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リンが紡ぐ〜ある国のある物語〜  作者: dia
第12章 リンとレミナの大冒険⁈
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【説得力ないから】

 ここはグリル村からさらに上、ティラタまで行かない隠された所にある洞窟の中の道具屋だった。


 カトレアはとーまの道具屋で異様な格好の彼のために、ソファで猫さん着ぐるみを作成中だ。


 その間グレースはユナとレミナのことを吹聴していた客のこと尋ねた。



「初めてアノ2人がウチに来た日だろ? レミナがオレのサングラス壊して帰る時、丁度1人来たヨ来たヨ! ウチの常連サン」


「本当⁈ できればその人のことを詳しく教えてもらいたいんだけど……」


「エー? でもソイツ男ダヨ? 情報いらなくネ? いらなくネ?」


 とーまは体を揺らして、男ダヨ? を連呼した。


「いや男とか女とかそこは重要じゃないから。名前とか、どこの人とか分かるかな?」


 グレースは再度改めて聞いた。


 とーまはう〜んと思い出そうとしている。




「名前は……確かポアロ?」


「ポアロ?」


 グレースは聞き返す。


「ポカロ? ポールポーロ?」


「ポから始まるその辺の響きの名前ってことかな?」


「おぅ。男キョーミねーからナ。すぐ忘レることにしてんダヨ。ヒャハ」


 そう言って、とーまはケタケタと笑った。



「興味なくても、常連さんの名前ぐらい教えてもらったら覚えておいてくれ……」


「んダヨ。グレちゃんはソノ辺ウルサイのな」


「なんでそっちは覚えるのかな?」


「だって、カトレアが言ってタヨ。オメェはグレちゃん。変わった名前ダナ。グレちゅん……グレぴょん? グレっぴ?」


「あ、そうやって段々ズレていくのか。その人どの辺に住んでるか知ってる?」


 とーまは首を縦に振って、ウンウンと頷いた。


 被り物で顔が隠されている彼の大げさなパフォーマンスはある意味分かりやすくて良い。


「ソレは知ってるヨ! その人はいつもアンチ所だよ! アンチ所から来るって言ってルヨ」


「安置所? お葬式とかの仕事の人ってこと?」


「ナニ言ってんダヨ? アンリ所だよ! アンミ所? 橋にあんじゃんカヨォ」


 ()と言われて、グレースは気づく。



「……管理所?」


「そう! ソレだよソレ‼︎ カンミ所!」


 とーまは嬉しそうな声で肯定した。



(あそこは学院の管轄内。卒業生の職員も多い。そーか、そこからマラカナにリークされたか)



「その人、何買いにいつも来るんだ?」


「ん?あぁ、ポークはいつも……ソノ……」


 急にしどろもどろし出すとーま。



「?」


 グレースはどうした? と尋ねる。



 「言っタラ怒られルヨ」


 「ヤバイものでも仕入れているのか?」


 とーまは見せてもいいけど……と、カウンターの下の棚を探り出す。


「アル意味、ヤバイかもナ。グレっぴ今いくつヨ?」


「えっ? 年齢の話? 18歳だよ。今年で19になるな」


「ならイイか。オレが言ったって言うナヨ? カトレアに見せるナヨ? ポロカはこの……フィギュアをこっそり買いにいつも来てんダヨ」


 とーまはそう言って透明の箱に入ったモノを出した。



「……あ‼︎‼︎」


 グレースは目が点になる。

 とーまの手には明らかにヤバイ姿の人形が……



「もしカメラ回ってるならモザイクかけトケヨ? 18禁ダ。まぁオレはまだ18歳になってないけどナ。ピカ受けた時はまだちっこいガキダったヨナ。たぶん」


 グレースは本当にここは色んなものがあるな……と呆れた。


(カメラ回ってるってどういうことだ? っか、コイツ俺より若いのか……いや、年上とも思ってないけど)



「そうか。うん分かった。よく分かった。今回は教授の取り越し苦労だったようだ。ありがとう、とーま。またちょっと外に出るわ。カトレアに何かしたらダメだからな? また銃で撃たれるよ?」


 グレースは強めに首を指す。


「分かってルヨ。カトレアに嫌われるコトしたくないヨ。ソコは信用してオケだァ!」


 とーまそう言って着ぐるみのモコモコした手で親指を立てた。

 きっと頭巾の中はドヤ顔をしているのだろう。見えなくても分かるのが不思議だ。


「その人形持ちながら言われても、全然説得力がないからな?」


 グレースはそれだけ告げて、店の外へ出て行った。

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