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リンが紡ぐ〜ある国のある物語〜  作者: dia
第12章 リンとレミナの大冒険⁈
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【行ってくるぜ!】

「じゃあ、アプたちまたな!」


 レミナは元気よく別れを告げた。


 ここはピストシア帝国の北部にある名もなき漁村から少し上……霧に囲まれ外部の人があまり出入りしない小さな島だ。


 霧に囲まれていると言っても、島の中ではいつも晴天だ。海もはっきり見える。


 その霧は外部から島を守っているかのようで、まるで作られたような、何とも不思議な環境だった。



「2人とも気をつけてね。ちょっと心配だけど、両親のことよろしくね」


 アプの目と口には笑みが見えるが、彼女の眉は下がっている。

 心配だが、頑張って笑顔で送り出そうとしてくれている……そんな顔だ。



「兄貴もレミナも何も考えず突っ走っちゃだダメだよ? いきなり変なもの食べないでね? あんまり遠くへ行き過ぎると帰ってこられなくなるからね? それと……」


「リリフ心配しすぎ!」


 俺は延々と注意喚起する妹に、思わずツッコミを入れた。



 この見た目幼い銀色がかった茶髪の2歳年下妹のリリフは、実は俺とは血が繋がっておらずこの家の住人ユナの実の妹であることが最近分かった。


 育ちの妹とでも言うのだろうか?


 この年まで兄妹として家や学院で一緒に育ってきたので、血の繋がりがあろうとなかろうと俺にとっては紛れもない大事な妹に変わりない。


 それはリリフも同じなようで、昨日実の兄ユナとじっくり話し合い和解したようだが、彼女の俺に対する態度はいつも通りだった。



「だって、この2人がタッグ組むなんて、1番心配だもの」


「大丈夫だ! タケルが色々と送ってくれる!」


 レミナはリリフに自信満々に告げた。

 その際、任せろ! と親指を立てる。



「タケルさん加わり、ますます暴走車がパワーアップしそうでなんか余計心配だわ……」


 アパレルは呟いた。


「なんでだ⁈ 全く、リンは信頼ないな!」


「俺だけの責任じゃないでしょ⁈ それは!」


 俺とレミナにはたぶん周りを過度に心配させてしまう何かがきっとあるのだろう。


 もちろん俺とレミナはクローン同士なので、顔もよく似ているし中身も多少違えど、やっぱり同じ穴のムジナだ。


 違うのは性別と体の成長具合、それと育った環境だが、たとえ遺伝子が同じでもそれだけで全く同じ人間にはならないのだなと俺は思った。


 実際元の遺伝子の持ち主、父であるソルトウェルト・グレイダーともかなり違う気がする。あんまり覚えていないが。



「気をつけて。もし何かあったらいつでも連絡して」


 ユナも心配そうに送り出す。


「ありがとう。ユナ、アプもリリフもみんな行ってくるね」


「いってらっしゃい」


 俺たちは元気よく坂を下って行った。

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