[7] 1040.
#05. Error 誤搬送 [4]
#08. Reboot 脱出 [7]
#10. Tracking 再回収 [11]
だが、父の表情は変わらない。
その目は明らかに真剣ではなく、ヘンリーが言い終わるのを待っているだけだ。
「シャルは……何て言ってんだよ……」
「どの事だ」
被せるような質問は、少々急いでいる。
行く所があるのだろうが、待ってやっているといったところか。
「……あの晩の事ならもう片付いてる」
意味が分からず、ヘンリーは顔を曇らせ、目が震える。
「お前が引き金で起きた事だ。
俺が頭を下げて対処し、済ませた。
尾を引くような事も無い」
「何がだ!?てめぇ分かるように言え!」
あまりにも中身が無く、急なトリガー呼ばわりに怒りは爆発した。
鋭い目に怒鳴り声を放てば、父はそれを上回り血相を変える。
「偉そうに叩くな!病院で話したろう!?
ぼさっとして聞かなかったのはお前だ!
ただ聞こえないなんてもんはもう通用しない!
お前は聞こうとしない!だから聞こえない!」
口から心臓が出そうになる。
耳を劈くような怒鳴り声は、一気に頭痛を引き起こし、右手は恐怖で勝手に頭を抱えていた。
すると父が足早に近づき、肩を乱暴に鷲掴み、大きく揺さぶった。
「もう一度言う!よく聞け!
お前は、彼女を、殺しかけた!」
眼振は地面を揺らすようだった。
それでも倒れまいと、顔を突っ伏し耐えてみせる。
殺しかけたというのが何を意味するのか、それが一切分からず、混乱は過呼吸まで招く。
「覚えてないなんて言わせないぞ!?
彼女に襲い掛かるお前を止めに入った警備員が、被害者である彼女が、そう証言してる!
お前に死ねと言われ、首を絞められ殺されかけたと!
身を離しても、更に襲い掛かろうとしたと!
それも、殺すと言いながらな!
お前はっ……
お前って奴はっ……何を考えてる!?
俺にはっ…お前がとことん分からん!
もういい加減にしろ!
恥ばかりかかせやがってこの出来損ないが!」
ヘンリーは頭が真っ白になった。
父の言っている事が、何も分からなかった。
「お前が悪魔のようで、彼女は恐ろしくてならんかっただろう……
それでも泣いて俺に謝ってきた…
怪我を負わせたと………
未だに会えばその事からだ……もう十分だ……」
数秒の間が空き、肩が突き放されると、父は強く嘆息する。
その後、ヘンリーに背を向け、息を整えてから言う。
「さっきの話、来月上旬までに対応しろ。
あと、病院にすぐ行ってやれ」
そう言って立ち去ろうとした矢先、レイシャがその腕に掴みかかった。
「貴方は彼の父親では!?ミスター・クラッセン!
…今の彼が、貴方にはどう映ってるの!?
彼をよく見て!
貴方の行いこそ、恐ろしくてならないわ!」
SERIAL KILLER ~Back Of The Final Judgment~
初の完結作品丸ごと公開。引き続き、お楽しみ下さい。
2024年 次回連載作発表予定。
活動報告/Instagram(@terra_write) にて発信します。
気が向きましたら、是非。




