表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
双眸の涙  作者: リグニン
8/10

読み切り 徳点稼ぎ

今週の双眸の涙はお休みです。なので読み切り小説を載せます。

人を恨んではいけない。それが両親の口癖だった。どんなに辛くてもどんなに悲しくても、やり返せば負の連鎖は続くのだ。僕はその言いつけを守りながら今日も生きている。いつも笑顔でいれば何とかなる。そう言う物なのだ。


「お米借りて行くね」


そう言って唐突に現れた最近買ったばかりの米袋を担ぐ人。近所の人だ。いつも遊びで金を浪費してはこうして僕の所に物を借りに来る。もちろん返してもらった事はない。


「もう、金銭管理はしっかりしてくださいって言ってるじゃないですかー」


「これでも財布の紐は縛ってるんですけどねー」


昨日は久しぶりにお米を食べられた。それだけで幸せだ。今日からまた当分は山菜を採りに行く事になるが食べ物がある事は幸せだ。今日も仕事がある。そろそろお腹が減ったので山菜を料理しよう。そう思って玄関に出ると近所の子供達がいた。


「ちぇっ、しけてんな。何もないし先を越された」


「おはよう、僕達。何かご用かな?」


「いやおめーには用がないんだがな。まあいいや。これ持ってくよ」


そう言うと子供達は置いてた山菜を持ち去って行った。あはは、子供は元気だなぁ。仕方がない。今からでも山菜を採りに行こう。山の恵みはとても素晴らしい。人間でも動物でも公平に食べ物を分け与えてくれる。僕はそのおかげで生きているのだ。感謝感謝。


そうだな、そう言えばそろそろあの高級なきのこが生えているかもしれない。あれを採って金にすれば服は買えるかもしれない。この服もそろそろボロボロだし買い替えたかった。いつも人前に出て恥ずかしくない程度であれば何でもいいと思っているけど、そろそろどこかしこに穴が空いているし恥ずかしい。


山に向かうと先客がいた。


「げっ、誰か来るぞ」


「…なんだ、アン太じゃないか」


「やあ。きのこ狩り?」


「お前には関係ねーよ」


「ここ一応僕の土地なんだけど…」


「うるせーな、山の恵みは誰にでも公平に与えられんだよ。お前が言った事じゃねーか」


「うん…そうだね」


高級きのこは全て狩られてしまった。これで服を買うのはまた当分先になりそうだ。とほほ。いや、いいんだこれで。あのきのこを売れば彼らはお金が出来て幸せになる。彼らが幸せになれば僕も幸せ。親も他人の幸せを喜べる立派な人間になりなさいと言っていた。僕は今彼らの幸せを喜んであげられるよ。


木の実を探し回っていると熊に出会った。


「ひいっ」


「…骨と皮しかねえじゃん…」


「ぼぼ、僕を食べても美味しくないですよ…」


「知ってる。あ、僕この辺に住むからこの辺の木の実は採らないでね」


「う、うん…」


山の恵みは誰にでも公平で独占してはならない。これまで僕はこの山の恩恵に肖って生きて来た。だから今度は熊がこの恩恵に肖る番なのだ。だから去るべきなのは僕の方なのだ。そうに違いない。


お腹が空いた。何か食べなければとても仕事なんてできそうにない。困り果てていると向こう側から刀を持った山賊が歩いて来た。山賊は目の前で止まると足の指先から髪の先までじーっと見る。


「何も盗むもんがねえ…」


「全部与えてしまいましたから」


「馬鹿じゃん」


「あはは…」


結局今日は何も食べずに仕事をする事になった。でも水が飲めた。水が美味しい。水が飲めるって幸せだ。一日仕事をしてクタクタになると僕は家に向かって歩き出した。ああ…歩く人間がお肉に見える。お肉が歩いてる。えへへ。


もう駄目だ。お腹が空いて仕方がない。畑だ、畑に寄ろう。確かそろそろ野菜が実っているはずだ。何でもいいからお腹にい何か入れたい。


畑に到着すると近所の人が野菜を採っていた。


「おお、おかえり」


「ただいまです。あの、僕の分残してくれませんか?」


「あー。ごめん。うちの父ちゃんが病で倒れちゃって」


「あなたのお父さんこの間死んだから葬儀代を借りたんじゃありませんでしたっけ…」


「ああそうだった。じゃあ母ちゃん」


「あなたのお母さん、ついさっき会いましたけど元気そうでしたよ」


「まあ何だっていいじゃないか」


「はあ…」


結局1つ残らず何もかも毟られていった。お腹空いた…。


家に帰ると知らない人達がいた。確か隣の村の親に結婚を反対されている恋人達だ。


「ああごめん、ちょっと隣の村から逃げて来てさ。今日だけ匿ってくれない?」


「こんなに近くにいたらバレない?」


「大丈夫大丈夫!そんな事よりここ借りるんだけど、ほら、俺ら恋人同士だからで過ごしたいじゃん。今晩は余所に行っててくれる?」


「うん…いいけど…」





我が家には泊まれない。山は熊がいるから山にもいけない。余所で寝ろと言われても一体どこで寝ればいいんだろう。近所の家を訪ねて頼み込んでみたが貧乏が移るから、臭いからと言って断られてしまった。まあ他人様に迷惑なんかかけちゃ駄目だよね。


ああ…もう駄目だ。僕はその辺の地面に寝転がる。もう歩く気力も立つ気力もないや。もうここで眠ってしまおう。大地はいい。僕を拒んだりしない。


『そーでもねぇーぞ!』


大地に拒まれた。辛い。この世は悲しみに満ちている。


…ふと、美味しそうな匂いがして来た。これはなんだろう。


「おやおや。そんな所で寝ると風邪を引いてしまいますよ」


僅かに顔をあげると屋台が目の前にあった。もう指一本動かす気力もないかと思ったが不思議と体が動いてその屋台の椅子に座る。目の前には山の様な量のおでんが煮られていた。美味しそうで渇いた口内に僅かな涎が出る。


「いらっしゃいませ。何にしましょう」


「あの…、いえ。すみません。僕、お金持ってなくて」


「それはおかしい。あなたはそんなに持っているじゃありませんか」


「え?」


気が付くと僕の座る椅子の机の目の前には大きな銭袋が2つあった。10kgは入ってそうな袋が2袋も。こ、これは一体…。


「ここではあなたの積んだ徳がお金になるのです。ささ、好きな物を頼みなさい。どうせあなたほど小さな胃袋ではその銭袋を使い切る事などないのですから」


「こ、これ食べていいんですか…?」


「はい。どうぞ。好きな物を好きな様に」


我慢の限界だ。僕は好きな物を指差して言ってそれを取ってもらった。お椀を受け取るとそれを見て涎が出る。彼は気を利かせて水も出してくれる。いよいよ手を付けようとした所でピタリと理性が手を止める。


「あの、ここでこれを食べたら徳が減るんですよね…?」


「はい。減ります。それがどうかしましたか?」


「…やっぱりやめときます。だって、これまで積んで来た大切なものなので…」


「奇特な方だ。生きている事よりも徳が大事とは。そんなものを後生大事に抱えたまま死ぬ気ですか?」


「…あまりいい人生とは言えませんでした。親は生前に徳を積めば天国に行けるって言ってたんです。せめてあの世ではいい暮らしがしたいんです」


「おやおや。ここで徳を減らせば天国へ行けないとお思いですか。それは違いますよ。この銭は生きてる間使えるだけに過ぎません。天国に行けるかどうかは稼いだ総合金額で決まります。残額ではないのです」


「…ごくり。本当に、本当に食べても問題ないんですね…?」


彼は手首を眺める。


「5時間。今のあなたの余命です。食べれば寿命も延びるでしょう。どうします?」


「食べます…食べます!!!」


僕はがっついて食べた。食べきる前からあれこれと注文してガツガツ食べる。食べるたびに銭袋から徳を取られて行くが殆ど減っていない。価格が良心的なのかあるいは僕の積んだ徳が自分の想像以上だったのか…。店員の言う通りあまり食べれないんだろうと考えていたのに、どこへ消えるのか僕の胃袋は異次元にでもなってしまった様に入る。


4杯ほど皿を積み上げる。まだまだお腹が空いている。ふと気が付くと僕の両手に変化があった。枯れた枝木の様だった体がみずみずしく膨らみ血色が良くなった。どこかしこ痛んだ体も癒えていく。僕は今最上の幸せに包まれていた。このまま死んでもいいと思えるほどに。


「美味しい…美味しい……」


涙があふれる。


「お気に召していただけたようで何よりです」


ようやくお腹が一杯になって手を止めた。結局銭袋の中の徳は大して減っていなかった。


「本当にこれだけでいいんですか?」


「はい。値段分はいただきましたよ」


僕は銭袋を全て差し出した。


「これ全部もらっちゃってください。僕には過ぎたものですから」


「いえいえ。受け取れません。そういうルールですので」


「でも…何か申し訳ないです」


「はあ…。では1つ私の相談に乗っていただけませんか?」


「はい、僕にできる事なら何でも」


「…実はこの村の平均徳点が非常に低いのです。それが私の悩みの種になっておりまして」


話を聞くに彼は神の使いらしい。神の使いは各地の村や町に駐在して見えない力で働きかけそれぞれが善行を積む様にし、死後の地獄送りにする幽霊を1人でも減らすのが仕事なのだそうだ。というのもここ最近は戦続きで人々の理性が低下しては地獄行きになる人々が多く地獄の鬼達も過労とキャパオーバーで苦しんでいるため負担軽減したいのだそうだ。


彼自身も僕のいる村の担当として駐在しているが、問題は村人個々はもちろんの事僕にも問題があるらしい。


「一体どんな事ですか、どんな事でも悔い改めますから…!」


「問題はあなたのその極度の利他主義にあるのです」


「えっと…つまりどういう事ですか?」


「この村人はあなたの善意を頼りにし過ぎる。あなたは積極的であれ消極的であれ求められる物はすべて与えて来ました。それは他者を救うと同時に自堕落にしてしまったのです」


「そ、そんな…ただ僕は…」


「はい。あなたは別に他人を自堕落にしてやろうなどと言う悪意は全くありませんでした。私からもこうして本当の事を言うのは心苦しく思うのです。しかしこのままではこの村の多くが地獄へ落ちるでしょう。他者の善意を貪り、自ら困難に立ち向かう自立心も無くし、ただただ他責思考に堕ちる。自業自得ではあるのですが…」


「教えてください。僕は一体どうすればいいんですか?」


「まず他人に貸し与える行為をやめてください。無理にあなたの好意を貪ろうとする物が現れれば鬼の様に形相を変えて抵抗し、実行済みであれば復讐を行ってください」


「そ、そんな…そんなの無理ですよ…」


「もちろん突然やれとは言いません。まずあなたは怒る練習からです。…おっと、もうこんな時間だ。ではくれぐれもよろしく…」


ほぼ一方的に頼まれてしまった。やはり相談など乗るべきではなかったかもしれない。気が付くと日が昇っていた。そんなに長い間話し込んでいた覚えはないのに。でも不思議と眠くない。体はとても元気だ。徳とやらの溜まった銭袋もなくなってしまった。しかし自分の身体を見るとつい先ほどの出来事がただの夢じゃなかった事の確信が持てる。


「このままじゃここの村人の多くが地獄行きになってしまうんだよね…。そんなつもりはなかったとしても、僕のせいで…」


彼はまず怒る練習をしろと言っていた。頑張ろう。僕の生前の行いに死後の彼らの行き先がかかっているのだ。まずは自宅に帰った。昨日の恋人達が当然の様にいた。


「ああ、ごめん。悪いけどやっぱりしばらくはここにいる事にするよ」


「よろしく~」


よし、追い出すぞ…。


「ここは僕の家だ!さっさと出て行けコラ!!」


僕は思い切り怒鳴った。しかし残念ながら大して効き目はなさそうだ。


「だから貸してくれって頭下げてるじゃん」


「感じ悪~い」


ううう…。今まで人に対して強く出た事のない僕だ。そう簡単に覇気なんか出せたら借金取りがあんなに上手く人を脅せたりしない。ならば…。僕は家の裏に回り斧を取りに行った。斧がない!!


近所を歩くと僕の所持していた斧を置いてる家があった。どうやら勝手に持って行かれていたらしい。そうだ…怒れ、怒れ僕。今日から僕は変るのだ。彼らがちゃんと天国に行けるように。心に決めて隣の家から斧を持って来る。


「あ、それ勝手に持って行かれると困るんだけどさ」


「でもこれ僕のですよね?」


「今は俺のだよ。持って行かれちゃ困るんだよ」


僕は斧を掴んだ。


「それじゃ今すぐ必要なくしてやるぜえええええええええっ!!!!」


僕はそう言って相手に斧を振り下ろした。相手は寸分の所で回避する。ああ、人に向かって斧を振り下ろした事がないのだから力加減も精度の事も分からない。これは飽くまで脅しだ。脅しなのだから誤って殺さない様にしなければ。


二度、三度と振り下ろす。血肉の充実したこの肉体では斧がまるで棒切れの様に軽く力加減が難しい。村人は上手く回避しながら逃げようとする。


「逃げんじゃねえええええええええ当たらねえだろうがあああああああああっ!!」


「お、斧の事はもうくれてやるからこっち来んな!!」


そう言って逃げた。斧は持って行っていいそうだ。もう彼の深追いする理由はない。僕は自宅に戻った。斧を持って戻って来たのを確認した恋人達が僕を見てギョッとする。さっきと同じ要領でやればいいんだ。そうすれば彼らは自堕落の罪から逃れられる。


僕は斧を振り上げながら2人に迫る。


「合い挽き肉にしてやるぜええええええええええええっ!!!」


ズドン、振り下ろした先の床に斧の刃が振り下ろされ穴が空く。


「避けんじゃねええええええええ床が傷むだろうがああああああああ!!!」


「やべえ、噂と全然違うじゃねーか!」


「ちょっとどうなってんの!」


僕斧を持って彼らを追いかけまわす。さっさと家から出てくれればいいのに彼らは必死になって家の中で逃げ回る。僕は昨日の食事以降は非常に体調がいい。彼らをどれだけ追いかけまわしても全然息が切れない。彼らはそうでもない様だ。


迫る僕に壁際に逃げる2人。


「うおおおい、俺の後ろに隠れるな!俺を盾にする気か!」


「あいつを止められないんならせめて役に立って死ね!お前の頭骨にぶっ刺さった斧を引き抜く隙に逃げるんだよ!恋人のために身体はって死ねるんだったら本望だろうが!!」


「ふざけるな!村には残り11人の恋人がいるんだよ!お前のために死ねるか!!」


「お前が死んだら12人がこれ以上不幸にならずに済むんだよおおおおおおお!!!!」


「2人が死ねばここの1人が幸せになれるぜえええええええええええ!!!!!」


そう言って斧を振り上げて襲う。半分ぐらい自身の熱演に酔って本来の目的を忘れ本当に殺そうとする。しかし2人は同時に離れて回避し逃げ出す。足の早い方が出口で待ち伏せし遅れてやって来た方の足を引っ掛ける。転倒した隙に足のはやい方がより遠くに逃げる。


「化けて出てやるぞおおおおおおおお!!!」




僕は正気に戻ったのでそれ以上追わなかった。何より家は取り返せた訳だし。転んでいた方もすぐに起き上がって逃げ出した。2人の熱愛は命の危機を前にあっという間にはがされてしまった。なるほど、これが怒ると言う事か。怒ると言う感情をぶつける行為が非常に楽しく思えて来た。暴力を振りかざすと面白いほど相手は従順になる。そう考えると段々と腹が立ってきた。今まで自身に対して高圧的な態度で好意を無心していた連中の面が。


怒るって楽しい!怒って暴力を振りかざせば相手の自堕落の罪を祓えて楽しい!こんなにお互いのためになる事があるだろうか!


そうだな、次は昨日の畑を荒らした奴の所に行こう。僕の山に勝手に入って高級きのこを採ってた奴の所にもだ。そうだな、僕の家に入って勝手に泥棒して言った連中の所にも行こう!さあ、罪を祓うぞ~♪



そうして怒りと恨みを覚えたアン太は次々と怒りに身を任せ復讐して回った。彼の善意に依存していた人々は消極的に心を改める事になり神の使いの考えた通り村の徳点は少しずつ上がって行った。これでアン太も村人も幸せになっておしまい…とは問屋がおろさなかった。


力に物を言わせて相手を服従させる事の簡単さに気が付いたアン太は力と暴力で村々を支配したのである。調子づいて無敵になった気がしたアン太は山に居座った熊の親子に喧嘩を売り、前と後ろから挟む様にして放たれた親子ラリアットを喰らって絶命し、更には地獄に落ちる事になってしまったのである。


彼は神の使いを呼びつけ猛抗議した。自身は飽くまで神の使いの指示にしたがって自身を反面教師とする事で民を戒め規律を正しただけだと主張したのである。また、親熊の使った爪を用いたアイアンクローは反則だと主張した。


怒る事、恨む事、復讐する事を推奨したのは神の使いであるのは事実だ。そして彼を敵として一致団結する事で仲間意識が生まれ村の平均徳点が挙がったのも事実である。神は彼の言い分にも一理があると判断し担当の神の使いを呼び出した。また、親熊のアイアンクローは自然界ルールでは合法なので主張は却下された。


「おい!地獄行きってどういう事だよ!徳点は残額じゃなくて稼いだ総額で行き先が決まるんじゃなかったのか!」


「はいその通りでございます。残念ながら徳点より悪徳点の方が遥かに上回った様ですね」


「悪徳点…?」


「はい。善行を積めば徳点になる様に悪行を積めば悪徳点になるのです」


「どうしてそんな大事な事を言わなかったの!」


「聞かれなかったので」


「僕はお前に頼まれて村の平均徳点を上げたんだぞ!僕の悪行自体が善行みたいなもんじゃないか!」


「『他者に善行を促すための悪行』は加点項目にありません。残念です」


「そんな事を聞いていたら僕は初めから悪事に手を染めなかったぞ!これは詐欺だ!担当した村の平均徳点を上げるための立派な詐欺じゃないか!神様!仮に僕が地獄行き確定の罪人なら、そうする様に仕組んだ神の使いが犯罪教唆で共犯にならないのはおかしい!」


アン太は神に向かって抗議する。神は後ろ頭を掻きながら申し訳なさそうに笑う。


「いやー実は似た様な事例がここ数千年で何十件も起きててね。永い年月をかけてやっと天界法の改正法案が可決したから神の使いが人間を唆して悪行をする様に仕向けるのを違法にできる様になったんだけど施行まで後100年かかるからこの子を現行法で裁けないのよ~」


そうしてアン太は1人で地獄へ落ちて行った。


復讐の可否は一概に言えないが、復讐に大事なのはリスクマネジメントである。


…ちゃんちゃん

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ