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17話 炙り出し その1

「ま、待ってください……! ご、ご容赦を……!」


「お、重い罰だけは許してください……! テレーズもなんとか言ってちょうだいよ!」


「姉さま、これ以上恥をかかせないでください、お願いですから」


「そ、そんな……!」



 国王陛下や王妃様、それからカイン・サンタローズ辺境伯に無礼をはたらいたとして、ラゴウ様とマリア姉さまはパーティー会場から連れ出されて行った。ラゴウ様もそうだけれど、マリア姉さまが最後まで悪あがきしていたのは、本当に情けなかった。


 ああ、なんていうか……国王陛下や王妃様がクルシス家全体の事情だと認識していないか、とても心配だった。いえ……お父様達の監督責任というのは、出て来るのかもしれないけれど。



「あの……ザルバック国王陛下」


「どうしたのだ、テレーズ嬢?」


「は、はい……姉が本当にご迷惑をお掛けしました。なんとお詫びをすればよいか……本当に申し訳ございません」


「なんだそんなことか。気にすることはない。あくまでも今回の件は彼女個人の問題だからな。もちろん、クルシス家をどうこうしようなどとも考えてはおらぬ」


「さ、左様でございますか……ありがとうございます……!」


「しかし……まさか、サンタローズ辺境伯の地位の高さを理解していない点には、驚きしかないがな」


「それは……はい」



 ザルバック国王陛下は笑顔で私を安心させてくれた。本当に感謝しか出来ない……お詫びとして、より一層の忠誠を誓うことを心掛けないとね。国王陛下は望んでいないかもしれないけれど、今回の件について、日を改めてお父様達と共に挨拶に向かう必要がありそうね。


「陛下」


「どうした、リリアーヌ?」


「提案なんですけれど、今回の件を利用して、怪しい貴族を炙り出すというのは如何でございますか?」


「炙り出す……?」


 あれ? なんだか、話題が少し変わって来ている……?



「サイドル王国の隣国には強国も多いことですし。今後、サンタローズ辺境伯のお力が必要になってくることもあるでしょう。その為にも、ラゴウ・ジェシスのような輩はなるべく粛清しておいた方が良いかと思います」


「なるほど、確かにそうかもしれんな。貴族として隙のある貴族が多いことが分かれば、他国から付け入られる恐れもある。この際、辺境伯の地位を分かっていない馬鹿共が居ないかをチェックしておくか」


「その方が断然よろしいですわ。以前の誘拐事件のようなことは二度と起きてはいけませんもの」



 リリアーヌ様が言った誘拐事件というのは、彼女が誘拐された例の事件よね。まあ確かに、この機会に辺境伯の地位というものを再認識させておくのは良いことなのかもしれない。


 ラゴウ様達の存在が他国に知られるのは避けたいだろうしね。



「陛下、王妃様。物騒なお話は一旦お休みとしませんか? 本日は私達の婚約記念パーティーでありますので」


 ちょうどいいタイミングでカイン様が割って入る。見事なタイミングに私は思わず呆けてしまった。


「おお、そうだったな。今はパーティーを楽しむとしようか。せっかく、招待されたのだから」


「そうですわね。それでは私は、お二人のダンスを拝見したいですわ」


「えっ……? だ、ダンスでしょうか……?」


「ええ、そうよ。何かおかしなことを言ったかしら?」


「そ、そういうわけではないのですが……」



 ダンスというのは、私とカイン様のダンスになるだろう。先ほどの件が終わった直後だけに、非常に注目の的になってしまっている。この中で踊るの……? いきなりだから、心の準備が。


 と、思っているとカイン様は片膝を突いて、片腕を私の前に出していた。


「私と踊っていただけますか?」


「……はい、よろこんで」



 カイン様の完璧なサポートと振る舞いに私の緊張は一気に吹き飛んでいた。これがサンタローズ辺境伯の実力……戦力面以外でも一流だと分からせる一幕な気がした。


 その後、私達は会場の中心でダンスを披露し、拍手喝采を浴びることになる。少し恥ずかしいけれど、とても楽しく踊ることが出来た。


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