表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
リンが紡ぐ〜ある国のある物語〜  作者: dia
第13章 旅への出発
98/219

【エップス博士の元へ】

 こちらより本編、後半部分となります。

 挿絵がありますが、途中からデジタルになっています。少しでも読者の方に楽しんでいただけたらと思います(o^^o)


 ここは自分の出身国ストゥートから船で南下した先の大陸にある国の1つ、ピストシア帝国である。


 港から西に進んだ先の名もなき漁村から、少し北西に位置する霧に守られた小さな小島で、国から逃亡した友達のユナと俺と同じ生物兵器であるレミナの潜伏先であった。


 俺たちは現代世界で問題になっている、人の深刻なモンスター化現象の予防薬と特効薬(ユナは解毒薬と言っている)の完成のため、研究者のアパレルと一緒に偶然ストゥートの港で出くわしたレミナの案内でここまでやってきた。


 ずっとユナの実の妹であることを知らずに育ってきたリリフもまた、ユナと話すためにここまで付いてきていた。


 無事2人をユナの家まで送り届けた俺とレミナは、アプ(アパレルの通称)の両親を探すために今日ユナの家を出発した。


 そしてユナの勧めもあり、天才科学者で発明家のエップス博士の家へ寄り道をしているところだ。


「すいませーん?」


 博士の家は広い土地に丸みを帯びた不思議な形の建物が何個もくっついている。俺とレミナは玄関? らしき場所に行き声をかけた。


「誰じゃい。朝っぱらから」


 家の中から出てきたのは、少しふっくらとした白い天パの髪とヒゲの年配者だった。


 服はやはり白い白衣を着用している。見るからにこの人が博士だと分かった。



「あ! おはようございます。突然、すみません。あの、エップス博士ですよね?」



「そうじゃ。ん? その娘は……」


「ハカセハカセ!」


「ユナの連れ子か」


 博士はレミナを見知っているようだ。まぁ同じ島に2年も住んでいるのだから、当然といえば当然か。


「ユナはレミナの父さんじゃないぞ⁈」


「分かっとる。そういう意味ではないが、今朝方ユナから連絡が来たのじゃ。件の2人をそちらに送るからよろしくと……まぁ色々とお願いされたぞ」


「ほぅ、ユナは中々手回しがいいな」


 レミナはニヤッと笑った。


「あやつには素材集めなど、いつも世話になってるからな。唯一話の通じる仲間のようなものだ。この島では会話になるやつは存在せんし、外の世界に出れば変人扱いじゃ。天才を理解しない全くもってけしからん世界じゃわぃ」


 エップス博士はぶつぶつと1人で愚痴を呪文のように唱えている。


「久しぶりのお客さんだ。中に入りなさい」


 俺とレミナは博士に案内され、家の中に入った。


 玄関から入ったその先はまるでお店のように整った室内で、箱が何個も壁の棚に並べられていた。思ったよりも、博士は几帳面な性格のようだ。


「ここでは一応、ワシの発明品を売っておる。客も島人も滅多に来んがな。それで何かほしいものでもあるかね?」


 博士は尋ねた。



「あわあの俺は今何も持ってなくて……できればレミナみたいな武器がほしいんです。どんな武器がいいかはちょっと分からないんですが、今まで自分の国で使ってたのは電流の出る光線銃です」


 俺は何かあれば、買える範囲で売ってほしいとお願いする。


「ふむ。お前さんは何が合うかな。レミナのように鞭……それか剣などよりは、やはり慣れている銃がいいだろうな」


 そう言ってエップス博士は後ろの棚からゴソゴソと四角い箱を取り出した。

 そして博士は箱のフタを開ける。


「これは……」


 黒くて長方形のシンプルな学院の銃とは確実に違う。


 全体的に色鮮やかで透き通っていて、銃身の真ん中には紫がかって光っている円柱のような何かが入っていた。


 これはなんだか見たことある。


 そう昔よく見たアレだ。

 子供のころのオモチャの銃に似てるんだ。


「オモチャですか?」


 俺は思ったことを聞いてみた。



「何を言っとる⁈ 見た目で判断したらいかん! これはお前さんが慣れとる光線銃じゃ。ワシ特性の。超強力じぇらるみん素材だから丈夫だぞう?」


 博士は形はともかく、この銃はスゴイのだぞ! と強く勧めた。


「うーなんかダサいなぁ……まぁ一応、値段おいくらですか?」


 俺は建前上、聞いてみる。


「1,000,000Gじゃ」


「高い……こんな見た目で」


「高い! 高いぞ! 博士! オモチャ銃に暴利だ!」


 レミナも不満そうに叫んだ。


 俺もこれはちょっと払えないな……ダサいし別のものはないか尋ねた。



「じゃあ1,000Gでも良いぞ」


「えっ……」


「99万9,000Gはワシの人件費代だ。素材が1,000Gくらいだな。まぁユナにはいつも世話になっとる。大負けの大負けじゃ。ついでにこの銃を仕舞うベルトもつけよう」


 エップスはそう言って、じぇらるみん? の特注光線銃を俺に渡した。


 持ったらわかった。

 結構体にしっくりくる。ダサいのはともかく、中々良さそうだと。


「おー! いいじゃないか持ち方も慣れているし、いい感じだ! というか、リンがオモチャ銃持っててまるで違和感ない。むしろダサいくらいがピッタリだ!」


「ちょっ、それどういう意味? なんか失礼だなっ」


 レミナは言葉通りだと言った。


「リンは近距離だとすぐにモンスターに突っ込んで行きそうだから、銃だと中距離くらいで少し体当たり体質がマシになるかもな」



(体当たり体質って何だよ……でもレミナの言う通りなんかいい感じだ。とりあえず1000Gにしてくれたし、物は悪くなさそうだからコレでいいか。ダメだったら返品すればいいしね。)


 俺は少し考えて、この安い銃でお願いした。


 資金も限られてるので、節約だ。

 この値段はとてもありがたい。



「あ、そうだ。代わりと言っては何ですが、子供の頃集めてたガラクタ、ほとんど石ですが持ってきたんです。ユナは水晶とかもあるし、博士なら使えるかも? と」


 俺は10個ほど持ってきたガラクタの石を博士に渡した。


 エップスは目を見開き、ちょっと待っててくれと急に隣の部屋に行ってしまった。

 俺とレミナはとりあえず、博士が戻るまで待った。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ