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リンが紡ぐ〜ある国のある物語〜  作者: dia
第12章 リンとレミナの大冒険⁈
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【不安なグレース】

 グレースとカトレアはレンバースに着いた。


 一度学院に寄りコロアにチョコを届け、バイクを飛ばしてここまでやってきた。


 門番にお願いしてやっと中に入ったところだ。


「もう8時近い。けっこう遅くなっちゃったな」


 グレースはレンバースの街を見回した。

 夜のせいもあるだろうが、街の規模の割に思ったよりも歩いている人が少ない。


 たまに人がいたかと思うとこちらを一瞬見てからすぐに目線を逸らし、早足で行ってしまう。


 これは確かに容易に声をかけれる雰囲気はないな…とグレースは感じた。



「ホントだね。あ! ワイワイとカヲたん!」


 門の先の大通りからこちらへ向かってくるカヲルとワイズが見えた。

 グレース達もそちらへ向かう。



「いやー2人とも長旅おつかれ」


「ここまでロットから遠かったでしょう?」


 ワイズとカヲルは2人に近づくなり、労いの言葉をかけた。



「遅くなってすまんね。けっこう苦戦してるんだって?」


 グレースはそう言って、苦笑いしている。


「今ちょっとだけ先が見えてきたとこだな」


 カヲルは答えた。



 4人は予約済みの宿屋まで、大通りをゆっくりと進む。


 グレースやカトレアは理路整然とした街の雰囲気に圧倒されていた。


 街灯が揃って道なりに連なっており、夜の街でもここはとても明るい。

 レンガでできた同じような色や形の家がずっと先まで並んで繋がっている。

 街全体が整っていて、とにかくオシャレな街だ。


 街に不似合いなくらい、住人は驚くほど閉鎖的だけど。



「カトレア、ちょっと教えてほしいことがあるの。こども寮にいた時に流行ってた唄のことでね。たぶんバモールの唄だと思うんだけど、誰が言ってたとか覚えてないかしら?」


 歩きながら、ワイズはカトレアにそう告げた。



「唄?」


 ワイズは頷いて、唄の歌詞を教える。

 カトレアは呆然と聞いていて、最後に首を傾けた。


 もしかして聞いたことないのか……と、カヲルは思ったが口を噤んでいた。



「ワイワイ、私その唄知らない。学院でもそんな唄聞いたことない。それ、本当に学院での記憶なの?」


「ウソ……」


 カトレアの言葉にワイズは驚きを隠せない。


「えっ待って……じゃあどこで……?」


「父の転勤で私たち家族がウェイルズから引っ越してくる前じゃないかな?」


「カトレアの引っ越し先って?」


「レイドリック」


 グレースの質問にカトレアは首都だよと答える。



「俺も出身はレイドリックだよ。親父の仕事の都合で何度も街を移動してるけど。小さい頃は2人と同じだったのか」


 そう発言したのはカヲルだ。

 みんな都市なんだなぁ……と山の方のあまり知られていない村出身のグレースは呟いた。


「レイドリックでの記憶? でも、カトレアが越してきたのは確か11年前で私が6歳の時だからそれよりも前って……絶対一緒に遊んでた子たちではないはずだわ。男の子が多かったもの。こんな繊細な唄、ホント誰に聞いたのかな」


「研究所の関係者だろうなぁ。その子供とか」


「そうね。カヲルもどこかで会ってたかもしれないのよね。子供の頃っていつのまにか知らない子と遊んでたりするし、その時に聞いたのかも。まぁ誰から聞いたとかはもう気にしないことにするわ。今となってはもう調べようがないのだから」


 ワイズはそう言い切った。



「それがいい。しかし男の子ばかりって……随分とモテモテだったんだな、ワイズは」


 カヲルはニヤけてとグレースの方を見ながら言った。


「なんで俺を見るの? モテてたのはワイズだろ?」


 グレースは相変わらず鈍い。


 金属バットで頭を叩かれても当たったことすら気づかないくらい鈍い! とカヲルは言いたかったが、ぐっと堪えて黙っていた。


「カヲたん、グレちゃんはリンリンが気になって気になって女の子まで気が回らないんだよ……」


 カトレアの聞き逃せない発言。


「えっ⁈ グレースってそっちの人だったの⁈」


 カヲルはそう言って、ワイズを見た。

 ワイズはまたバカなことを……と、呆れていた。すでに相手にしてないようだ。


「そっちとは? まぁ事実だよ。俺はあいつのせいで胃が痛い。明日からが特に心配だ……」


「また、何かやらかしたのか? あいつは…」


 カヲルはそう言って、リンにはこれからの成長を期待しようとグレースの肩をポンと叩く。


 グレースはこれからやらかすんだよ……とボソッと小さく呟いていた。


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