2☆コウキとルージュ☆
コウキ「菫! リョウマから聞いたよ、昨日ホテルに泊まったんだって?」
菫「コウキ様、おはようございます。そうなんです、リョウマ様がホテルの一室を取ってくださって……」
コウキ「な、何もされなかった? リョウマのやつ、菫にひどいことばかりするから……」
菫「予約して下さったあと、すぐにご実家に帰られました。色々今後の話し合いがあるからって」
コウキ「ああ……双頭院が逮捕されたらしいね。汚職事件で」
菫「はい、裏帳簿と金塊が見つかったそうですよ」
コウキ「あ……そうなんだ」
菫「ん?」
コウキ「あ、ううん……俺は昨日、うちに菫がきたときのために家の掃除をしてたから、オークションでの騒動知らないんだよね」
菫(わたしが行っても良いように掃除して下さってたのか……)
菫「すみません。せっかくお掃除して下さったのに……」
コウキ「あっ、変な意味にとらないで! しばらく実家に帰ってなかったし、掃除ができて良かったんだよ。大切な宝物も出てきたしね」
菫「掃除あるあるですね」
コウキ「あはは、そうだよね。掃除しながら思い出に浸ったりね」
菫「なんの宝物が出てきたんですか?」
コウキ「あ、えっと……菫にはちょっと言えないかな! 秘密ってことで!」
菫「……なんで真っ赤になってるの?」
コウキ「あ……こっち見ないで」
菫(可愛い……どうしよう、ウズウズしてきた……)
コウキ「……菫、なんか目が輝いてるんだけど、まさかドS心発動していないだろうな?」
菫「えっ」
コウキ「ほらな! 俺、君のそういうのわかるんだよ。今なにを考えてるか、どういう思考なのか。見たらすぐわかる」
菫「わたし結構わかりづらい方と言われるんですけど、コウキ様はわかるの?」
コウキ「なんでもわかるよ、君のことなら。サディストなところも、優しいところも」
菫「そうなの?」
コウキ「そうなの」
ルージュ「おーっほっほ! 朝からお盛んだこと!」
コウキ「ルージュ……? お前こんな朝方に何してるんだよ?」
ルージュ「学生時代の友人と朝までパーティーよ! コウキも誘われたのに来なかったじゃない」
コウキ「え……今まで夜通し遊んでたのか?」
ルージュ「そうよ。コウキだって、1番街の高級ホテル前でこんな下女と話し込んで、昨日は夜通し遊んでたんじゃない」
コウキ「えっ! ち、違うよ。俺は菫を迎えに来ただけで、菫はここに1人で泊まったんだよ」
ルージュ「嘘。お兄様は昨晩家族会議していたのよ。お兄様じゃないなら、この下女を夜伽させたのはあなたじゃない、コウキ!」
コウキ「ち、違う、俺は今ここに菫を迎えにきたんだよ。な、菫?」
菫「ふふ、何焦ってるんですか?」
コウキ「ちょっと、なに腕組んでるの……!」
菫「仲良しですもんね、わたしたち」
コウキ「誤解されるようなこと言うなよ! 俺が夜伽させたみたいじゃん!」
菫「てへへ」
ルージュ「きーっ! その笑い方、ムカつくのよ!」
菫(機嫌悪いな……)
ルージュ「見境ないわね、コウキ。まあ欲望を吐き出すには、下女が丁度良いわよね、乱暴にしてもいいんだから」
コウキ「やめろよルージュ、そんなこと言うな。世の魔人はすべからく大切にされるべきだ」
ルージュ「紫苑の塔に通っているあなたが言っても、説得力ないのよ」
菫(ルージュ様って、コウキ様のこと好きなのかな……)
コウキ「大きい声出すなよ……ルージュ、こんなところで話してたら、目立つだろ。俺は今から菫と朝食を食べに行くから、もう家に帰りな。送るからさ」
ルージュ「ふーん、私は邪魔なわけね」
コウキ「ち、違うよ。そういうわけじゃなくてな、ルージュ」
菫「では、ルージュ様も朝食ご一緒しませんか?」
コウキ(えっ、いいの?)
ルージュ「はあ? 私のような上院貴族と、あんたみたいな貧乏人が一緒のテーブルにつけると思ってるの? 思い上がりもいいところね」
菫「すみません」
コウキ(よわっ! 諦め早いな!)
ルージュ「だいたいね、コウキやお兄様の夜伽なんて、贅沢なんだからね。あんたみたいな下女は、底辺の男がお似合いなのに」
菫「ああ……そうかもしれませんね。コウキ様、とっても優しいし、紳士だもん。わたしには贅沢ですよね」
コウキ「ちょっと! 言い方気をつけようか! それじゃ俺が昨夜菫を抱いたみたいじゃん!」
菫「ふふ」
ルージュ「コウキ、下女なんて良く抱けるわね。貴族なんだから貴族女性を抱きなさいよ」
菫「……それ、お兄様にも言わないと……」
ルージュ「なんですって!?」
菫「きゃっ! つい言葉に出しちゃった……」
コウキ(わざとだな……)
ルージュ「お兄様は貴族女性を傷付けないように、どうでも良い下女や娼婦を抱くの! 貴族女性には優しいんだからね!」
菫「ああ……そうよね。リョウマ様、とっても優しいですもんね」
ルージュ「は!? あんたみたいな貧乏人には、厳しいわよ!」
菫「そう? すごく甘いですよ。リョウマ様の触り方、ゾクゾクしちゃった。2人きりのときは、あの人変わるわよ」
ルージュ「な、な……」
菫「身内には見せない一面かもしれませんね。リョウマ様、色っぽい声出すのよね」
ルージュ「きいーっ!」
コウキ「はいはい、菫もルージュも、もう終わり!」
ルージュ「黙ってよコウキ! この下女、なんとかしないと気がすまないっ」
コウキ「菫……煽るなよルージュを……」
菫「ふふ、ごめんね」
コウキ(菫の大好物だろうな、ルージュみたいなタイプ……)
☆終わり☆
ルージュはわりと移り気です。
コウキ→御雷槌→ワタルの順に好きな人が移り変わっています。




