表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
87/144

[7]          800.



#10. Tracking 再回収 [11][12]






 真夜中。

久し振りに父の職場に入り、義手と睨み合う作業を続けている。




病院でのやり取りなど、殆ど覚えていない。

強いて言うなら、大変だったななどと同情する声が聞こえたくらいだ。

常々(いか)めしい顔をしていた為に、会話をしてくる者はいなかった。






 見るだけで吐きそうになる義手。

しかし、作り出す為には仕組みを知る必要があった。




自分の肌に似た色のシリコンがまた、気色悪い事この上ない。

だから、全て引き剥がしてやった。

中身が露わになると、配線や連結、センサーの仕組みなど、隅々まで観察する。

ゴムの臭いは刺激的で、再び怒りと憎しみを呼び、歯を鳴らした。




 見るに堪えないそれを、瞬時、手元にあったドライバーで深々突き刺す。

バッテリーを覆うプラスチックに貫通し、減り込んだそれは、憎悪に震える。

怒りに捻ると、亀裂が入った。




作業療法士と共に、呆然とする中で段取りし、気づけば誕生した新しい手。

大した事ない機能に、悉くうざったくなる。

どうせ作り変えるならば、少々人離れしたものを取り入れる。

それが相応しいだろう。

もう、半ば人ではなくなっているのだから。






 解剖学の本を脇に、骨格はあっさり完成していた。

元々製造が得意の彼は今、異様な怒りと憎しみの中、それを(たしな)み続けている。

完成した先では、全身の骨格製造を控えている。

左手が上手く機能すれば、その後の作業は一層加速するだろう。

その為にも、今はこの苦痛に耐える必要があった。




目に入れば、気がおかしくなる。

事件の映像が蘇り、その後に聞きつけた憎たらしい2人の会話が再生されてならない。

それがどうしても激痛を呼び起こし、全身を巡る。

その影響で、また手にしていた工具が落ちた。

右手で操る事に慣れてきていても、体験した事を乗り越えきれず、震えている。

それを拳に変え、机を1発激しく叩いた。

更に叩き割ってやりたかった。




(………力量……変換……)




定まらない視界の中、閃いたそれに力無く笑みを浮かべた。









SERIAL KILLER ~Back Of The Final Judgment~


初の完結作品丸ごと公開。引き続きお楽しみ下さい。


2024年 次回連載作発表予定。

活動報告/Instagram(@terra_write) にて発信します。

気が向きましたら、是非。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ