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[2]          780.




「言ったままよ。どこが分からなかったの?」




「………母……親……ってのは……そうなのか…」




彼女は少々間を置き、目前で棒立ちするフード姿の彼を眺める。




「あら、そうじゃなかったの?

一体どういう訳なのか、あんたの正確な情報は誰も知らない。

…そうねぇ、親はいつだって、子どもを気にかけるもんよ。

あんたが部下を気にかけるようなもの。

その子の様子や先の事を考えてる。

どこで、どうあれ。愛してるから」




彼の目は、微かに振動する。

彼女は一体、何を言っているのか。

右手が少々痙攣し始め、迷宮に落とされた気分になる。






「ヘンリー」




その声に、フードの下から僅かに視線をやる。

彼女はそっと、彼の左腕に触れた。




「トップだからって、常に気を張るのは良くない。

遠くばかり気にしてないで、部下に会ってやんなさい。

皆、あんたのそういうところも分かってるわ。

後これ、血流が悪くなってる。緩めなさい」




彼女の離れていく手と入れ替わりに、彼はその装着口に触れる。

目覚めの悪さに苛立ち、移動を決めた弾みで雑に填めたオリジナルの義手。






 彼女は話すだけ話すと踵を返し、掃除機をかけ始めた。

彼はしばらく、その小さな背中を眺める。






 彼女と似たような事を、補佐官や現場監督にも言われた事はある。

しかし、彼女に言われる感覚はまた違った。

表現し難いそれは、固い表情を和らげていく。

上腕に巻かれたラダーロックを緩めると、エレベーターのボタンを押し、ガレージに下りた。






………


……




……


………






 気づけば冷たいコンクリートの上に座り、柱に凭れていた。

今、上腕のロックは緩めるどころか外している。

まだまだ旭は顔を出さない。

考え事をしていたせいで、煙草は短くなっていた。

火を携帯灰皿に消すと、義手を装着して立ち上がる。




 定着した手順で、4台のエンジンを切っていく。

部屋に戻ろうと思ったが、少し歩きたくなった。

彼はゲートを完全に閉鎖すると、排気の臭いが残るその場を後にした。









SERIAL KILLER ~Back Of The Final Judgment~


初の完結作品丸ごと公開。引き続きお楽しみ下さい。


2024年 次回連載作発表予定。

活動報告/Instagram(@terra_write) にて発信します。

気が向きましたら、是非。




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