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リンが紡ぐ〜ある国のある物語〜  作者: dia
第13章 旅への出発
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【手に入れた……ぞ⁈】

 エップス博士は隣の部屋から小型のルーペを持ってきた。

 そしてじっくりと俺の持ってきた、ガラクタの石を調べ始める。


「ほう。これはタンザナイト、こっちはレッドベリルの鉱石じゃ。あとエメラルドもあるな。ほうほう、ターフェアイト、グランディディエライト、パライバトルマリンまであるじゃないか。素晴らしい。他のは水晶と後はただのガラクタだな。今言ったモノは非常に珍しい鉱石じゃ。普通じゃ滅多に見つからんはず……こんなにどこで見つけた?」


 博士は俺の方を見ながら聞いた。


「えっと、たぶんよく行ってたのは家から少し離れた所にある洞窟かな。俺の家は港の坂のてっぺんにあったけど、あそこ昔は小さな山だったみたい」


「ふ〜む。港、海の近くにこんな鉱石があるのはおかしい。普通はもっと大きい山、炭鉱とかにあるはずなんだが、これは落ちてたのか? 削って取ったのか?」


 そういえば……と俺は思い出す。


「落ちてた。今考えると、自然に落ちてるわけないよね」


「誰かが掘って持ってきたか、希少な鉱石の置き場にしていたか」


「やべ! 俺キレイだからって普通に持ってきちゃったよ」


 これはもしや泥棒にならないか? と不安がよぎる。


「リン、せっとう罪で国に捕まるのか⁈」


 レミナは大きな声でそう言い放った。

 俺はギクリとする。


「まぁもう時効じゃろう。子供に落ちている石が高価で誰かのものなんて気づくはずが無い。そんなところに置いている方が悪い。ありがたくいただいておこう。ホホホ」


 博士はそう言って笑い出した。



「これは科学の目で見たら物凄いお宝じゃ。いただけるのは有難い。次の発明に使えそうじゃ」


「それは良かったです」


 俺は家から持ってきた甲斐があったなと思った。


「おっと、さっきの光線銃の説明がまだじゃったな。この銃は充電不要のソーラー機能付き光線銃、エップス博士の特注品じゃ。しかも威力は持ち主の体力を吸ってどんどん強くなる。エネルギーも体力がある限り無尽蔵に生成される」


「つまり?」


「H P吸って、どんどん攻撃じゃ。しかも一回装備すると絶対に離れない。どこまでも付いてくる。対象者が倒れても体力を吸い続ける」


「それって、もはや呪いですよね? 普通に死にますよね⁈」


 俺は途端に怖くなる。

 というか、問答無用で返品不可かよ⁈ って心の中で突っ込んだ。


 ちょっと……この銃はやっぱやめたい。


「しかも、喋る機能付き」


「なんでもありだな⁈」


 レミナはケタケタと笑っている。


「お前の鞭も同じような仕様になっているぞ?」


「なんだと⁈ レミナは何も聞いてないぞ? ユナは何も言ってなかった! 『この武器ならきっとレミナも無くさないよ』って言われて渡されただけだ!

どういうことだ⁈」


 博士の言葉に目を丸くしたレミナはどういうことだ⁈ ともう一度言った。



「ユナから聞いている。お前はあの危険な国の生物兵器だと。それでこの武器ならピッタリだと思ったのじゃ。おそらく顔がそっくりな小僧……お前もだろう? 娘がその鞭を持っていて何ともないところをみると、たぶんお前もこの銃がピッタリじゃ。普通の人なら数時間も体力が持たないとこだがお前たち2人なら疲労を毛ほども感じてなさそうだな。すでに実証実験済みじゃ」


 博士はホホホと再び笑い出す。


「ユナと共謀して私を実験に使ってたな⁈」


 レミナはむっとした表情で訴えた。


「ははは。科学者たるもの試さずにはおられん。それは研究者であるユナも同じじゃ。失敗や実験を繰り返し、完成させるのじゃ」


「くぅ、ユナめ。だから急にロットに行こうと言い出したのだな! あの引きこもりが外に出ようと言い出すのはおかしいと思っていたのだ。メートリーの森で1人で向かわせたのも、じーぴーえすで私の反応を試していたのだな! ユナめユナめ!」


 レミナは悔しそうにユナの名前を連呼した。


 ユナは意外とダークな部分も持ち合わせているようだ。学院にいた頃の優等生だった彼と同じ人物とは思えない。



「まぁ結果オーライじゃ。そうそう、これもお前たちにやろう。いくら破れても再生可能な特別機能付きの特注服じゃ。大昔の技術を改良した服でどんなにダメージを受けても勝手に戻る。昔はうちゅうふく……と言ったか? それの博士オリジナル改良版だ! この服もいいぞ。戦いを目的としたお前たちにはピッタリだ」


「えっ! なんかスゴイ服ですね! でも、いいんですか?」


 俺は服の性能を聞いて驚いた。

 まるで未来の……SF小説でも読んでいるかのようだ。


「構わん。その銃もタダでくれてやるぞぃ。ホホホ」


「えっ⁈」


 博士の気前の良さに、俺は思わず声が出た。


「なんでそんなにリンに優しいのだ? ハカセ! ユナの時とは全然違うぞ!」


 レミナは文句を伝えた。


「そりぁ、この小僧の持ってきた石がここにあるものを全部くれてやっても価値があるくらい希少な石だからじゃ。欲を言えばアレクサンドライトも欲しかったが……さすがにな。もしまた何か発明品ができたら、通信機で知らせてやるから取りに来い。娘の分も含めてタダで渡してやろう。代わりにまた何か拾ったら持ってきてくれ。次は賢者の石あたりが欲しいのぅ。ホホホ」


 博士はニヤニヤしている。

 とても楽しそうだ。


「アレクなんちゃらと賢者の石ですね! 分かりました! ありがとうございます!」


 俺は持ってきて良かったと改めて思った。価値とかはよく分からないけど、きっとスゴイ石だったのだろう。


「マジか⁈ リン偉いな! ハカセ気前いいな! 天才だな‼︎」


 レミナは褒める。


「ほほほ。ワシはかの有名な天才発明家エジソンの子孫エップス博士だからのぅ! カカカ!」


 博士は気分高揚しながら決まり文句を言った。


 リンはダサい銃となんかスゴイ服を手に入れた。


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