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37話 ラゴウとマリアの新生活 その2

 マリア視点……。



「それでは皆の者、神への祈りを」


「はっ!」



 神官長様の声に合わせるようにして、私達は神へのお祈りを捧げる。私は現在、修道院の生活を送っていた。この国の修道院は反社会的行為をした貴族令嬢の収容所みたいなものだ。それ以外にも富豪平民などもこちらに連れられてくる。


 私は専用の服に着替え、頭は丸坊主にされてしまった。祈りは1日3回、1回の祈りの時間は1時間だ。しかも正座して行うので、かなり大変だったりする。寝てしまったり、過度に動いてしまうと後ろから注意を受ける。




「これが私の罪か……ふう」



 厳しい祈りが終われば、粗末な朝食後、グループを決めての作業時間となる。具体的には清掃活動や、装飾品等の製造だ。少し前までは子爵令嬢として、ラゴウ・ジェシス伯爵と楽しくやっていたのに……人生というものは、一寸先は闇ということかしらね。



 本当、人生って面白いわ……これは私の成長の証と言えるのかしら? こんなことを思う日が来るなんて思ってもみなかったけれど。



 丸坊主になって修道服を着ての祈りや精進料理、各種作業を淡々と行っていく毎日……まさに修行僧のような生活ね。私の場合は罪人が行う作業に近いとは思うけれど。


「……」


「……」


「……」



 ふと、左右に立って黙々と作業をしている人達に視線を向ける。相手は気付いていないけれど、彼女達も何らかの罪を起こした、ということかしら? この作業場には30名以上の者達が居る為、完全に私は埋もれてしまっている。


 もしかすると、埋もれているのは良いことなのかもしれない。私のような子爵令嬢が罪を犯してここに来ていることが知られたら、恨みを持つ者も居るかもしれないから。


「あなた、作業が遅れていますよ」


「も、申し訳ありません……!」


 いけない、いけない……私は祈りの時に最前列に居た神官長とは別の管理官に注意を受けてしまった。急いで作業に戻る。噂ではこういう注意はしっかりとカウントされていて、一定以上になると、特別室で再教育をされてしまうんだとか……その内容は不明とのことで、非常に怖かったりする。


 再教育なんて、国王陛下達がおっしゃっていた貴族の再教育プログラムだけで十分よ……でも、ここから出られたとしても、私はあの再教育プログラムを受けないといけないのよね。道連れとばかりに、お父様やテレーズ達も……もしかして、使用人達もその対象になってたりするのかな?


 なんだか、戻るのが怖くなってきたわ……私はしっかりと更生出来たとしても、クルシス家に受け入れてもらえるんだろうか……? そんな恐怖が頭を駆け巡っていた。これも成長なのかもしれないわね……。


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