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[3]          1120.




 その最中、父の部屋で医療関係や人体に纏わる本を沢山見た。

そこから、以前に叔父と両親の会話で耳にした事があるワードが気になり、尋ねた。




「ねぇママ。かいぼういって、なに?」



「どうしたの?急に」




母の教育のお陰で、早くから字を覚えた。

しかし、詳細を知る力はまだなく、忍び込んでいる事がバレないように質問する。




「おじさんたちのおはなしで、きこえたから。

それも、おしごと?」




解剖医とは幅広く捉えられる言い方で、その種類は様々だ。

母による簡単な説明だと、主に警察と仕事をする事が多いとされるが、それに限った事ではない。






 母から見よう見まねで覚えたパソコンを隠れて弄り、更にその職業について自ら調べた。

画面に次々と表れる文の中、搔い摘まんで読み取れたワードから予測したのは、亡くなった人の病の原因や、疾病を調べるなどといった内容だ。

そこから、その職業がかっこいいものに思え、後に病理解剖の世界に興味を示すようになる。




 幼児期はこうして、1人で様々な事を調べて退屈を埋めて生きてきた。

小学校へ通うようになったら、誰かに知った事を話したり、想像した事を試せる時がくる。

それを待ち望んでいたものだ。








 そしてその時がくるのだが、母の不安は止まない。

通学し始めても仕切りに学校へ電話をし、様子の確認をする。

送り迎えの際も、身だしなみを含めそこら中の確認をしてくる。

その事で、他の生徒によく笑われた。

私はそういった反応が嫌いで、相手が誰であれ、言葉でよく噛みついたものだ。




当然、そのような態度を取れば叱られる。

あまりに聞けない時は、以前のように部屋で過ごすよう言われ、学校も休まされた。






 成長するにつれ、当たり前だと思っていたこの生活に対し、疑問を抱くようになる。

周囲の会話や、実際にクラスメートと話していても、自分のこれまでの生活に違和感を覚えた。

誰も、そのように閉じ込められるといった経験や、父が母を怒鳴る事はないと言う。




 一体何故なのか。

そんな事を両親に尋ねても、答えは分からなかった。

他所に家の事でとやかく言われる事があるならば、その相手とは付き合う事を止めろと言うだけだった。




 結局、私は変わり者として浮き彫りになっていく。

しかし、それにへこたれる事なく相手と向き合い、自分の考えを主張し、叱られると分かっていても喧嘩をした。








 やがて成人を迎えるのだが、信じられない事に両親の接し方は変わらない。

大学や職業を選ぶのには特に苦労した。

何かにつけて、私よりも事細かに関わるのだ。

それに対し、ストレスを感じてならなくなった私は、半ば強引に家を出て、両親と離れて過ごす決断をする。

そして自由を手に入れた。

私は解放され、拘りたかった事に存分に浸り続けた。




………


……










SERIAL KILLER ~Back Of The Final Judgment~


初の完結作品丸ごと公開。引き続きお楽しみ下さい。


2024年 次回連載作発表予定。

活動報告/Instagram(@terra_write) にて発信します。

気が向きましたら、是非。




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