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#08. Reboot 脱出 [7]

#10. Tracking 再回収 [8][9]






「ヘンリー、いるんだろ?」




連続で放たれる声に、彼は慌てて立ち上がる。

少々躓いたところをレイシャが支えようとしたが、それを払い除け、振り向きざまに言った。




「来るなっ…」




声は掠れ、弱々しい。

彼は部屋を飛び出し、階段を下りていった。




「………ヘン…リー…」




彼女は(ようや)く、名前を知った。

しかし、誰が訪れたのか。

彼の顔色の変化が異常に思え、部屋のドアまで近寄り、聞き耳を立てた。








 ヘンリーは焦って駆け下りると、そこには父が立っていた。

明らかに、何処かへ向かうついでに立ち寄った様子だ。




「お前、電話にぐらい出ろ」




寝起きで声の出が悪い。

だが、そもそも以前ほど声を張れない今、謝罪を零しても父には聞こえなかった。




「さっき病院に行ってきた。

じいちゃんに顔見せてやれ…

いつ急変してもおかしくない…」




そんなに進行していた事も知らず、顔は引き攣った。

父はそれだけ言いに来たのか、早くも踵を返しながらハットを被り直す。

だが、それはただ、別件を切り出す為のアクションだった。






「ああ後…あそこだが、解散で手を打った」




「…………………は…?」






あそことは、ただ1つ。

父は、祖父が建設した海洋バイオテクノロジー研究所を、完全閉鎖する手続きをしたと言うのだ。




「これ以上半端にクローズしていたら、関係者に迷惑がかかる。

もう1ヶ月近くになろうとしてる今、判断は早い方がいい。

それに…彼女も続けられる状態じゃない」




シャルが頭を(よぎ)ると、体に熱を帯び始めた。

淡々と話す父にも、気づけば鋭利な目を向けている。

落ち着け。

ソワソワし始める右手で大腿に触れ、何とか平常心を保とうとした。









SERIAL KILLER ~Back Of The Final Judgment~


初の完結作品丸ごと公開。引き続きお楽しみ下さい。


2024年 次回連載作発表予定。

活動報告/Instagram(@terra_write) にて発信します。

気が向きましたら、是非。




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