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#08. Reboot 脱出 [7]






「出てはない………

その…話してあるのかしら…?」




ノーランも僅かに、上の部屋に視線をやる。




「病院で目が覚めた時に言ってある。

まぁ、未だにあの態度だ。

事細かには話せてはないが」




「調べてないかと思って…

向こうのデスクは直ぐに片付けたけど…

彼はアルフの家に住んでる……

物は捨てて存在していないにしても、資料がどこかに残っていないかと思うとね……

警察は何も…?」




「よく知る銃器開発者が絡んでいて、そことも話しをした。

検証段階のあれは、商品化が近かったようだな。

何考えてんだか全く…親父も子どもだよ……

物が物だった…こちらで責任をもって、安全に処分すると説得したら、何とか頷いてもらえたさ。

そうでないと…」




冷たい、無音のリビングに佇むダークブラウンのアンティークテーブル。

艶を淡く放つそこに、ノーランのぼやけた影が落ちた。

意味も無く、その表面に触れると顔を上げる。




挿絵(By みてみん)




「そうでないと汚点が残る。

あの研究所の事だけでも痛いのに、それ以外で築き上げてきた物に、影響が出るのは困る。

ジェレクもこれからって時だ。

尾を引かせない為にも、それなりの取引をし、向こうも受け取った。

先の為ならばこれくらい、どうって事ない」




「なら…いいけど」




偉人の孫であり、知名度がある自分の、息子。

それが殺人未遂を犯したなどと出回れば、何が起こるか。

想像は容易い。






 そこへ、シャルの携帯電話が鳴った。

ノーランは無言で手を差し出し、促すと、階段へ足を運ぶ。

呼び出し音がしばらく鳴ってから、彼女は誰かと話し始めた。








 ヘンリーはやっと部屋から出ると、上がってきた父と廊下で対面する。

数秒、顔を合わせた。




父は、平然とした顔で首を傾げる長男に、少々目を丸くさせる。

今になってやっとまともに顔を合わせるが、ケロッとした彼の様子が、父には意外に思えた。




「おやすみ」




ヘンリーはそれだけを告げ、階段を颯爽と下る。




「おい」



「そう、あの家。出るから。

遺品整理あるし、また連絡するよ」




淡々と話す彼に、父は半ば驚きながら小さく返事をした。









SERIAL KILLER ~Back Of The Final Judgment~


初の完結作品丸ごと公開。引き続きお楽しみ下さい。


2024年 次回連載作発表予定。

活動報告/Instagram(@terra_write) にて発信します。

気が向きましたら、是非。




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