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ミチルとのベッド

目を覚ますと、ベッドの上だった。


服は……バスローブを着ている。


……そっか、ミチルの色仕掛けに俺っち引っかかったんだ。


「ミチルのおっぱい……」


「私の胸がどうかしましたか? ……何ですか、そのわきわきと動く両手は」


「え、いや、これは、あははっ! 全っ然気にしなくていいから!」


そう言いながら笑っておいた。


「……。まあ、男性ですから、仕方がないところもあるかもしれませんね。人間と悪魔では考え方も違いますから。愛と肉欲渦巻く世界をへようこそ、とでも言うところでしょうか。そうそう、スペシャルパフェ届いてますよ。魔法で溶けることがありませんし温度が変わることもありませんから、常に最高に美味しい状態を保っていられるんですよ。さあ、食べましょう」


「……そ、そうっすよねぇ! 俺っちパフェ大好きだから嬉しいやー! いただきまーす!」


なんか俺っちちょっと複雑だったけど、勢いで食べたパフェが美味しくて心の中で小躍りした。


「確かにめっちゃ美味いじゃん!」


「ですよね。私もこれは何回食べても飽きません。ただ、ちょっと量が……」


「……スペシャルだね」


そう。このスペシャルパフェは量までスペシャルだった。


二人前くらいあると、俺っちは思うけど、実際のところどうなんだろう?


「まあ、このくらいの量なら少し食べ過ぎたってくらいなので問題ないです」


「女の子ってスウィーツ好きって聞くけど、本当なんだ。ま、俺っちも好きだけどね!」


パクパク。


しばらく声は聞こえず、お互いのパクパクという食べている音しか聞こえなかった。


それだけ美味しいってことだよね!


でもさ、本当のところを言うと、お風呂での出来事があって、俺っち少し喋り辛かった。


だって恥ずかしいじゃん!


俺っちも裸見られたしさ!


「さて、食べ終わりましたね」


しばらくするとミチルがそう言って空になった容器なんかを入り口近くのテーブルに置いた。


「あ、ごめん! 俺っちがやればよかった!」


「いえ、片付けなどは私の仕事ですので。ところで総統閣下。眠くはありませんか?」


そう言えば、眠いような……。


「ちょっと眠いけど、それがどうかしたー?」


「寝ましょう」


「?」


「私も疲れました」


へえ、悪魔って疲れるんだー。って、そりゃ当たり前か!


やっぱり生きてる……んだよな? 俺っち達人間と一緒!


「じゃあ、俺っちベッドにダイブしちゃおうっと! っせーい!」


ふわっ!


これこれ! 高級なベッドってなんでこう包まれるような気持ちよさなんだろう!


「あー、デカいベッドって最高―!」


「総統閣下、私もお隣、失礼致します」


「あ、どーぞどー……ぞ……!?」


ミチルは服をバスローブを脱ぐと、裸だった。


そしてそのままベッドの中に入ってきた。


や、やばい。


今度は言い訳出来ない! しっかりと、裸を見てしまった!


顔中に熱が集まるのがわかる。


「あ、あの。ミチル、服、着て……っ! 俺っち今見たの忘れるから!」


「どうしてですか? こういうこと、出来るのに……」


ミチルは仰向けに寝転がっている俺っちの腰の上に乗って来て、その控えめな胸を俺っちの胸に押し付けてきた。


やばいっ。


「あら、総統閣下のここ当たってますけど、……? やっぱり、期待していたのでは?」


くすくすと笑ってくるミチル。


期待なんてしてません! そんなこと!


どうして俺っちは安らかに眠ることすら出来ないんだろう。


そう思いながら俺っちは逃げようと身を捩る。


「ダメだって! そういうのは大好きな人と一緒にやりなさいって! 枕営業ダメ、絶対!」


俺っちはそう叫びながらなんとかベッドから抜け出した。


「……悪魔にそんなことを言われましても。欲と名のつくことは大体悪魔ってやりつくしてますし、無駄に寿命が長いから」


「それもそうですね! ってか、もしかしてミチル、ラブホ初めてじゃないんじゃないの!? 初めてとか言ってたけどさぁ!」


「まあ、当然嘘ですよ。何千年も生きてるんですよ。モーテル時代には常連でした」


「やめてやめて! そんな生生しい話聞きたくないっ! てかモーテルって何!」


「ラブホの昔の呼び方です」


「ってか絶対ミチル俺っちをからかってるでしょ!」


俺っちは近づいてくるミチルの裸を見ないようにと目を閉じる。


「からかってますよ? 実際のところはラブホなんて珍しいものじゃありませんがそういうことはまずしませんし、通常のホテルより割り勘すれば安いので、姉妹全員で女子会開くためによく入るので常連っていうのは、間違いではないですが……。総統閣下は私が何をしているとお思いで?」


「言わせるなよっ!」


「あ、バスローブ着ましたので、もう目を開けても大丈夫ですよ」


「……」


目を開けるとバスローブ姿のミチルが。


よかった。これで目を開けていられる。


唐突なサービスシーン、やめてほしい! ガチで! 目のやり場に困るから!


「ところで総統閣下、私のこととか気にならないのですか?」


「え? 何が?」


「過去とか、そういうものですよ」


別に……知らなくていいし、人には話したくないこととかあるものだよね。


「知らなくても別に問題は……」


「そうですか……。それだけ、私に興味を持っていてくれないということですね」


「いや、きっと理解出来ないから」


「……それも、そうですね。人間とは、大分違う世界ですから。さあ、今度こそ眠りましょう。今度は、誘ったりしませんから」


「やっぱり誘ってたじゃん! 俺っち、ミチルに色仕掛けされてたってことじゃん!」


「あれ如きで色仕掛けなどと言われては心外です」


「どうなってんの、悪魔って!」


とにかく、その夜は俺っちはミチルとは少し距離を開けて寝た。


寝心地は最高だった。


でも心臓が、結構どきどきしたなぁ……。


ミチルの過去も気になるところではある。


でも聞いたら「なにか」あるような気がした。


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