表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
リドル・ハザード フラグを折ったら、もっと大変な事になりました(悪役が)。  作者: sirosugi
RCD4 2024 3月

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
57/104

57 俺の記憶の誘惑は侮れない。

 ゲームの設定なお話。短めです。

 俺の記憶の誘惑は侮れない。ただの遊園地が宝の山に見えてしまう。

「あっあそこの花壇。」

「・・・どうしたの?」

「いや、配置が面白いなって。」

 あの花壇、花の色に従って時計回りにパネルをタッチすれば隠し通路の扉が開いたはず。

「バウ。」

「あの売店は、アシストンバレー限定のハルマキサンドだね。せっかくだし買ってみるかい?」

「バウバウ」

 ハルマキサンドの屋台は出入り口はない。屋台や各店舗は店内のハッチから地下通路でつながっており、商品やスタッフ、ゴミなどの入れ替えはすべてバックヤードで行われる。世界最大の夢の国にも負けない徹底ぷりだ。ゲームでは一部だけど、地下通路を通ることもできた。

 遊園地ならではのギミックとしては、ジェットコースターの中に落ちている鍵を入手しようとしたら、ジェットコースターが発車され、落ちないようにQTEのラッシュが発生したり、お化け屋敷では、お化けに混ざって、テロリストや生物兵器が襲い掛かってきたりした。変装という名目で、遊園地のマスコットキャラやスタッフに扮していたので、プレイヤーのいきなり襲われた感がすごかった。

 お化け屋敷でスタッフさんが急に苦しみだす演技をしたときは、マジびびりしたよ。


 RCD4のアシストンバレーステージは、遊園地に逃げ込んだテロリストたちがまき散らしたデミリドルと言われるウイルスによって、客やスタッフ合わせて4444人が遊園地内に隔離されてしまう。ワクチンを入手して、彼らの解放をすることと、テロリストの捕縛が主人公たちの任務となる。

 リミッターの外れた危険なアトラクションと暴徒と化した客とテロリストたちが放った生物兵器と、息つく暇もないステージはシリーズ屈指の人気ステージと同時に鬱な展開で有名だった。

 デミリドル、このウイルスがまた厄介だった。リドルのように生き物を化け物に変えることはないが、短時間で、人の思考力を奪い、親株の感染者の誘導に従う人形に変えてしまう劣化ウイルスはウッディリドルが量産し、RCD4で世界各地のテロリストや組織にばら撒いたものだ。

 感染すると脳の働きが鈍化し、感染者の不安を煽り、正常な判断力を徐々に失っていく。その過程で。親株や周囲の情報から行動基準をインプットされ、それが正しいものだと思い込むようになる。やがて、症状が進むとインプットされた目的を果たすためだけの人形となってしまうそんなウイルスだ。初期症状までなら、親株ウイルスのキャリアーの血液を入手し、分析することで治療用のワクチンを作ることができるが、助かった人間はわずかだった。

 多くの人間は、ウイルスとテロリストたちの誘導に騙され、主人公たちこそがテロリストだと思い込み、逃げ惑い、ときに反撃する暴徒となり行く手を阻む。

 ぶっちゃけゾンビと区別がつかないくらい狂暴だった。

 初期段階なら治療が可能だったことも含めて、後になって知るというの展開はえげつない。これぞRCDと言わしめる救いのない展開だった。

「・・・ホーリー?」

「あっ、ごめん、ちょっと変な想像してた。」

「・・・意外と怖がりなんだ。」

「ち、違うからね。」

 そんなことを考えていたリーフさんに心配されてしまった。

「疲れたなら、一度ホテルに戻るかい?もうチェックインはできるはずだよ。」

「いやいや、もったいないですよ。この時間が一番遊べるんですから。」

 宿泊する人達が一時的にホテルに引き上げるこの時間は、満喫するチャンスだ。僕は事前の計画を思い出し、案内図を指さしてリーフさんに訪ねた。

「リーフさん、次はショーがいい、それともコースターにする?」

 一部違うとはいえ、この遊園地の構造は理解している。エスコートは任せてほしい。

「・・・コースター、あとこのボートのやつも乗ってみたい。」

「だったら、先にボートに行こう。今日は天気もいいからすぐ乾くけど限定のポンチョを買ってもいいかも。」

「・・・うん。」 

 ボートというよりも、限定デザインのポンチョがお目当てなことはちゃんと気づいていた。ペット向けのものもあるので、エメルとお揃いにしたいと準備の時に言っていたしね。

「じゃあ、こっちから回って、まずは売店に行こう。」

「バウ。」

 地図でざっくりとルートを説明して、先導して歩き出す。ゲームで何度も駆け抜けたので、最適なルートは覚えている。すでに何度も証明した結果、みんなも僕の誘導を疑わない。

「・・・エメルの分も買う。」

 ニコニコとゴキゲンなリーフさんも横並び、気づけば駆け足になっていた。お行儀が悪いかなっとも思うけど。遊園地はこうでないと。


「ホーリー君、なかなかの紳士ですね。」

「ええ、少し無茶かと思ったけど、なんだかんだコースも最適だ。」

「さすがは俺の甥っ子だ。」

 なんか大人たちが色々言っているけど聞こえないフリ。今日はリーフさんをたくさん楽しませる。そのためなら、「俺」の記憶だってなんだって活用するんだ。


 それでもね。


 色々思いつつも、平和な遊園地を歩いているとデバックモードのステージを見学しているようでワクワクする。オブジェクトに隠された仕掛けを試したいという誘惑がすごい。

 図書館のときのような藪蛇になったらどうする?

 今回は、さすがにネットは言い訳にできない。

 普通に遊園地を楽しむんだと、僕は自分に言い聞かせ続けた。


 夢の国の裏側ってほんとすごいらしいですねー。

 ホーリー君は最後まで我慢できるのか・・・。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ