表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/30

3☆忠犬リョウマ☆

☆リョウマ陥落後、ある日の天界城☆



菫「リョウマ様、失礼致します。お部屋の掃除に参りました」


リョウマ「ああ、ありがとう。入れ」


菫「ありがとう!?」


リョウマ「は? 菫? 今日の担当はお前か。なぜそんなに驚く?」


菫「あ、あのリョウマ様が女中にお礼を……言って下さいましたね」


リョウマ「感動したように目を潤ませるな!」


菫「立派になって……」


リョウマ「母親か!」


菫「だって……権力至上主義で貴族以下の身分には虫けらのように扱っていたあのリョウマ様が……」


リョウマ「お前……根に持つタイプか……」


菫「わたしだと気付かないときに、お礼を言ってたから、感動しちゃった」


リョウマ「……お前を見ていたら権力をかさに偉ぶっていたのがバカバカしくなっただけだ」


菫「リョウマ様……」


リョウマ「わかったら早く扉を閉めろ。誰かに聞かれたらどうする」


菫「そうですね、では失礼致します」


リョウマ「ああ」


菫「わ、リョウマ様のお部屋綺麗! これは鉱石ですか?」


リョウマ「ああ、趣味で集めている」


菫「本も沢山ある……わっ、こちらは人界の貴重な本ですね! すごい……良く集められましたね……」


リョウマ「……本が好きなのですか?」


菫「それはもう」


リョウマ「良かったら貸して差し上げますよ。今紅茶を淹れます、座って下さい」


菫「そういうわけには参りません。他の女中の皆さんも働いておりますから」


リョウマ「ふっ。倭国王女が使用人の真似事なんて、俺以外が知ったらどうなるだろうな。とにかく座れ」


菫「わっ。急にお姫様抱っこしないで下さい」


リョウマ「……」


菫「リョウマ様?」


リョウマ「少しだけこのままでいても良いですか」


菫「どういうこと? 抱っこされたまま? 重くないですか?」


リョウマ「重くない……」


菫「リョウマ様、奥様のいる身でダメですよ」


リョウマ「3年くらい暮らしているが一度も妻に触れたことはない。拒否される」


菫(うっ、それはつらい……)


菫「じゃあ、自分の気持ちを伝えてみたらどうでしょうか。あなたを抱きたいと」


リョウマ「あなたを抱きたい」


菫「いえいえ、わたしじゃなくてね」


リョウマ「あなたがいい……」


菫「うーん、狂犬だったのが子犬みたいになっちゃった……」


リョウマ「また、頭をなでて下さい」


菫(寂しいのかな……)


菫「……では、おろして下さいますか?」


リョウマ「かしこまりました。菫様の仰せのままに」


菫「ありがとうリョウマ様。少し頭を下げてくださる? よしよし、いい子いい子」


リョウマ「好きです、菫様」


菫「うん、ありがとう……でも道ならぬ恋はイヤなの。身ぎれいにしてから出直して」


リョウマ「身ぎれいにしたら俺を好きになってくれますか?」


菫「ふふ、仁王立ちしながらそんなこと言うなんて、ギャップありすぎるでしょ」


リョウマ「あなたしかもう目に入らない。二度と紫苑の塔にもいかない。菫様に忠誠を誓う」


菫「ありがとう……でもあなたは天界国赤騎士団長という立派な立場がありますね。責任ある立場である以上、部下や仲間を裏切ったらだめですよ。倭国のためには動かないでね」


リョウマ「くくっ。菫様がそういう人だから俺も惹かれた。権力のためではない」


菫「うん、わかります。大丈夫ですよ」


リョウマ「菫様みたいな王族を見たの、初めてなんです」


菫「え……?」


リョウマ「天界国の王族は、騎士団を駒のように使う」


菫「騎士団の皆さんも大変ですね」


リョウマ「俺たちを気遣ってくれる王族なんか天界国にはいない。だったら俺に政略結婚なんかさせないはずだ」


菫「リョウマ様も政略結婚なの?」


リョウマ「は? リョウマ様も、とは?」


菫「あ……わたしも将来的には政略結婚する予定ですから。父が……吸血王が候補を絞っていたと聞きました」


リョウマ「そうでしたか……まあ権力があればあるほど政略結婚の確率は高くなるかもな」


菫「うん」


リョウマ「……菫様? 急に頭をなでて、どうしました……?」


菫「ううん。リョウマ様の髪、柔らかいなって思って」


リョウマ「菫様……嬉しいですがそんなにベタベタ触られたら……さすがに俺も我慢できなくなりそうです」


菫「ああ……そうだよね、ごめん」


リョウマ「襲いますよ……」


菫「あら、やってみて下さい。あなたはどうせ出来ないでしょ」


リョウマ「は? 決めつけるのは危険だぞ、王女様?」


菫「そう。わたし、王女。あなた、貴族」


リョウマ「くっ……また俺をバカにして……」


菫「あ、またやっちゃいました? そんなつもりないんですけど、気を付けます」


リョウマ「まあ当たってるからな……俺は権力に弱いから」


菫「えっ、自覚してたの? 嘘でしょ?」


リョウマ「くっ……ところどころ生意気だな……本当に襲ってやろうか」


菫「忠誠を誓うって言ってたじゃないですか」


リョウマ「そうだが、たまにイラッとくるぞ」


菫「……ふふ、狂犬リョウマも可愛い」


リョウマ「は? 男が可愛いなどと言われて、嬉しいとでも思っているのか?」


菫「お手」


リョウマ「…………わん」


☆終わり☆

お互い異性をあしらうのが得意な2人なので、好意を向けられてもどこか斜に構えてしまう癖があります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ