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その最中、父の部屋で医療関係や人体に纏わる本を沢山見た。
そこから、以前に叔父と両親の会話で耳にした事があるワードが気になり、尋ねた。
「ねぇママ。かいぼういって、なに?」
「どうしたの?急に」
母の教育のお陰で、早くから字を覚えた。
しかし、詳細を知る力はまだなく、忍び込んでいる事がバレないように質問する。
「おじさんたちのおはなしで、きこえたから。
それも、おしごと?」
解剖医とは幅広く捉えられる言い方で、その種類は様々だ。
母による簡単な説明だと、主に警察と仕事をする事が多いとされるが、それに限った事ではない。
母から見よう見まねで覚えたパソコンを隠れて弄り、更にその職業について自ら調べた。
画面に次々と表れる文の中、搔い摘まんで読み取れたワードから予測したのは、亡くなった人の病の原因や、疾病を調べるなどといった内容だ。
そこから、その職業がかっこいいものに思え、後に病理解剖の世界に興味を示すようになる。
幼児期はこうして、1人で様々な事を調べて退屈を埋めて生きてきた。
小学校へ通うようになったら、誰かに知った事を話したり、想像した事を試せる時がくる。
それを待ち望んでいたものだ。
そしてその時がくるのだが、母の不安は止まない。
通学し始めても仕切りに学校へ電話をし、様子の確認をする。
送り迎えの際も、身だしなみを含めそこら中の確認をしてくる。
その事で、他の生徒によく笑われた。
私はそういった反応が嫌いで、相手が誰であれ、言葉でよく噛みついたものだ。
当然、そのような態度を取れば叱られる。
あまりに聞けない時は、以前のように部屋で過ごすよう言われ、学校も休まされた。
成長するにつれ、当たり前だと思っていたこの生活に対し、疑問を抱くようになる。
周囲の会話や、実際にクラスメートと話していても、自分のこれまでの生活に違和感を覚えた。
誰も、そのように閉じ込められるといった経験や、父が母を怒鳴る事はないと言う。
一体何故なのか。
そんな事を両親に尋ねても、答えは分からなかった。
他所に家の事でとやかく言われる事があるならば、その相手とは付き合う事を止めろと言うだけだった。
結局、私は変わり者として浮き彫りになっていく。
しかし、それにへこたれる事なく相手と向き合い、自分の考えを主張し、叱られると分かっていても喧嘩をした。
やがて成人を迎えるのだが、信じられない事に両親の接し方は変わらない。
大学や職業を選ぶのには特に苦労した。
何かにつけて、私よりも事細かに関わるのだ。
それに対し、ストレスを感じてならなくなった私は、半ば強引に家を出て、両親と離れて過ごす決断をする。
そして自由を手に入れた。
私は解放され、拘りたかった事に存分に浸り続けた。
………
……
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SERIAL KILLER ~Back Of The Final Judgment~
初の完結作品丸ごと公開。引き続きお楽しみ下さい。
2024年 次回連載作発表予定。
活動報告/Instagram(@terra_write) にて発信します。
気が向きましたら、是非。




