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#08. Reboot 脱出 [7]






 息子達と時間を共にする事が殆ど無い父のノーラン。

だが、ある晩、得意先の社長と副社長を連れて帰宅した。

それに合わせ、祖父のアルフも久し振りに顔を出している。

数回会った事がある2人で、大好きな技術の世界で輝く彼等の存在に、ヘンリーは惹かれていた。




 その日は、アルフとの繋がりで関わりがあるシャルも、フォーマルな身形をして同席していた。

会食につき家政婦を雇っており、シャルが家を駆け回る事はなかった。




 食事中の会話は当然、仕事の話で持ちきり。

大人よりも直ぐ食べ終えてしまうヘンリーとジェレクだが、その後もヘンリーだけは興味津々で、会話に聞き入ってしまう。

それとは逆に、ジェレクはあっさり部屋に戻って流行りのゲームに夢中だ。




 テーブルで話題になっているのは、人材不足の件。

手広く事業を営むにあたって、解決すべきところであると大人達が話している時だった。




「AIがあるんだし、簡単な作業はロボットを作って任せたら?」




その場は突如、静まる。

その発想には未だ、誰も行きついていないようだった。




「だってプログラマーいっぱいいるでしょ?

AIだってもっと使っていいよ。

レンジやテレビなんかも、人がプログラムした事に沿って的確に動いてる。

仕事もそうしたら?

そしたら雇わなくていいじゃん。

喋らなくていいしね。

かかるのは電気代だけ。

あ、あとメンテナンスも時々いるだろうけど。

そんなのしれてるよ。

もう少し勉強して、いつか社長さんに作ってあげるよ」




数秒の沈黙が生まれた後、客である社長は表情を変える。




「あー……はははは!」




少々返答に困っているようだ。




「ヘンリー、上行って」




すぐさまシャルが撥ね退けるように言う傍ら、祖父も笑ってその場を濁している。

父の顔は、引き攣っていた。




「はっはっ!

ヘンリー、大きくなって更に考えを巡らせるようになったんだな。

まぁ、悪くないかもしれない。

だけど、それはそれでなかなか大変だろう。

人に任せてきている出荷や生産手配、後は作図や製図に纏わる計算や分析といった、細かくて繊細な部分の確認は、なかなかロボットには任せ難い。

やはりリスクもある」




柔らかく対応し始める副社長の横で、ノーランは口にしたグラスを置くと、ヘンリーを上へ静かに促す。

しかし、彼にはその指示が入っておらず、客の2人に首を傾げた。









SERIAL KILLER ~Back Of The Final Judgment~


初の完結作品丸ごと公開。引き続き、お楽しみ下さい。


2024年 次回連載作発表予定。

活動報告/Instagram(@terra_write) にて発信します。

気が向きましたら、是非。




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