精神病院でウイルスの治療薬?と首を傾げる人もいるだろう。しかし、患者を隔離しておくためのフェンスや塀のおかげで陸の孤島となっていた病院は災禍を逃れたうえ、鎮静剤などの医療物資のほか、良心の痛まない被験体も豊富であったため、研究が進んだそうだ。

 手記によると、もともとは善良で勤務に実直な医師であった職員たちが、世界中で起こる災禍で心を病み、入院患者たちを実験台にして、欲望の赴くままに新薬の開発を始めた。その過程で偶然、暴徒化を鎮静させたり、リドルモンスターを駆除する治療薬を生み出したというシナリオらしい。リドルの影響で魔境とかした廃病院の攻略難度は非常に高かったが、それを超えて最奥にたどり着くと、ED。主人公ラルフによって治療薬が発見され、世界はリドルの脅威から解放される。

 ネットで調べてもロクな情報が手に入らなったし、RCD3関連の情報を優先していたのですっかり忘れていた。まさかここにきて、その名前が出てくるとは思ってもいなかった。

 でもまあ、落ち着こう。

 ランバース精神病院の医師たちが闇落ちする一番の原因である世界崩壊は起こりそうにない。


 そんなことを思っているうちに、大人たちの話し合いは終わり。リーフさんには本人が疑問にもつまでは黙っておくということで話が決まった。日も沈みかけており、その場はお開きとなり僕はラルフさんの車で送られることになった。

「で、ホーリー、ランバース精神病院には何かあるのかい?」

 車を走らせながらラルフさんは僕にそう尋ねてきた。

「ええっと。」

「大丈夫、内緒にするし、僕は気にしない。」

 車を走らせながら、そういうラルフさんの顔は真剣なもので、どこか確かな意思を感じた。

「君の記憶、もといリドルに関わる話は、レイモンドたちには話していない。なにか思うことはあるみたいだけど、今のところ疑惑の目は僕に向いている。」

「それって?」

「僕やリーフがリドルについて、君に話したんじゃないか?レイモンドはそれを疑っていた。子どもを巻き込むつもりかって怒られたよ。」

 なるほど、叔父さんがどこか変だったのは僕を守るためと、かまかけだったのか。

「とりあえずは、君がウッディ・リドルに興味を持っていた程度で納得しているからそっちは心配しなくてもいい。けど、君、ランバース精神病院の名前を聞いているとき、何か考えていたんじゃないかい?」

 図星だ。そんなに分かりやすかったかな?

「そう思って見ていたから気づけただけだよ。僕もランバース精神病院には何かあるんじゃないか、そう疑っていたからね。リドルはどこにでもいる、油断はしないよ。」

 言葉と共に車が加速する。まるでラルフさんの覚悟をあらわしているかのようだけど、コレはまずい。このままだと、ラルフさんが暴走しそうな気がする。

「落ち着いてください。現時点で僕の知る歴史と今はかなり違っています。」

「そうなのか?」

「はい。少なくともこの街でリドル災害は起きません。」

「・・・それはなんとなくわかる。」

 ラルフさんには、RCD1の出来事を知っていることとRCD3の大まかな流れを話しただけだ。その後、ウッディ・リドルが逮捕され、リーフさんが保護された。その時の僕の行動やその後の落ち着き具合を見て、ラルフさんが、そういう推論に至るのは分かる。

「君が殺されるだっけ、その展開はもうないの?」

「はい、ウッディ・リドルが引き起こす惨劇は、回避されました。」

「そうか。」

 もっと詳しく話すべきだろうか。けれどリーフさんがラスボスとなることが知られて、リーフさんとラルフさんの関係に亀裂がはいってしまうのも怖い。


 そうか、怖いのか。


 ラルフさんやレイモンド叔父さんに相談して、ウッディ・リドルや、ミューランド大学について詳しくしることは可能だ。けれどそれによって自分の正気を疑われたり、彼らが深入りしてしまうことが怖いのだ。

「大丈夫、僕は変わらないよ。仮にリーフが原因だと言うなら、彼女も含めて守るから。」

「・・・ラルフさん。」

 赤信号で止まったところで、ラルフさんがこちらを見た。その顔は、ゲームでみた冷酷で機械のようなラルフ・アルフレッドではなかった、そして、RCD4のラストで仲間を信じて世界を守ると誓った決意のラルフ・アルフレッドでもない。

「あの子はもう僕の家族が。たとえ、害悪であっても守るよ。」

「ああ、それはないから安心してください。そうなる前に彼女は保護されましたから。」

「あれ、そうなの?」

 拍子抜けな展開に目を丸くる顔が面白くて、僕は笑ってしまった。

 うん、そうだ。リーフさんだって、ラルフさんだって「俺」の知る人達とは違うのだ。

「ええっと、話させてもらうんですけど。」

 気づくと僕は素直に、RCD3の概要と、その後に起こるRCD4の世界、そしてRCD5で世界を救う治療薬がランバース精神病院で開発されることを話していた。

「なるほど、リドルの治療薬か、それはまた気になるものではあるね。」

「引き換えに世界規模の大災害が起こってますから、世界は悲惨ですけどねー。」

「まるでタイムトラベルだ。」

 タイムトラベル?

「過去に戻って、行動を変えた。そうすることが今が変わり、未来が未知になる。君は、死ぬ運命を変えた結果、君の記憶にある情報の価値を無くしてしまったんだ。まるでタイムトラベル映画じゃないか。」

 たしかにそうかもしれない。「俺」の記憶はゲームに由来するものだ。そして、この世界(?)はゲームと同じもの。そう信じられるぐらい共通点が多すぎる。だからこそ、数年後の災禍を避けるために、僕は「俺」の記憶を頼りに行動を起こした。

 これは過去に戻って歴史を変えるタイムトラベルなお話だと思われても不思議ではない。

「それだと、死後の情報まで知っているというのはオカシイですよね。」

「うーん、それは君を知る誰かが未来からメッセージを送ったとか?日本の漫画だったと思うけど、携帯電話で過去に記憶を送るって話があったよ。」

「なんだか、信じがたいですね。」

「でも、君は信じているんだろ。」

「・・・はい。」

 それもそうか。「僕」は「俺」の記憶を疑っていない。しかし、その根拠を問われたら答えられない。頭を打ったショックで記憶がよみがえったと思っていたけど、あのタイミングで誰かが僕に「俺」の記憶を埋め込んだ。

 だとしたら誰が?何のために?

 「僕」は本当に「俺」だったんだろうか?

「はい、そこまで。深くは考えない。今が幸せで平和なら、それでいいじゃないか。」

 自問していたら、家についていた。

「まあ、そういう後味の悪さは付き合っていくしかないよ。1度だけの僕ですら、何年経っても、未だにリドルの気配を感じたり、関連付けて悪い方に考えてしまったりするんだから。」

 きっとラルフさんは励ましてくれた。

「君の勇気でリーフは救われた。そうだろう?」

「だと思いたいです。」

 何度も言うが、ラルフさんは真相を知らない。知っているのはウッディ・リドルが「リドル」で災禍を引き起こそうとしていたという事実だ。

「僕たちは、勝ったんだ。ウッディ・リドルは帰ってこない。立ち直れない。なら、僕たちができることはリーフを守ること。それでいいじゃないか。」

 その通りだろう。

 最初は、ぼくの平穏を守るためだった。けど、リーフさんを守りたいという気持ちだって本物だ。

 それなら、ぼくがすべきことはウッディ・リドルのことを深く追求せず、このまま秘密にしておくこと。そう思ことにしたら、随分と楽になった。

「ランバース精神病院のことはリーフには黙っておこう。」

「そうですね。」

 その結論に至り、僕はランバース精神病院やウッディ・リドルについて調べたり考えることを今度こそやめようと決意した。


 数か月後、2025年2月

「おはよう、ホーリー。」

「おはよう、いい天気だね。」

 僕は今日も彼女とともに登校している。

 

 

 

 さんざん引っ張って何も起こらない?まさかそんなわけないですよ。

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