表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
48/145

[12]         1000.



#07. Cracking 処分 [14] 

#12. Complete 細胞の記憶 [18]






 モデルがどういうものかを知らない彼に、レイシャはどんな世界かを教えた。

そして彼の中で、レアールの言葉がふと浮かぶ。






“貴方さえ良ければ、仲良くしてもらえると、とても嬉しいんだけど……

私と、じゃないわよ……

彼女と、ね……

彼女……どうしようもなく寂しがり屋だから……”






何故そんな事を言うのか、未だ分からない。

だが、そんな不思議な事を言う彼女は虐めを受けている。

それがどれだけ苦しい事か、彼は痛い程分かる。

ただ1つ違うのは、彼女にはレイシャという友人がいる事だ。

彼には、1人もそんな存在はいない。




「……そんなの構うなって…言ってやりゃいいさ……

君だってそう……

お互い…傍にいれば……

ずっと傍にいて…話していれば……

手を繋げば……寂しくないだろう…」




言葉を選ぶように間を空けながら、ゆっくり話す。




「触れる事は……

脳が刺激され……安心感や…幸福感を高める………」




穏やかに話すその内容は、地に足がついていない。

それが実際、どんなものかを知らないのか。




「身体的な接触によって……

心拍も血圧も下がる……

気持ちが安定して……

ストレスや不安が軽減されやすくなる……」




配線のし直しを試みているのか。

目線は終始、ゼロの背面を弄る手元に落ちたままだ。




「肩や頭……だきしめ…る……なんかは………

まも…られてる………或いは……

あいされ…てる……

っていう感情が生まれやすくなる……」




レイシャは俯くまま、緩やかに零れる言葉を聞き続けた。




「自分がそうされるべき…大切な人間だって…

認識ができる………

それは…自己肯定感や…

自尊心を高められる可能性がある……」




しかし、どこか自信がないのか。

それでも懸命に話している事が伝わってくる。






 彼は突如、顔を上げた。

まただ。一方的に話してしまった。

唇が僅かに震える。

恐る恐る、ジリジリと流し目を彼女に向けた。




 だがレイシャは、こくこくと黙って頷き、その目を見つめていた。

彼女は(つか)えている事を話し、また彼からそのような話を聞けた事で、嬉しくなっていた。




 その様子は、彼にとってこれまでにないもので、半ば戸惑っている。

それでも、気づけば顔を彼女に向け、見つめ合う時間が数秒生まれた。

震える互いの瞳に映る、互いの表情。

誰かをこんな風に見る事もまた、初めてだった。

沸々と込み上げる熱は、何だろうか。

瞬きも忘れ、その答えを互いの顔から探そうとする。






 すると、彼女の方からそっと目を逸らすと、恐れて封じていた思考を口にし始めた。








SERIAL KILLER ~Back Of The Final Judgment~


初の完結作品丸ごと公開。引き続き、お楽しみ下さい。


2024年 次回連載作発表予定。

活動報告/Instagram(@terra_write) にて発信します。

気が向きましたら、是非。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ