表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
リンが紡ぐ〜ある国のある物語〜  作者: dia
第1章 そして物語へ
9/219

【再会】

 俺たちが自分たちの寮に戻ってきたとき、もう時計は8時半ば過ぎていた。


 途中で夕食をとってきたため、遅くなったが寮長には事前に連絡してあるため一応怒られたりはしない。


 エレベーター付近まで来たとき、見覚えのある女子がひとり端の方で立っていた。その女子は俺たちに気がついたのかこちらへと声をかけ近づく。



「リン君! 良かった。待ってたんだよ。君、途中から話を聞かないですぐ行っちゃうから……」


 彼女は確か、広場で会った女の子だ。


「リン、誰だ? 友達か?」


 友達…というのだろうか。

 5時間前にほんの少し言葉を交わした程度だ。


 確か別れるときに、今度会ったらよろしくと言ったが、まさかこんなにも早く会うとは思わなかった。


「えっと、彼女はアプ。《研究》チーム・Cグループの子で今日広場で会ったんだ〜」


 カヲルは《研究》チームのCグループと聞いて少し驚いていた。


 俺も初めて聞かされたときはかなり驚いたが、この一見普通に見える女子がいわゆるエリートっていうキャリア組の1人だからだ。


「よろしく。アパレルよ。あなたは、ええっと……」


「リンと同じグループのカヲルだ。よろしく」


 アプは一度俺の方を見てから、カヲルを見た。そして何か納得したような素振りを見せて、ニコリと笑った。


「そう。では2人とも。これから仲良く頑張りましょうね」


「へ?」


 俺はどういうことか分からなかったが、カヲルはなぜか頷いている。


「『へ?』じゃないでしょ。明日から五日間、行動を共にするんだから、仲良くしなきゃ困るでしょう? 違う?」


「えっ、君が補充メンバーなの?」


 そう言われて初めてアプがあの時グレースの言っていた《研究》チームからの助っ人だと理解した。


 考えてみれば他に彼女がここまで俺を追ってくる理由がないのだが。


「広場で君にそう言ったじゃない。なのに走って行っちゃって、挨拶もろくに出来なかったから、帰ってくるのを待っていたのよ」


 ああ、たしか別れる時に…と思い出した。


 だかその場で聞いていたとしてもきっとなんのことだか解らなかっただろう。グループを分けると聞いたのはその後なわけで。


「待ってって、あれからずっと?」


 俺は聞き返した。


「ここの管理人に遅くなるって聞いたからね。8時ちょっと前くらいにここに来たの」


「そっかゴメン。えっと、改めてよろしく」


 俺は気を取り直して挨拶をした。


「ええ、ヨロシクね」


 アプはそう言って、自分の寮へ戻って行った。



「あ……リーダーのこと言うの忘れてた」


 俺はさっきまで自分で言っていたのにも関わらず、アプの顔を見たらすっかり抜けてしまった。


 彼女はもう寮の外まで行ってしまっている。


「もういいんじゃね? でも女の子で良かったー♪ しかも可愛い〜〜」


 カヲルはそう言って3人で頑張ろうなと改めて俺に意気込みを見せていた。


 現金なやつだなぁと俺は思ったが黙っていた。


挿絵(By みてみん)




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ