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#08. Reboot 脱出 [7]

#13. Data processing 再び [5]






 目が覚めるとそこは玄関で、記憶はまた飛んでいた。

しかし、体は覚えているようで、疲労で重く喉にも痛みを感じる。

帰ってきてそのままの格好。

入室するなり気を失ったのだろう。

義手が入った鞄を退かし、辿々しい足取りで立ち上がるとシンクに向かう。






 蛇口を捻り、激しく流れる水を右手で掬い、掻き込むように飲んだ。

そのまま顔も乱暴に洗うと、水を止め、しばらくそこに雫を滴らせたまま佇む。




 瞼を失った、虚ろな目。

排水溝から音を立て、水が流れるのを凝視する。

何かが胃を突き上げた。

蛇口を突如掴み、吐き出そうとするも、今飲んだ水が少々出たくらいだった。




夕べも、大して何も口にしていない。

どれだけ痩せたのか、もう、自分の姿など見たくもない。




前傾姿勢になっていたところ、ゆっくり起こす。

濡れた顔をそのまま服で拭うと、正面の窓から入り込む陽光を睨みつけた。






 踵を返し、激しい音を立てながら部屋に向かう。






 ドアを開け放ち、紙だらけの床を踏みながら部屋の真ん中まで突っ切る。

左にあるデスクに広がる、ありとあらゆる研究所のクローズ手続きに関する書類。

それとは無関係の、式だらけの紙。

飛び込むリーダーシップと書かれた本。

何もかもを横殴りし、前に積んでいた他の書籍まで壁に衝突し、床に散乱した。






 何もなくなったそこから、白い壁をジリジリと睨め上げる。

高速に巡るのは、策。




彼の手は、落ちかかる1冊に伸びる。




何往復もした海洋生物の図鑑。

どこに何が載っているか、今でも明確に記憶している。

1度に開いたそのページには、大量のフグ。




彼は、静かにニヤけた。









SERIAL KILLER ~Back Of The Final Judgment~


初の完結作品丸ごと公開。引き続きお楽しみ下さい。


2024年 次回連載作発表予定。

活動報告/Instagram(@terra_write) にて発信します。

気が向きましたら、是非。




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