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#08. Reboot 脱出 [7]






 出歩く際に決めている、黒で占めた格好とは違っていた。

特定されぬようにとレイシャに煩く言われ、街に馴染みやすい通常の服装をしている。

それは大学生活を思い出させるもので、不快感があった。






 流行りを知らない地味な服装だからか、何なのか。

偶然近くを通りかかった学生であろう男に、2度3度と振り返られた。

複数名と賑やかに歩いていたが、何故かその彼だけがやたらとヘンリーを気にした。

そしてヘンリーもまた、気になってじっと見てしまった。




 血の影響ならば、余計なセンスである。

2人は直ぐ、お互いの存在に気づいてしまった。




「嘘だろ…」




少々引き攣った笑みを浮かべながら、ジェレクは呟いた。

足を止めていた彼は、先々進む仲間に先に帰れと放ち、接近してくる。






 まともに対面するのは、実家で彼の首を絞めかけて以来。

祖父の葬儀でも一切顔を合わさず、口も利かなかった彼が、目と鼻の先に現れる。

鼓動に目が揺れ、震え始める右手をすぐさまポケットに隠し、呼吸を整える事に集中した。




 ジェレクはヘンリーを上から下まで眺める。

相変わらずかと言いたげだが、無言だった。




彼は流行を知り尽くしている。

ヘンリーにとっては、彼こそ相変わらずの容姿だった。

葬儀の際は髪色が赤に近かったが、今はその頃をどこか残した茶髪になっている。

派手なロゴが複雑に入った黒革のトップスを羽織り、ややゆとりを感じるジーンズには太さ違いのチェーンが2本、引き立っている。

態度もそのまま、何より、腹立たしい程に都合が良い。






 銀行から出てきた矢先の事。

処理を済ませ、忘れようとした時に対面してしまうと、心境が変わった。




「…………お前……何してる…」




ヘンリーの掠れた低い声を聞いても、ジェレクは表情を変えない。

見た目はひ弱で、大した事ない兄。




「何って別に。何でもいいじゃん。

あー…親父には言うなよ」



「……あ?」




帰国している事を告げていないと言う。

事細かに事情を話さないし、聞きもしないが、大方、失敗して黙って帰国してきているといったところか。

ヘンリーは鼻で小さく笑う。




「で何だ……金がねぇってか……」



「………何だバレてんのか…」




彼はしかし、面倒くさそうな表情で開き直ってせせら笑う。

そんな彼に、ヘンリーは目を見開き、眼振を見せ始める。




「あんたこそ何だよ。あそこ閉めんだろ?

何いつまで残してんだよ」



「放っとけ…

てめぇ…ここにいんなら抜き取った分返せ…」




それを耳にするなり、ジェレクは笑いながら言う。




「おいおい……ま、確かに?

勝手に抜いたのは悪かったけど。

微々たるもんじゃねぇか、そっちどんだけ持ってんだよ!つーかよお」




互いに身長差がある。

背の低い彼は、ヘンリーに喧嘩腰の目を下から向け、続けた。




「人の事殺しかけといて偉そうじゃん?」









SERIAL KILLER ~Back Of The Final Judgment~


初の完結作品丸ごと公開。引き続きお楽しみ下さい。


2024年 次回連載作発表予定。

活動報告/Instagram(@terra_write) にて発信します。

気が向きましたら、是非。




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